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【城下町編。アカンサス国への旅】
★城下町5.5日目。
しおりを挟むさあ爽やかな朝です。今日こそ隣国入りします。昨晩は村長さんのお家に泊めて戴きました。本当は午後から出立する予定がおばちゃんパワーに負けたのです。どこでもおばちゃまは最高なのです。
*****
実は昨日の朝食会後、味噌と醤油の調理法を教えてくれと頼まれたの。普通は味噌漬けや醤油漬け。味噌と醤油はお漬け物の調味料だそう。海が目前で塩を作ってる為、塩漬けは余り人気が無いそうだ。他には生でお野菜に付けたりかけたりしかしない。その為、アラの味噌汁は大ヒットした。捨てられてたアラまで美味しく食べれるからね。
てな訳で昼過ぎからはお料理教室を開いた。味噌汁は具材を変えれば、コッテリにもアッサリにもなる。野菜や根菜。海産物にお肉まで。先ずは豚汁!熱々コッテリ豚汁は外せません。そしてアッサリはアサリに決まり!やはりお味噌汁はア・サ・リ!貝を色々見せて貰ったらやはり有ったよ。少し先の河口に近い所で捕れるそう。
《アサリであっさりアサリの味噌汁~。》
〈〈・・・・・。〉〉
また滑ったの?私には駄洒落の才能はないのね。
お味噌汁の次ぎは焼おにぎりね。両面に味噌か醤油をぬりこんがり焼く。こんがりが決め手ね。醤油は調味料として万々使って!けんちん汁やお吸い物にもOK。野菜炒めや生姜焼きにもね。お肉出しちゃうよ!醤油だれで焼肉しちゃおう。味噌漬けのお肉も美味しいよ。オークは味噌漬けにしよう。
てな訳でお酒も無いのに、夕食までドンチャン騒ぎが続いた。途中おばちゃま達に引きこもり君が引き摺られて来た。引きこもり君は私を見ると青ざめ、いきなり見事なスライディング土下座を決めてくれた。この世界にも土下座って有るのね…。
〈この様に五体満足な体にして戴き本当に有り難うございます。なのにお礼にも謝罪にも、勇気が無くて参れませんでした!そればかりか、母と共に居た聖獣が私のせいでご迷惑をおかけしてるとか!本当に申し訳ございません。〉
聖獣はじっと引きこもり君を見て居る。ごめん。私は君の事すっかり忘れてたよ。
〈タルバもごめん。母が無理言ったから小さくなったんだろ?助けてくれて有り難う。でも僕は魔力は要らない。これからは漁師としてこの町で生きて行く。僕の魔力を少しでも君に返せない?お姉さんにこれ以上は迷惑をかけられないよ。お姉さんにセクハラしないで。父にも良く怒られてたよね?〉
これはエロ親父確定ですね…。
〈無理だ。お前の魔力は貰えても一時しのぎにしかならないんだ。その質では成長分にまで回せそうにない。リョウ頼む。キスが刺激的過ぎたのだ。魔力線からならセーブ出来る。セクハラは我慢する。哀れと思い主になってくれ。頼む…。〉
こら!あれは人工呼吸だ!
皆の視線が突き刺さる。ちょっと!皆さん?外見に騙されてませんか?確かに見た目はウルウル瞳のショタな男の子ですよ?まんま私が虐めてる様に見えますよね?でも違うのよ?皆騙されないで!これはエロ親父よ?忘れてはいけませんよ?
・・・・・。
〈なんだい。このちっこい聖獣様はキッスとハグが欲しいのかい。なら私達が飽きるほどしてやる。これでお姉さんには悪戯したら駄目だ。解ったかい?チューなら何時でもしてあげるから、欲しくなったら漁村においで。何時でも待ってるよ。〉
タルバはおばちゃま達に揉みくちゃにされ、生きる屍の様になって居た。ここまでお膳立てされたら、私も腹を括るしか無いね。おばちゃま達にいっぱい食わされたよ。
お城と城下町に続き、ここでもおばちゃま達は最強だった。
*****
〈我が名はタルリーバ。タルバと呼んでくれ。主の嫌がる事はしない。約束する。〉
《私はすず。リョウと呼んでね。セクハラは厳禁ね。触れ合いは聖獣姿でしましょう。》
チュッ。
《契約終了ね。宜しく。所でタルバの聖獣姿はどんな感じなの?》
どろん。
えっ!何この子?ウサギみたいだけど2本足だし尻尾が4本有る。先っぽがハート!くっつけると四つ葉じゃない。若草色で額に赤い宝石?体型は〇カ〇ュウみたいだけど、イメージが全然違うわ。
〈カーバンクルですね。幸福を呼ぶと言われる、四つ葉のクローバーから誕生した聖獣でしょう。カーバンクルの謂れは額の柘榴石です。額に柘榴石を持つ者を総称しそう呼びます。姿形は個々に違うそうですよ。〉
