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第2章・婚約破棄は新たなる珍事を招く。
イレギュラーなヤツ。(愛故に)
しおりを挟む扉を抉じ開け、いきなり進入してきたブライアン。急にどうしたの?それより何故ここに居るの?何を助けて欲しいの?全く訳が解らないわ。
朝ごはんを食べ終わり、ソファーでお茶を戴いている私。その私の体とテーブルの間に体を突っこみ、私の腰に腕を回ししがみつく。半泣きしながら嫌だ助けて行きたくないと、私の膝に頭を乗せ擦り付ける。まさか膝で涙を拭いているのだろうか?なんてつい意地悪な事を考えてしまう。
まあこれがエドワードだったら、即時に投げ飛ばす所だけど、こんなにも震えるブライアンならば仕方が無い。暫し姉の膝を貸しましょう。頭を撫でポンポンと背中を叩きながら宥める。しかし本当に何が有ったのかしら?前の席のリーダーを見る。ブンブンと首を振られた。奥の机で資料を見ていたロジャースを見る。
目が据わってる。しかも然り気無くそらしたな。アイツめ。何か知ってるな。まあ良い。先ずはブライアンよ。
「ブライアン?何か有ったの?それより何故ここに居るのかしら?」
今は社交のシーズンでは無い。しかしブライアンは昼間は学園。それ以外は父に就いて領地経営の勉強。世襲制では無いとは言え、将来的には宰相の地位をと期待されている。だからこそ現宰相の父に就いている。学園に通う合間に城務めの父の補佐をしているのだ。完璧な社交オフになるまで、領地に戻らずこちらに居るのは解る。しかしローズマリーの件も有るし、気楽に王都屋敷と王城、学園以外には外出出来ぬ筈。
なのにサボり?まだ再教育が不足だったのかしら?この軟弱者めが!と、ジーッとブライアンの旋毛を見つめる。やがて恐る恐ると言う感じに、顔をひきつらせながらブライアンが顔を上げた。バッチリと目を合わせてやる。
「ヒィィーッ!」
何よ!人の顔見てまた伏せた。失礼な弟ね。全くもう!
「ちょっと!何時までも膝は貸さないわよ。怒ってないからさっさと吐け。面倒臭いが聞いてやる。どうせ私に関係するんでしょ?もしかして皇太子様が何かしたのかしら?」
ブライアンがガバリと顔を上げる。ロジャースがしかめ面をしている。ふーん。ロジャースは皇太子様の味方したのね。
「おい。勘違いするなよ。俺は中立だ。どちらの肩も持ってないぞ。まあゲームとやらのシナリオは破綻したが、続編のせいで国が滅びたら敵わん。お前が女王と言うのも不安だ。よって隠しキャラにも平等な権利が必要だと感じただけだ。」
隠しキャラ?
少し落ち着いたブライアンが、ノロノロと這い出した。前の席のリーダーが脇にそれ、私の前にブライアンが腰をかけた。やだ。顔が鼻水だらけじゃない。もう…。ハンカチを差し出す。
「ウッ…グス…ズッ、ズズゥー。」
・・・・・。
鼻をかんだハンカチをを返すな!沢山有るからあげるわよ。要らないってば!しつこいな。要らないわよー!
「姉さんから何か貰うと、多分皇太子様に取り上げられるよ。これ使用済みだよね?姉さんの匂いする?僕の鼻水付いたから大丈夫かな?」
匂い?何よそれ?
「ちょっとそのハンカチ返しなさい。クリーン。ついでに除菌に消臭ー。フローラルもしちゃえ。はい。これで大丈夫。」
新しいのを2枚追加してブライアンに渡す。男性もハンカチ位は持ち歩きなさいな。袖がグチャグチャよ。
って…。もうやだ。
私の膝もグチャグチャじゃ無い。
「この刺繍ハンカチなら大丈夫よ。皇太子様も沢山持ってるわ。だから安心して顔を拭きなさいな。」
「おい。顔にもクリーンかけてやれよ。擦りすぎてグチャグチャの真っ赤だ。ついでに回復か?後皇太子様が沢山持ってるのは、皇太子様のネーム入りだろ?それはお前のネーム入りじゃ無いのか?残念ながら確実に没収だ。もう何枚か入手済みの様だがな。」
何ですって!何故私のネーム入りを?兎に角私の知らぬ事を、サクサクと聞き取らねば。取り敢えず確定なのは、ロジャースがエドワードに情報を流したと言う事。だからやはりあの場に、エドワードが居たのよ!しかしそうなると、エドワードの事を黙秘してたグレイシー様もぐるね。つまり男達に私の味方は…。多分居ないのだろう…。
