【完】婚約破棄までの1週間はテンプレ三昧。私も幸せになりたい!in 異世界。

桜 鴬

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【閑話。another side】

:聖女様は最強過ぎだろ!〔クリス王子side〕

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 俺はこの国の第二王子だ。3才年下の婚約者が居る。彼女は所謂幼馴染みで、小さい頃から良く知って居た。ふわふわした可愛らしい女の子。フリフリパステルカラーのドレスが似合う。そんな彼女を俺は愛しく思って居る。婚約も嬉しい。でも…。

 俺は先日成人した。色々と多感な時期で、ついついムラムラしてしまうお年頃だ。しかしまだ婚約者のアニーは12才。精々キスとボディタッチ位だ。女性も初潮が来ていれば、婚前交渉しても問題ないとされている。アニーとも可能だ。しかし彼女は性格も幼い。とても色事には耐えられそうも無い。

 自慢では無いが、俺は身分も有り容姿も整っている。色事のお誘いには事欠かない。王家の男子は正妃を迎えるまで、子をなす事は出来ない。しかし婚前交渉は許されている。女性も処女性は重要視されて居ない。避妊を完璧にすれば大丈夫。僕はついつい一夜のお誘いに乗ってしまう。その後は坂道を転げ落ちる様に快楽にのめり込んだ。年上のお姉さまがたの手管は凄く、俺の趣向はかなり偏ってしまった。もう普通の快楽では我慢できない。婚約者に隠れては享楽に耽る。その時はまさか、庭園での情事を見られてしまうとは思っても居ななかった。

 *****
 
〈アニーごめん。君が大好き過ぎて手が出せない。だってまだ子供だろ?君が怖がりそうで触れられ無かった。大丈夫。君以外は割り切った相手だ。相手も同じ。子供はアニーの子しか欲しくない。〉

 俺は言葉を選びながら、アニーを何とか誤魔化そうと言い訳を紡ぐ。言い訳をして誤魔化したい位、俺はアニーが好きだ。出来るならアニーを抱きたい。他の女性としてる事を、全てアニーに試してみたい。本音を言ったらアニーは引くだろうか?

 〈他の他人を抱かないで。私は怖くない。クリスになら何をされても嬉しい。〉

 俺の理性は吹っ飛んだ。怖くない訳無いだろう。アニーは無理をしている。でももう歯止めが利かなかった。その晩俺はアニーを抱いた。幼い容姿と言動とは裏腹の、大きく育った胸に顔を埋め貪った。アニーは涙を流しながら、健気に耐えて居た。それがますます俺を煽る。何も言わないアニーに、俺の行為はエスカレートする。素人の女性にはしない様な、夜の女性が教えてくれた事まで強制した。しまいには複数で閨に侍らした。流石に青ざめたアニーに、俺は残酷にも飽きを感じて来て居た。

 *****

 そんな中、聖女の召喚が行われる事になる。召喚される聖女の婚約者予定の王太子の兄は、以前から召喚は必要ないと訴えて居た。異世界から他人を呼ぶ等、誘拐と変わらないだろうと。しかしこれは神からの神託による神事だ。止める事等出来ない。憔悴した兄は突如出奔してしまう。その為、第2王子の俺が仮の婚約者となる事となった。

 召喚は成功した。しかし召喚された聖女は正直俺の好みじゃ無い。しかも俺より背が高い。どうしても気に食わない。ついつい仮の婚約者なのに、神官に言いがかりを付けてしまった。まあさっさと兄上を探し出せば良い。落ち着いて聖女を確認しようと振り返る。ん?聖女が居ない!