四つ葉のクローバーだから、若草色で4本尻尾なのね。〇カ〇ュウみたいに肩に乗るかしら?何だか可愛いわ。モフモフだし、これならいけそうね。
《タルバは肩に乗れる?》
こらっ!頭じゃ無くて肩よ!おお!ジャストフィットじゃない。頬にあたる毛並みがフワフワだわ。
こうしてタルバは仲間になった…。
*****
漁村の入り口で沢山の人達に見送られて出発した。沢山のお土産も貰った。昨晩も私達の為に漁に出てくれたそう。本当に有り難う!また絶対に来るからね!双子の聖獣は初の別れだ。でも会おうと思えば直ぐに会えるんだって。ルウとルリの聖獣姿は真っ青な鳥だった。空を羽ばたけば直ぐに会える。幸福の青い鳥。ルウ君元気でね。幸せになってね。ルリちゃんは少し寂しそう。シスルが頭をナデナデしてるよ。シスルも嬉しそうだ。
聖獣達が最後の別れとばかりに集り、5人で何かを話して居る。仲が良いのは良いことだよ。
《みんな仲良しだね~。何だかほのぼの系?》
〈違います!リョウが暴走せぬ様に、皆で協力体制を敷いてたのです。何か有った時に直ぐに連絡つくように、思念を繋いだのです。リョウは何事にも顔を突っ込むトラブルメーカーですからね。〉
レインってば!ひっ酷いわ。私が何をしたと言うの?って、確かに言えた義理では無いわね。迷惑かけ通しです。はい。
《皆様有り難うございます。ご迷惑をお掛けしております。申し訳無い。》
〈〈リョウはそのままで良いよ!〉〉
ルウ、ルリ有り難うー。ではお言葉に甘えちゃうよ。さあ灯台へ転移だ~!ルウまたね~。灯台見えてるから飛んじゃおう!
〈〈〈いきなり過ぎ~!〉〉〉
*****
灯台の入り口前に転移出来た。因みに転移時、ルリちゃんは小鳥になりシスルの肩の上。タルバは私の頭の上だ。しかも聖獣姿のまま…。
《可愛いよ?確かに可愛いのよ?でも頭の上は止めて。確かに私の両肩は埋まってるわよ。バランス悪いの!頭に乗るなら小鳥!小鳥が嫌ならせめて肩車にして!》
全くコイツらは頑固者なんだから!レインとラスは定位置からピクリとも動かない。最初タルバも素直に小鳥になったのに、タルバを肩に乗せてくれないのよ。少し位つめてあげなさいよ!タルバも腕とかじゃ嫌がるし、勝手にしなさいと怒ったらこうなった。
何故小鳥で頭に乗らんのだ?
まあ良いや。ほら皆さん!さっさと灯台を上りましょう。私は転移でお先に偵察して来ま~す。
ふわ~。絶景だよ。海の大パノラマだ。反対側に回ると確かにお城が見えるね。取り敢えず、城下町に入ろう。それからお城だね。おっ!皆来たよ。
《皆お疲れ~。次ぎは城下町に飛ぶよ!》
クルリと視界が変わる。あれ?的外したかな?ここどこだろ?豪華な廊下だね。
〈ここは城だ!リョウはいきなり城に転移したのか?取り敢えず隠れろ。この奥が僕の部屋だ。僕は父上に会ってくる。お前達も一緒に来い。〉
私達は部屋に押し込められ、シスルは護衛2人とルリを連れて出て行った。
30分位でシスルが青ざめて戻って来た。
〈駄目だ。もう手遅れだ。兄上がつい先程、大神殿に連れてかれた。父上に説明したが止められぬと項垂れるだけだ。どうしたら良いんだ…。〉
兄上って王太子よね?王太子も試練に出てたの?次期国王を出すなよ!試練から戻り大神殿にって事は儀式をするの?違う?王太子は魔力が高いから魔方陣に魔力を供給する為?それじゃ違くても儀式をするのよね?急がなきゃ不味いじゃない!
《シスル!兎に角行くわよ!大神殿は何処?見える場所まで連れて行って!》
〈この部屋の窓から見える。あの正面の目立つ建物だ。〉
・・・・・。
うわ~。成金ゴテゴテで良く目立つね。目が眩みそうだよ。兎に角行くよ!私はシスルを掴み皆に声をかけ転移した。
視界が変わる。
〈兄上!この儀式はインチキです!その魔方陣からでて下さい!〉
やだっ!真っ只中に転移しちゃったの?何て考えてる暇は無いよ!魔方陣の中心から物凄い魔力を感じる。あのままだと吹き飛ばされる!あの真ん中のが王太子よね!私は転移で魔方陣に入り、王太子をシスルの方へ突き飛ばした。
《早く皆魔方陣から出なさい!死にたいの!》
駄目だ。動かない奴の面倒までは見きれない。もう間に合わない!何かが出てくる。桁違いな魔力を感じる。魔方陣から漏れ出す魔力に目が眩む。まさか悪魔でも召喚したの?それ位強烈な魔力だ…。
力をふり絞り、私は魔方陣から脱出した。
*****
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