【完】婚約破棄までの1週間はテンプレ三昧。私も幸せになりたい!in 異世界。

桜 鴬

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【城下町編。フロックス国境でダービー開始】

◆城下町から1週間と1日目・夕方。

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 男性陣に選べと呈示されたのは以下の3点。

 ・ アーマー。所謂ビキニアーマーって奴。
 ・ 踊り子の服。スケスケひらひらアジアン風。
 ・ ボディスーツ。バニースーツ。うさ耳付。

 おらおら!舐めとんのか!ローブ着ればって、脱いでこれじゃ変態みたいじゃん。えー!この世界では普通?却ってローブ着るのが可笑しいの?どれも凄い高性能だ?でもねぇ…。

 〈リョウ。ならこのスクールウェアはどうですか?日常的に着用されてたなら恥ずかしく無いのでは?魔法効果も素晴らしいですし、防御力もかなり有ります。更に魔法を使用する際の使用魔力減少に、威力と範囲調整機能も付いてます。今してる腕輪とローブの効果と同様ですが、効果が重なる樣です。今回腕輪とローブにはかなり助けられたでしょ?〉

 確かにそうだね。大きな魔法連投してもピンピンしてた。眠くなったり倒れたりもしなかったよ。

 《これのお陰だったんだね。シスル達にお礼を言わなくちゃね。なら制服にしようかな。ローブ来ちゃえば見えないし、着慣れてるしね。》

 〈では此方をどうぞ。このマークをタッチし念じると全て仕舞えます。着替えたい時はパネルの種類一覧から選びタッチすると、自動的に着替えさせてくれます。着用してた服は自動的に仕舞われるそうです。再度マークをタッチし、戻れと願えば元の服です。〉

 なにこれ?まんまスマホじゃ無い。スマポンってやはり…。しかも種類一覧の沢山の余白欄は何よ?まだ追加されるとかじゃ無いわよね?あ!既に所持してる服や武器や防具も登録出来るのね。剣を呼び出したりするには便利ね。

 全ての洋服をスマホモドキに収納する。一覧から選びタッチするっと。良しOK。何よ?また言うの?ポーズ取るの?

 《見ちゃいや~ん。お着替え完了。制裁よ!》

 虹色の風がクルクルと周囲を取り巻き、下着から全てのお着替え終了~。

 ちょっと制裁っ何?お仕置きじゃないのよ?更には着替えてびっくり何じゃこりゃ!勝負下着は標準装備なの?勝手に着せるな!

 《これじゃまんまコスプレじゃ無い!中二的詠唱と言い、もしかして神様ってオタクなの?あの女神樣の様なご尊顔の神様がオタク?信じられない!でもこのスマホ仕様と言い制服と言い、絶対に私専用よね!教会行くから首洗って置きなさいよ!》

 18才でこれはキツい。伝統校のセーラー服をここまで崩したオタク魂に感服よ。まさか卒業間際になって、膝上スカートにニーハイをはく羽目になるとは…。しかもスマポンはウェストベルトに嵌まってる。これが変幻自在って奴ね。しかし布地が少なくて心許ないわね。セーラーの下にせめてシャツ位は着せてよ。捲るといきなり下着ってどうよ?しかもスケスケレースでどうしようも無いわ!ん?

 将軍とルードが何故かかなり遠くに居た。

 《ちょっとレイン?まさか着替えてるの見えてる訳じゃ無いわよね?》

 〈見えてませんよ。シルエットが解る位です。〉

 《なら何であんなに離れてるのよ。》

 〈チラリズムと言う奴だな。見えそうで見えぬ事で期待を高め、セリフと実物で煽る。しかしそれが勉学の為の標準服なのか?充分大胆では無いか?しかもシスルの言ってた絶対領域だ。だが心配するな。スカートが捲れてもパンツは見えなかったぞ。流石の神仕様だな。さっさとローブ羽織って黙って有り難く着てろ。〉

 オタク神め…。黙って着ますよ。くぅぅ。

 ****

 将軍とルードを連れ、砦の黒マントの男が居る部屋へ向かう。取り敢えず、将軍とルードは呼ぶまで隣室で待機して貰う。此方の話は全て聞こえる様、扉は開けたままだ。黒マントの男は机の上の日記に手を乗せじっとして居る。

 《読んで解ったと思うけど、1冊は3年前に亡くなった王妃樣の日記。もう1冊はその後直ぐに亡くなった、お付きの侍女の日記よ。王妃樣の監禁されてた部屋には隠し部屋が有ったの。多分生き残った次女か誰かが隠してくれたのね。聖獣達が見付けてくれたわ。でも王は本当に王妃に興味が無かったのね。部屋も当時のままだそうよ。隠さなくても大丈夫だたわね。本当に酷い王だわ。》

 《他には産まれてくる赤ちゃんの為に編んだ洋服やベビー服。手縫いのオムツが沢山仕舞われてたそう。死産と知らされても、捨てられずに大事にしてたのね。もう理解できてるわよね?その死産した筈の子が貴方よ。貴方は王弟で現将軍の父と、前王妃様の子供なの。勿論不義では無いわ。王が引き裂いたの。だからこそ貴方の存在は消された。しかも王妃と侍女は毒殺よ。辛い真実だけど受け止めて欲しい。貴方にはまだ未来が有るから。》

