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【城下町編。フロックス国境でダービー開始】
◆城下町から1週間と1日目・おやつ。
しおりを挟むこら!いきなりブレス吐かないでよ!って叫んでも仕方無いわよね。でも天に向けてくれて助かったわ。ここにてまさかのテンプレ発動。こんなテンプレ要らんわ!
もうっ。あれドラゴンじゃない!どうして突然?もしかしてダンジョンのボスが出てきたの?
《レインっ!あれってドラゴンよね?》
〈ですね。全く間が悪いですね。ダンジョンを封鎖され下層の魔物を食らいつくしたのでしょう。近くの小屋に閉じ込めて居た兵士は、小屋が壊れた拍子に何とか逃げ出した様ですね。しかしあれどうします?狂暴ですが動作は鈍い。隣国の城に転移でもさせましょうか?〉
それも良いわね。何て訳には行かないわよ!
《あのドラゴンは倒せるの?騎士と兵士なら両方あわせればかなり居るわよね?》
〈兵士には無理ですよ。見てごらんなさい。皆失神したり腰を抜かしてますよ。こちらで使えそうなのは将軍位ですね。彼方も兵士は無理です。ルード率いる騎士団のみでしょう。倒すなら一か八かですが、私達3人でドラゴンを拘束します。そこにリョウが魔法をぶちこんで下さい。ラスは使えそうな奴等を集め武装させて下さい。弓が良いですね。 〉
それぞれが別れて作業を開始する。ラスが戻り次第先頭開始だ。私は結界を張りながら兵士達をなるべく遠くに避難させて行く。ラスが戻って来た!
ドラゴンは炎のブレスを吐く。私は体に水の魔法で結界を張る。レイン、ラス、タルバがドラゴンを囲み拘束魔法をかける。
《神よ。行き場の無い迷い子を救いたまえ。死する魂に安らぎを。ウォーター トルネード キープ 。》
ドラゴンの体を水の竜巻がグルグルとまとわりつく。これでブレスの防御になる筈。攻撃行くよ!
《一撃必中!ナロー スコープ !雷よ裁きの杖を振り落とせ。行けー!ダブルサンダーボルト!も1つ追加よ!竜巻よ凍れ。そして降り注げ!アイシクル スピア!》
ダブルの雷に撃たれよろめくドラゴン。まだ駄目だ!竜巻の水を凍らせ氷柱を槍に見立てて降らせる。竜巻に紛れる無数の氷の槍。血しぶきが水の竜巻を赤く染める。ドラゴンは徐々に崩れ落ちてきた。どうしよう。もう1発入れるべき?
レインが私を止める。ラスが将軍とルードと騎士団を引き連れ、ドラゴンに向け矢を構えて居た。私の魔法が止むと共に、一斉に矢が放たれる。次々に放たれる矢にドラゴンはついに地べたにへばりついた。しかしまだ首は上がったままだ。最後の足掻きとばかりにブレスを吐き出す。
《ブレス吐くなー!ウォーター ショット!》
ドラゴンの口目掛けて水の塊を連投する。将軍とルードが剣に持ち代え、2人で首を落とす。
隣国の将軍って中々やるじゃない。若いルードにも負けてない。ナイスミドルって奴ね。
*****
ドラゴンは遂に絶命した。その姿は煙の様に消えて無くなった。その場には宝箱が残されて居る。将軍とルードが私を手招きする。私はレインに支えられながら到着した。皆が宝箱を開けろと言う。
宝箱を開けると、銀色の光が次々と飛び出した。次に金色の光が2つ、ラストは虹色の光だった。光の飛翔が収まると、宝箱には洋服の様な物が残った。
〈私達まで貰い申し訳無いですね。残りはリョウの物です。どうぞ出してみて下さい。〉
ルードが微笑みながら言う。何これ?手に取り次々に鑑定して見る。おい・・。
【ドキドキ際どい防具シリーズ】
※ 際どいビキニ。
※ 際どいアーマー。
※ 際どい羽衣。
※ 際どい踊り子の服。
※ 際どいインナー。
※ 際どいボディスーツ。
※ 際どいスクール水着。
※ 際どいスクールウェア。(夏・冬)
※ 際どいトレーニングウェア。
※ 際どいナース服。
※ 際どい勝負下着セット。
※収納スマポン。(変幻自在)
※ 素敵なトランクス。
※ 素敵なブリーフ。
※ 素敵なステテコ。
※ 素敵なインナー。
《・・・・・。》
〈ダンジョンボスの宝箱から出る最初の光は、功労者への労いだ。色により変わるが、銀色はステータスの弱い部分が補強される。つまりステータスアップだ。金と虹色は指輪だな。ドラゴンスレイヤーの証にもなる。通常は右中指にはまる。討伐数が増えると合成され、形態が変化する。かなりゴージャスになるぞ。勿論死ぬまで外れない仕様だ。効能はドラゴンによるから解らん。鑑定しろ。残りは1番ダメージを与えた者のイメージでシャッフルされる。剣等の武器が多い。そして1番必要とされてる物の筈だ。洋服みたいだが防具なのか?丁度良い。マント以外は着替えたらどうだ?小物類までセットされとる。中々親切だな。〉
宝箱までこの世界仕様なの?イヤー!