 何と騒ぎの合間を見て、聖女は逃げ出して居た。慌てて捜索の指示を出そうとすると、騎士団長のルードがやって来る。ルードを見ると何時もビクリとしてしまう。何故ならルードと兄上はそっくりだからだ。違いは髪の色のみ。顔の造作も所作も良く似て居る。良く兄上の影武者もつとめて居た。なら今回も影武者でも良かったのでは?と、チラリと頭をよぎる。しかし父王の決定だ。俺に文句は言えまい。

 〈聖女様は保護し、客間にお通しして居ます。今晩はそちらで休ませます。王より私が一時的に護衛を受け賜りました。〉

 ルードが立ち去ると、別の騎士がやって来た。王の手配で見て貰いたい物が有ると言う。ついて行くと聖女の入る客間の隣の部屋だ。

 〈私は見ません。そのカーテンをお引き下さい。〉

 黙ってカーテンを引く。思わず目を見開いた。そこには愛と美の女神が居た。海の泡から産まれたといわれる女神。肉は付く所には付き、括れる所は細い。コルセット等必要で無いであろう。

 〈どうでしょう?王は貴方様の正室にと考えて居ます。多少気が強い様だがお前が躾直せ。生娘を御すなどお前なら容易いだろうとの事。アニー様は側室にて可愛がれとの事です。〉

 確かに顔は可愛いタイプでは無い。素の聖女に驚愕する。アニーとは違う美しさだ。それより何よりあの胸だ!アニーもかなり大きいがその倍近いぞ!俺の顔は多分にやけてたのだろう。

 〈ご満足戴けた様ですので、明日アニー様と腕輪を外す儀式をして戴きます。その後正式に聖女の様との婚約となります。宜しくお願い致します。〉

 その時俺は何も考えては居なかった。何故父王は兄を探す事をせず、俺に聖女を宛がうのか?アニーは婚約の腕輪を外されても側に居てくれる。聖女は口は悪いが可愛いげが有る。最近はかなり距離も近い。照れもかなり出るし、俺に惚れたのではないだろうか?これは両手に花だとほくそ笑む。

 そんな中アニーを聖女が虐めて居るとの噂を耳に入れた。聖女も俺に本気になったか?色男は辛いな。

 あの頃の自分を殴りたい…。

 *****

  俺は大変な事をしてしまった。有ろう事か各国の要人の集うパーティーで、無実の罪で聖女を断罪し婚約破棄を宣言してしまった。先入観と誤解で、アニーの聖女を庇う言葉さえ曲解した。もうお仕舞いだ。ガクガクと震えが止まらない。多分アニーも俺から離れて行くだろう。

 しかし事態は聖女の采配で見事に終息する。アニーを本当に引摺り下ろそうとしていた者達は捕縛された。聖女の腕輪は神の意思により外され、アニーの腕に戻った。聖女が俺に言う。

 《神は2人を祝福しました。もはや誰にも邪魔は出来ません。神より王子へ伝言です。愛する者を庇う気持ちが有るのなら、少しは自身の衝動を抑えよ。余りにも見苦しい。女性を不幸にする者には天罰が下るとの事です。》

 聖女はかなり神に愛された様だ。聖女の私はフリー宣言に各国が色めき出す。しかし聖女は翌朝、数通の置き手紙を残し姿を消した。いや、私にはかなりの置き土産を残したよな…。

 私は下心で女性に近付くと、高確率で弱い電撃を受ける様になった。これは全ての女性では無く、私と関係を持つと不幸になる女性限定の様だ。夜の女性や、誘われた場合はほぼ大丈夫だ。しかしこうなると女遊びが億劫になる。またアニーを執拗に責めたり、嫌がる事を強制しても同様な事が起こる。これにより、私は自分の性癖にむきあい更正しようと努力した。勿論、アニーも協力してくれた。

 〈クリス?辛いの?でも更正するんでしょ?私も長過ぎて辛いの。今日はもうムリ。我慢ね。〉

 確かに私は長いしシツコい。しかし我慢はキツい。アニーは協力的だ。しかし聖女と友になり、言いなりにはならないと宣言され今に至る。

 〈ねえクリス?最近私って言う様になったね。それに逞しくなった。聖女様のおかげ?でもね?クリスは聖女様のお名前知ってる?名乗り合うのは大人の常識よね。ちゃんと聞いてね。〉

 その時私は、ようやく聖女の名を知らぬ事に気付いた。私はまだまだだ。アニーと共に頑張ろう。何時か聖女と名乗り合い、友の1人に加えて貰いたい。

 義姉上と呼ぶのが先にならぬ様努力しよう。

 *****
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