 黒マントの男が日記から手を離し口を開いた。

 〈俺は俺だ。俺を必要としてくれる奴らと生きてきた。死んだ奴らの為にも、俺はこれからも俺を必要としてくれる奴らと生きて行きたい。真実は確かに重要だ。自分のルーツをしれたのは嬉しい。でも俺を必要としてくれる奴らは居るのか?母親は死んだんだろ?仲間は皆死んだ。俺は1人で生きるのは嫌だ。我が儘かもしれないが、俺は人に必要とされるのを生き甲斐に生きてきたんだ。1人は嫌だ…。〉

 《なら覚悟を決めなさいな。貴方は父との再会を望む?父親は王弟で将軍よ。貴方はその血筋を活かせばやがてはこの国の王にもなれるわ。今新王は切実に沢山の人達に望まれてる。愚王を下ろすクーデターも準備されてる。貴方は父王をサポートし不幸の連鎖を絶ちきりなさい。お母様は優しすぎたの。王を諌められぬ事に後悔し、切り捨てられず不幸の連鎖を次代に繋げてしまった。お母様の為にも、鎖を断ち切る勇気を持って欲しいのよ。死んだ仲間の様な子供達を2度と出さぬ為にもよ。》

 返事が無い。悩んで葛藤して居るのだろう。しかしこの国の王はもう駄目だ。タルバに城下町の人々を調べて貰ったが、誰もが澱んだ目をしていたそう。小さな子供達もだ。度重なる重税の追加に、無理矢理な徴兵制度。

 城下町だけで無く、小さな村や町では餓死者や身売りが出てると言う。奴隷制度が無いのが幸いだが、それが厄にもなって居る。国内で身売りの買い手が無く、ある貴族が闇で他国への人身売買を斡旋して居る。しかも売り上げは王に献上されている。王は見て見ぬふりをしているのだ。

 この国は腐りきってる。もう王の首をすげ替えるしか無い。実は既に1部の貴族達が、将軍を旗印にクーデターを謀って居た。しかし将軍が首を縦に振らない。

 〈自身が王になれば世継ぎが必要だ。しかし私は誰も娶るつもりは無い。〉
 
 こう断って居た。ならもし世継ぎが居たら?

 〈解った。お前も俺を必要だと思ってくれるのか?ならば俺は父に会う。父王をサポートする。〉

 《当たり前じゃ無い。必要で無い人間なんて1人も居ないわ。》

 〈俺の名はフリードだ。黒マントでは無く、フリードと呼んでくれ。ドラゴン退治は見事だった。魔法は貴女が放ったのだろ?聖女様。〉

 《私はリョウよ。聖女様何て呼ばないで。あら?待ちきれずに乱入の様よ。》

 将軍が早足でフリードの元に駆け寄る。しっかりと抱き締め、良く生きててくれたと男泣きしてる。思わず貰い泣きしちゃいそう。あ!フリードまで泣き出したじゃ無い。お邪魔虫は暫し去りましょう。部屋の隅に居たルードを促し部屋の扉へ向かう。ルードが然り気無くハンカチを差し出してきた。ん?私泣いてる?やだ!感動しすぎて涙が出ちゃってる。ハンカチ有り難く拝借するわ。ルードがドアに手を掛けた。

 〈お待ち下さい!私の名はブランです。将軍では無く、私もブランとお呼び下さい!〉

 《構わないけどいきなりどうしたの?聞いたと思うけど私はリョウよ。お邪魔虫は暫し離れるわ。良く話し合ってね。》

 *****

 〈親父…。息子に焼きもちかよ。流石に年甲斐もなく恥ずかしくないか?〉

 〈煩い!息子と言えど容赦はせん!お前のははと引き離されて以来の恋何だ。大人の余裕など見せてたら負けるわ!敵だらけじゃ無いか!〉
 
 〈そんなに敵さん多いのか?でもリョウは恋愛事には鈍そうだ。しかも聖獣に囲まれてるから、変な無死にかっ浚われる事は無いだろ?取り敢えず自身を落ち着けよう。頼りにしてるぜ父王様よ。〉

 〈私は王になど…。〉

 〈もう舞台は整ってるんだ。死んだ母の為にも、民の為にもやるしか無いだろ!世継ぎは心配するな!俺がリョウとバンバン作ってヤる。〉

 〈それは駄目だ!リョウは絶倫は嫌だと言ってたぞ。若い奴には無理だな。〉

 〈そんなの好きあえばどうにでもなるぞ。飴とムチだな。優しく時にハードにっての奴だ。〉

 〈仲良くなられた様で何よりです。取り敢えず此方の服に着替えて下さい。お風呂はそちらに有ります。何でも城では急遽晩餐会だそうですよ。砦に聖女が来てるのに気付いた様です。ルードと共に招待状が届きました。目的はリョウと私達でしょう。ついでに潰します。2度と日の目を見せませんよ。自身で棺桶を用意するとは馬鹿な王です。ニヤリ。〉

 〈〈・・・・・。〉〉

 〈どうかなされましたか?では後程お迎えに参ります。〉

 聖獣怖い・・・。

 部屋に残るは、冷や汗タラりの親子なり。

 *****
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