リーダーをじっと見る。ジーッ。
そらした。やはりダメね。何だか張りきって浮かれてたからね。
「つまり男性陣は、皆さん皇太子様推しと言う事ですか?まあごり押しは無いと信用してますが?」
「それは信用してくれ。しかし皇太子様には、お前の居場所等は流して無いぞ。伝えたのは今回知り得た情報のみだ。現状皇太子様が正気でいるのだから、続編とやらの下克上は無いだろう。だがローズマリーが脱獄した。それに聖国が関わっている。魔術師団長親子と騎士団長の息子も、聖国が亡命する手引きをしてた。かなりゲームとやらと被る部分が有るので教えたんだ。ここまで来ると、国防にも関わるだろう。更には皇太子様は、隠しキャラらしいからな!」
は?ゲームでは魅了で洗脳されてるんでしょ?それでどうして攻略キャラの仲間に入る訳?そんな事よりも!私の居場所を流して無いなら、何故あんなに早く遺跡に居たの?グレイシー様より早いなんて変よ。
「エリザベートがグレイシー様を伴い、ローズマリーを断罪。更には下克上中に、エドワードは大切な事を思い出すんだ。エリザベートとの幼い頃の約束をな。バラの花とカフスボタンで指輪を貰わなかったか?皇太子様はその片割れのカフスボタンに鎖を通し、後生大事に首にかけている。正気に戻りそれを引きちぎり、エリザベートに差し出し土下座しながらも愛を乞う。前編での俺が結婚式に飛び込み、ヒロインを強奪する筈だったパターンと似てるな。しかしこれは、グレイシー様ルートの場合のみ発生する。」
こりゃまた真実味の無いお話だね。流石ゲームって感じ?エドワードが土下座する筈が無いじゃない。それよりあのカフスボタンの君が、やはりエドワードなの?信じられないんですけど!エドワードが私と木登りしたり隠れんぼしたりしたの?えー…。
「どうしてグレイシー様のルートだけなの?」
「異母兄弟と言う2人の確執からだろうな。公爵家の庭で遊んだのは、本当はグレイシー様なんだ。先のマリエンヌの資料で見ただろ?グレイシー様は諜報として公爵家に潜り込んでた。そこでエリザベートと遊んだ。グレイシー様が撤退した日に、エドワード様が指輪を渡したんだ。」
これはゲームでは、エドワードにより作為的に故意に行われた。エリザベートが庭で見知らぬ男の子と遊んでるのに気付いたエドワードは、見守っていた侍女に話を聞く。数日間も仲良く遊んでいた事に焼きもちを妬き、嫉妬心から警備の兵に密告した。エドワードはその後、急遽消えたグレイシーの代わりを演じた。つまり遊んだのはグレイシー様。別れの挨拶はエドワード様だった。グレイシー様はフードを被っていた為か、エリザベートが幼かった為か、交替には気付かなかった。多分侍女は、グレイシー様を皇太子様だと思ってたのだろう。現実ならかなりの無茶ぶりだが、ゲームの設定となると…。って訳ね。
しかしグレイシー様は後にこの事を知り、エドワードに恨みを持ってしまう。
「でもこれはゲームでの話よね?」
「そうだな。だがゲームのエンディングでは、エドワードとのハッピーエンドも有る。2人は手を取り合い互いに反省し、国を建て直して行く。グレイシー様とも和解する。」
それは絶対ゲームの話です!
「実はこの世界の現実でも、遊んだのはグレイシー様。指輪は皇太子様だ。片割れのカフスボタンは、やはり首に有るそうだ。しかしこれはゲームの様に作為的では無い。グレイシー様は皇太子様の諜報兼影武者をしている。この時グレイシー様は公爵家へ、婚約の顔合わせの為の下調べと事前準備に潜り込んでた。その際にお前に見付かり、皇太子様のふりをして遊んだんだ。そして本人訪問時に入れ替わった。これらは公爵家も知ってた。だから侍女達も皇太子様だと思い何も言わなかった。つまり今のグレイシー様に、ゲームの様な恨み憾みは無い。」
グレイシー様がエドワード様の影武者をしてるの?全く気付かなかった。
「あ!そうだ。エドワードはローズマリーとはイタして無いそうだ。ハニートラップは、グレイシー様の管轄だそうだ。だから安心しろ。」
ハニートラップ…。グレイシー様のイメージがガラガラと崩壊して行く…。貴様らわざとじゃ無いだろうな!
