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18 確かめに行く
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ヴィーオの魔力が在るのは、ポルトノルドの内陸側の街道沿いだった。
先日私が指名依頼を受けてポルトノルドに向かった時には、物珍しさから、海岸沿いに続く街道を選んだ。
海を行き交う色とりどりの交流船が行き交うのを見るのも、たまに船同士がすれ違う時に素っ頓狂な汽笛を鳴らし合うのも、聞いていて面白かった。
そう言えば、ポルトノルドは向こうの大陸との定期船が立ち寄る港でもある。
アースラ大陸から帰って来たヴィーオはポルトノルドに降り立って、そこで何かの面倒事に巻き込まれ・・・、その結果どう言うワケだか、どこかの誰かと街道脇の宿か何かで巣ごもりすることになったのだろう。
それが何故だか、巣ごもりを終えたハズの今もなお、ずうっと同じ場所に留まり続けている。そして、弱ってる?
何かが、ヴィーオの身の上に起きたに違いなかった。
私は前回とは違う、内陸側の街道を急いで北上していた。
海沿いの街道に比べ、この辺りの内陸の景色は、どこも同じような植生で、豊かな森を抱えたなだらかな山がいくつも延々と続いている。
ハイキングで歩き回るには良いけれど、長旅するにはちょっと変化に物足りない。
けど、もしも前回、こちらの街道を選んでいたのなら、もしかしたらもっと早くにヴィーオの気配と異変に気がつけていたのかもしれない。
などなどと、悔やんでもどうしようもないことに、何度も何度も思考が戻って悩まされる。
焦る気持ちから、度々足が絡みかけた。
大きな怪我をしてしまったり、体力を使い切っては話にならないので、スピード配分に気をつけつつ、時折糧食を食べたり回復薬などを飲んだりして体力を温存しながら先を急いだ。
そうして、そろそろポルトノルドの街が見えてきても良いぐらいのところまで来た所で、再度サーチをかけてみることにした。
すると、ヴィーオの弱い魔力が、割と近くの、木々の奥から感じられた。
宿も家も見当たらないのに、一体どこに居るのかと不審に感じつつ、街道を逸れて林の中へと踏み込む。
しかし、やはりどこにも、家どころか人の姿も見当たらない。
鑑定の魔法を使って辺りをサーチしてみると、罠の痕跡を発見した。
魔法結界を張って、魔物の足を止めるタイプの罠だ。
使われたとおぼしき結界石は、魔物か野生動物によって蹴散らかされたのかてんでバラバラに散っていて、鑑定でもしなければ気が付かない状態だった。
その罠からもう少し森の方にサーチを拡げてみると、今度はもう少し大きめの魔法結界の気配がする。
サーチで結界石を探してみると、土の中に埋められた黒色水晶鉱石を見つけた。
どうやらこれが、結界の四隅に埋められているらしい。
パッと視ただけでも、“結界““視覚認識阻害””防音“”気配隠し““魔法遮断”“魔素循環停止“”外鍵“などなどのありとあらゆる主に対魔物用の魔法が、何重にも付与されている。
よほど魔法に熟練した者でもない限り、この結界には気づけなかっただろう。
今の私のように、『何かある』と確信して探しでもしない限り。
手近なその鉱石のひとつを完全に土から掘り出してそこらにポイっと投げると、不意に結界の中央に扉が現れた。
頑丈な、鉄の扉だ。
コレは、アレだ。
扉とどこかの閉鎖空間をつなぐタイプの宿泊テント(かなり高価なシロモノ)に違いない。
ついこの間、これと同じようなものをポルトノルドのギルド内に併設された道具屋で見かけたばかりので、ピンと来た。
私は念の為短剣を片手に構えつつ、慎重に、ゆっくりとその扉を開けた。
先日私が指名依頼を受けてポルトノルドに向かった時には、物珍しさから、海岸沿いに続く街道を選んだ。
海を行き交う色とりどりの交流船が行き交うのを見るのも、たまに船同士がすれ違う時に素っ頓狂な汽笛を鳴らし合うのも、聞いていて面白かった。
そう言えば、ポルトノルドは向こうの大陸との定期船が立ち寄る港でもある。
アースラ大陸から帰って来たヴィーオはポルトノルドに降り立って、そこで何かの面倒事に巻き込まれ・・・、その結果どう言うワケだか、どこかの誰かと街道脇の宿か何かで巣ごもりすることになったのだろう。
それが何故だか、巣ごもりを終えたハズの今もなお、ずうっと同じ場所に留まり続けている。そして、弱ってる?
何かが、ヴィーオの身の上に起きたに違いなかった。
私は前回とは違う、内陸側の街道を急いで北上していた。
海沿いの街道に比べ、この辺りの内陸の景色は、どこも同じような植生で、豊かな森を抱えたなだらかな山がいくつも延々と続いている。
ハイキングで歩き回るには良いけれど、長旅するにはちょっと変化に物足りない。
けど、もしも前回、こちらの街道を選んでいたのなら、もしかしたらもっと早くにヴィーオの気配と異変に気がつけていたのかもしれない。
などなどと、悔やんでもどうしようもないことに、何度も何度も思考が戻って悩まされる。
焦る気持ちから、度々足が絡みかけた。
大きな怪我をしてしまったり、体力を使い切っては話にならないので、スピード配分に気をつけつつ、時折糧食を食べたり回復薬などを飲んだりして体力を温存しながら先を急いだ。
そうして、そろそろポルトノルドの街が見えてきても良いぐらいのところまで来た所で、再度サーチをかけてみることにした。
すると、ヴィーオの弱い魔力が、割と近くの、木々の奥から感じられた。
宿も家も見当たらないのに、一体どこに居るのかと不審に感じつつ、街道を逸れて林の中へと踏み込む。
しかし、やはりどこにも、家どころか人の姿も見当たらない。
鑑定の魔法を使って辺りをサーチしてみると、罠の痕跡を発見した。
魔法結界を張って、魔物の足を止めるタイプの罠だ。
使われたとおぼしき結界石は、魔物か野生動物によって蹴散らかされたのかてんでバラバラに散っていて、鑑定でもしなければ気が付かない状態だった。
その罠からもう少し森の方にサーチを拡げてみると、今度はもう少し大きめの魔法結界の気配がする。
サーチで結界石を探してみると、土の中に埋められた黒色水晶鉱石を見つけた。
どうやらこれが、結界の四隅に埋められているらしい。
パッと視ただけでも、“結界““視覚認識阻害””防音“”気配隠し““魔法遮断”“魔素循環停止“”外鍵“などなどのありとあらゆる主に対魔物用の魔法が、何重にも付与されている。
よほど魔法に熟練した者でもない限り、この結界には気づけなかっただろう。
今の私のように、『何かある』と確信して探しでもしない限り。
手近なその鉱石のひとつを完全に土から掘り出してそこらにポイっと投げると、不意に結界の中央に扉が現れた。
頑丈な、鉄の扉だ。
コレは、アレだ。
扉とどこかの閉鎖空間をつなぐタイプの宿泊テント(かなり高価なシロモノ)に違いない。
ついこの間、これと同じようなものをポルトノルドのギルド内に併設された道具屋で見かけたばかりので、ピンと来た。
私は念の為短剣を片手に構えつつ、慎重に、ゆっくりとその扉を開けた。
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