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ようやくレッドを王都へ追い出し、私もホッと一息。レッドのいない三日間は、 別宅から侍女と警備の兵が数名来てくれる。既に昨日から来てくれていて、姿は見えなくても何気に活気を感じる。まぁ別宅といってもあちらの方が規模も大きいし人も多い。むしろ向こうが本宅ではないの?と思ったのだけど、別宅には違いないそう。詳しくいえばあちらは、沢山の別宅を纏める別宅の代表的なもの。大別宅と呼んだらよい感じ。領地の方々には別宅より規模の小さな別宅が沢山あり、それらを統括して纏めているそうだ。
領主であるお父様は王宮に近い方角に、大きな本宅を構えている。つまりそこが本来の本宅ね。子供たちが独立して屋敷を持つと、その規模に関わらずそれらも本宅扱いになるそう。後継は本来の本宅に住むけれど、兄弟も領民のために働くならば家族は一緒だ!との考えからきたそう。
『別宅も遠慮なく使用して領地を守り民を潤す手伝いをせよ』
初代から代々伝わる言葉がある。
『寝泊まりは確保してやるから、馬車馬のように領地の隅から隅へとかけずり回り働け。民衆のために視察は欠かさずに!』
つまり分家みたいなものよね。ただ小さな別宅を纏め指揮している大別宅に、命令を直接下せるのは本宅の者のみ。領民に関係のないお仕事についた男子や、お嫁にいった娘さんなどには権限はない。その区別をつけるために、領主の子の自宅も本宅扱いな訳よ。しかしそれは領地に貢献するべき残った者のみ、本宅という名のお屋敷を持てるわけです。ちなみにレッドがこのお屋敷を購入する前は、領主であるお父様の本宅に住んでいました。今回独立してミニ本宅の主となった訳です。でも大別宅は本当に凄いんですよ。領内の別宅を全て管理しているので、人材を派遣したり急遽使う別宅を機能させたり。お義父さまもまだバリバリの現役で、地方を飛び回って視察をしている。
「私は書類仕事が苦手なんだ!飛び回っている方が性にあっとる!」
なんて豪快なお義父さま。いきなりの結婚式にビックリしていたけれど、私たちを祝福してくれました。後継のお義兄さまには会えずに残念。
私はレッドのいない三日間。赤ちゃん用品の編み物をしたり刺繍をしたりと、まったりのんびりと寛ぎました。
*****
王都での結婚式はかなり盛大に行われ、お祝いムードは遠く離れたこちらの街にも届いてきました。聖女様もエドウィン様も幸せでなにより。立太子されたフレッド様にも、どうやら春がきたようです。お相手は既に王宮の離れに住み込んでいるとか……。待ちきれないフレッド様に既成事実を作られ、産まれるまで発表まちだとか……。
「…………ありそうで怖すぎる。まさかお相手の女性は監禁されてないわよね?フレッド様はヤンデレ気質だから心配だわ……」
「……………………おい……三日ぶりの旦那様との最中に、他の男の名前を出すのか?さすがに控えめにしすぎたか?」
「やあんっ。苦しいから止めて!なにも考えられなくなるくらいに激しくするレッドが変なの!優しくして。ね?お・ね・が・い……」
ちょっと……いえ、かなりあざといわね。でもやはりこれが一番効果があるのよ。
「……………………優しくだな……」
レッドが起き上がり、私を後ろ向きに抱え直す。
もう!今日の夜に帰宅する予定だったのに、朝起きたら布団の中にいたのよ。でもモフモフ黒ちゃんだったしグッスリ寝てるから、私もついついフワフワのお腹に潜り込んで寝てしまったの。私がバカでした!いつの間にか起きた黒ちゃんに、全身をくまなくペロリンされていてあれ?途中からレッドになってる?こら!人型で舐めるなーー!くすぐったくて飛び起きて、すっぽんぽんの自分にまたあれ?そのまま突入されそうな気配だったから、なんとかお土産話を催促して誤魔化そうとしたんだけど……ダメだった?何が不味かったのかしら?
後ろ向きに抱えられたまま、なんとか抜け出ようともがくがびくともしない。帰ってくるの早すぎよー!しかも今からイタすの?もう朝日が…………クゥゥ……これは完璧な確信犯ね……寝てる私からエネルギーを摂取して人型になる。また切れる間に朝日が昇るって計算なのね!