《ラス、助けてくれて有り難う。後でゆっくり鑑定するわ。確かに付加価値はスゴイ服ばかりよ。でも露出高過ぎに何故に制服に体操着?しかも私が着てた世界の奴をわざわざ用意したの?通ってた高校のよ!セーラー服着て戦えるか!私は美少女戦士じゃ無いのよ。しかも男性用のは何なの?どうせなら私用の形容詞も素敵にしてよ。どうせダンジョンも神様の管轄何でしょ!神様のバカタレ~!》
私が地団駄踏んでたら、男性陣が宝箱から出して広げて見ている。いやぁ。見ないでよ!
〈中々凄い装備だ。是非装備し戦闘する姿を拝みたい。しかし聖女様は素晴らしいお方だ。私は15才で彼女と引き裂かれ早18年だ。3年前に彼女が病で亡くなったと聞いた。もう恋など出来ないと思って居た。しかしこの胸のざわめきは何だ。私は貴女に惚れてしまった様だ。こんな年寄りでは無理か?私は貴女に愛を乞いたい。優しさは保証する。〉
優しさは保証する?ピクリ。
〈リョウは年の差等気にしないですよね。1番の問題は夜の事情何ですよ。実はかなり奥手なので、この世界の性事情を怖がって居るのです。特に変態と絶倫はダメだと…。何せ聖女ですから。この世界では信じられぬ年ですが、まだ無垢な乙女なのです。〉
《レイン!何を暴露しちゃってるの!しかも信じられぬ年って何よ!まだ花も恥じらう18才よ!だってこの世界の男性って絶倫すぎじゃ無い。そんなにぶっ通しでなんて無理!何でそんなに何回もするの?しかも変態ばかり。神様に体験させられた聖女樣何て、絶倫鬼畜王子にヤり殺された様なものよ!寝ても気絶しても励んでるの!怖くて寝れないじゃない。そんなのイヤー!》
〈聖女様は可愛らしい方だ。私は淡白な方だと思いますよ。激しさでは若い方には勝てませんが、逆に聖女様には丁度良ろしいのでは?優しく蕩けさせて差し上げます。朝まで腕枕で包み込み寝かして差し上げたい。ああ。返事は要りませんよ。既に牽制されてますからね。こんな奴が居たと思い出してくれたら幸いです。私は貴女に剣を捧げたい。〉
凄い。シブメンでダンディーなおじ様からのプロポーズよ。しかも性事情が嬉しすぎる特典だわ。15才の年の差なんて気にしません!よろめきそう。
〈恐ろしい目に会わされたら、何時でも我が腕に逃げ込んで下さい。若者は自制がきかんから恐ろしいでしょう。お痛わしい。私が守って差し上げたいが、国を隔てて居るのが悔しい限り。貴方をこの胸で抱き締めながら眠れるならば、私はこの国をも捨てる事が出来るでしょう。〉
いや~ん。裸で腕枕されながら寝る何て最高ね。メチャ傾いてるんですけど。ドキドキしゃう。
〈リョウ!重要な事を忘れてるだろう。黒マントはどうする?全て終わったらから悩め。〉
解ってるわよ。忘れてる分ける無いじゃ無い。甘い言葉と夢に浸ってただけよ。ラスってば、デリカシーが無いわね…。
*****
宝箱の装備は有り難く戴くわ。インナーや下着は使えるし、マントやローブ着ればごまかせるしね。
兵士や騎士団の面々を其々の砦へ戻し休ませる。檻の中の方々はそのまま。ダンジョン近くの小屋から逃げ出したのは、自力で何とかして貰いましょう。さて私達は城へ乗り込む算段ね。テーブルとイスを出し、ハーブティーを淹れお茶菓子を出す。温かいお茶とお菓子を、草原のテーブルで戴くなんて壮大ね。本当にファンタジーな世界だわ。
《そうだ。宝箱の装備だけど男性用のは3組有るから、貴方達に1組づつどうぞ。後1組は王太子にあげるわ。ルードが渡せるかしら?》
〈私は多分すれ違います。リョウの方が直ぐに会いますよ。その時渡して下さい。しかしこれは下着ですか?中々斬新ですね。〉
この世界の男性には下着と言う概念が無い。パンツは有るけど、ピッタリした競泳水着みたいな感じ。サポーター感覚だ。どうやらステテコやインナーに感心した様だ。ブリーフの前の重ね部分やトランクスのゆとり。中々良いなとはいてみてる。社会の窓も斬新みたい。でも女性の前で、指でパカパカ開閉して試すのははやめて!イケメンが台無しよ。
そして私の目前で、男性陣による私の装備選びが始まった。今から私達はお城に乗り込む。危険かもしれないから、折角の装備に着替えろと…。
そして目の前に呈示された3点に目が点…。
いくらローブで隠れても勇気居るわよ…。
*****
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