「うわー。それマジ?もしかして皇太子様って…。王家の子沢山はやはりそこだな。極端すぎるんだな。10年以上の鬱屈が…。エリー頑張れ!この国の平和はお前の忍耐力だ!沢山丈夫な子を産んでくれ。」
・・・・・。
「何度も言わすな!私は知らんわ!」
・・・・・。
「ねぇ?」
・・・・・。
「そろそろ僕の話を…。」
・・・・・。
「姉さんってば!もしかしなくても、僕の存在を忘れてない?」
・・・・・。
「忘れてないわよ。そして今気付いたわ。エドワードが何故遺跡にあんなに早く到着したのか?時折感じた変な殺気や妙な視線。ブライアン!貴方私があげたネックレスはどうしたの?」
「え?皇太子様居たのバレてるの?」
「リーダー!少し考えれば解ります!誰が私に直接魔力補給をしたのかしら?まさかリーダーがチューしてくれたの?なら私のファーストキスの代金を戴こうかしら?高いわよ。無理よね?ポーション2本目が苦しくなる位の魔力をよ?」
「すみません…。」
解れば宜しい。
「取り敢えず、イレギュラーなヤツは忘れましょう。それでは。」
「「忘れるなよ!!」」
ブライアンの襟元を引き伸ばす。ん?鎖は有るな。もしかして私の勘違い?机に足をかけ、更に襟元を引きボタンを外しシャツを引っ張る。鎖を掴み引摺りだした。
・・・・・。
やっぱりね。
「これはどう言う事かしら?」
項垂れるブライアン。
「姉さんから貰ったのは、皇太子様に取り上げられた。これは代わりにペアで渡されたんだ。もう1つは、婚約者に渡せって。しかもそれ持って明日隣国に行けと言うんだ。しかもまだ発売日じゃ無いのに!コメコメが先行発売として、マーガレットブランドの品も用意したって!隣国は今キナ臭いんだよ!僕は行きたくないよ!ネックレス取られたのはご免なさい!だけど隣国に行かせるのは止めて!僕が逃亡するからと、ずっとコメコメに軟禁されてるんだ!隣国で僕を餌にして、脱獄したローズマリーを捕獲するんだって!みんな酷いよ!」
ロジャースが立ち上がって此方に来る。私に見られて観念した様だ。ソファーに腰を下し、漸く全てを吐き出した。全く。少しばかり隠し立てしないで全て話なさいよ。面倒臭いわね。
ブライアンの通信付き魔道具は、意外に直ぐに皇太子様に取り上げられたそうだ。ブライアンが父につき従い、城内を歩いてたら通信のベルが鳴ってしまう。慌てて止めたが、たまたま通りかかった皇太子様に魔道具を見られてしまった。これはエリザベートが作った魔道具だ!しかし何故ブライアンが持ってるのか?と誰何された。
全く変な所に目敏いな!
ロジャースとマリエンヌがペアと言う話だったのに、何故更に同じ物をブライアンがしてるのか?しかも今の音は何だ?!となってしまった訳ね。つまりは早々に、通信で私の言動から行動や居場所がバレてたのね。
まぁこれは私のミスが発端だし、ブライアンを責める訳にはいかないわ。あの時婚約破棄の言質を取り、浮かれすぎてエドワードから魔道具を取り返さなかった私のミスよ。
「コメコメ言うな!コメコメ大商会だ!どうせ婚約者に贈り物を届けるんだ。少し早まっただけだろう。貴様がマリエンヌにした仕打ちは忘れんぞ、少しは反省して協力しろ。」
ロジャースもすっかり開き直ってるわね。全くコヤツら己の事ばかり。まあ私も結果はそうだけど、一応周囲の事は考えてるわよ。うーん。でもどうしよう。来週のパーティー間に合うわよね?良し決めた!
「ブライアン。なら私が一緒に行ってあげる。同行者がひつようでしょ?私が侍女でリーダーが侍従で良いじゃない。さあ。そうとなれば準備しなくちゃ!明日の何時に出るの?あ!どうせなら、魔術師団長達も泳がせたらどう?纏めて彼方で成敗しましょうよ。リーダーのお家もパーティー代が浮くわよ。でははいこれ秘密兵器ね!」
ロジャースに懐中時計を3つ投げる。ナイスキャッチ。それ有れば直ぐに踏み込めるから!宜しくね。
「魔道具だよな?付加効果は?」
「〇〇〇〇だよ。魔力フルなら、両手はいけると思う。普通で片手×3回位ね。」
「うわー。またまた出たよ歩く非常識。またの名を常識破壊魔女。」
リーダー物理で殴るぞ。
「またとんでもないもの作ったな!」
まあね。やはりこれ無いと不便なのよ。さあさあ褒め称えなさい。
「オールマイティな姉さんが、今更何しても驚かないよ。でも僕は普通だから!見ても解るだろうけど文官だから!僕に武力的な事は無理だよ。お願いだから、僕は戦力外にしてよ。死んじゃうよ。」
ブライアンは流石に私を心得てると言うか、知らないのかまだまだ可愛いのよね。オールマイティ何て誉め言葉じゃない。他の奴等にかかったら、人外扱いだからね。特にリーダーめ…。
さあ朝ごはんも食べたし、サクサクと行きましょう。ん?あれは!
「あー!マリエンヌお早う!」
「お早うございます。お姉さま。あら?何故ブライアンがここに居るのかしら?」
「うわーん。僕はコメコメに3日も軟禁されてたのに、全く気付いてくれなかったの?コメコメのバカー!屋敷中逃げ回ってたのに酷い!姉さんは既にコメコメの手…「コメコメ煩い!いい加減にしろ!」さ…き…。」
マリエンヌはキョトン顔。全く気付いて居なかった様だ。
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