「もう!今晩じゃダメなの?私はレッドから王都のお土産話をききたいわ。ね?お茶を飲んで落ち着きましょ」
「いーやーでーすーー。エルは俺のです。絶対に逃がしません。悪いが愛してるからこそ離せない。監禁拘束楽しそうじゃないか?縛ってしてみるか?」
「レッド……王都でなにかあったの?」
「……………………」
やはりなにかあったのね。でも今は話したくないのかしら?なら聞かないわ。私は振り返り、揺れるレッドの瞳を覗きこむ。真っ黒な瞳に吸い込まれそうよ。そういえば以前レッドの瞳が働く赤く見えた時があったわ。あれはなぜだったのかしら?ううん。今はそんなことじゃない。
レッドの首に腕をまわし、己からキスをする。驚きに丸くなるレッドの瞳。あら?瞳が赤くなった?違う。やはり黒だわ。私の勘違いかしら?
「すまん。エルを疑った。三日も離れてたら、エルが逃げ出してるんじゃないかってな。フレッド様の監禁疑惑を、宮中では皆が面白おかしく噂している。監禁されたら逃げるか浮気してやると、憤慨する奥様やお嬢様ばかりだ。もしかしたら俺もエルを監禁して、自由を奪っているんじゃないかと……」
ばかね。変なの。なぜ私が監禁されてるの?私に自由をくれたのはレッドじゃない。
「私に自由をくれたのはレッドよ。公爵令嬢の時は、家と学園と王城だけだったわ。こちらに来てからは、色々な所に連れていってくれた。確かに庶民より自由は少ないかもしれない。でも身分に連なる責任には、多少の不自由はつきものよ。私はレッドの妻よ。だからレッドに添うの。寄り添いたいからここにいるの。だから監禁じゃないわ」
レッドの瞳がまだ揺らいでいる。変な心配はしなくてよいの。私は彼をギュッと抱き締めた。
みつめあう瞳が絡み唇が触れる。レッドの手の平が腰の袷からお臍の方へ……ボコンッ!ベコリ。ポコっ。
「あーー!わかった?」
「ああ……思いきり手を蹴られた……」
「なんだか今日は元気ね。レッドは今日はお仕事なの?」
「明日まで休みだ。まだ皆は戻ってないからな。よし!今日と明日は視察に行こう。新しい繊維工場のオープニングセレモニーがある。行けないからと祝いだけを送ったんだが、行くにこしたことはない。よし!すぐにいくぞ」
「なら私はお留守番してます。気を付けてね」
「エルも行くの!繊維工場までは簡易転移ゲートで飛べる。妊婦でも大丈夫だ。さあ行くぞ!」
今日は一日湖畔で寛ぎ、お泊まりは湖畔の別宅。明日の朝からオープニングセレモニーに出席。工場の見学をして帰宅する。妊婦用の安全もしっかり管理。別宅使用の手配も全て完了。
大別宅から派遣されてきていた執事さん。完璧なスケジュールをありがとうございます。もう勝手に大別宅とか呼んでしまっています。
「ああそうだエルー!お土産に妊婦用のワンピース沢山あるから!後流行りのバードゲージベールも!軽いの選んで来たから明日はそれつけてね」
「はーい」
やはりバードゲージベールは必要なのね……。我が国の女性の地位が低いのは、このベールのせいよ!とは言い切れないのが辛いわね……
せめて頭痛にならぬように、軽めのお品を選びましょう。
*****
領主であるお父様は王宮に近い方角に、大きな本宅を構えている。つまりそこが本来の本宅ね。子供たちが独立して屋敷を持つと、その規模に関わらずそれらも本宅扱いになるそう。後継は本来の本宅に住むけれど、兄弟も領民のために働くならば家族は一緒だ!との考えからきたそう。
『別宅も遠慮なく使用して領地を守り民を潤す手伝いをせよ』
初代から代々伝わる言葉がある。
『寝泊まりは確保してやるから、馬車馬のように領地の隅から隅へとかけずり回り働け。民衆のために視察は欠かさずに!』
つまり分家みたいなものよね。ただ小さな別宅を纏め指揮している大別宅に、命令を直接下せるのは本宅の者のみ。領民に関係のないお仕事についた男子や、お嫁にいった娘さんなどには権限はない。その区別をつけるために、領主の子の自宅も本宅扱いな訳よ。しかしそれは領地に貢献するべき残った者のみ、本宅という名のお屋敷を持てるわけです。ちなみにレッドがこのお屋敷を購入する前は、領主であるお父様の本宅に住んでいました。今回独立してミニ本宅の主となった訳です。でも大別宅は本当に凄いんですよ。領内の別宅を全て管理しているので、人材を派遣したり急遽使う別宅を機能させたり。お義父さまもまだバリバリの現役で、地方を飛び回って視察をしている。
「私は書類仕事が苦手なんだ!飛び回っている方が性にあっとる!」
なんて豪快なお義父さま。いきなりの結婚式にビックリしていたけれど、私たちを祝福してくれました。後継のお義兄さまには会えずに残念。
私はレッドのいない三日間。赤ちゃん用品の編み物をしたり刺繍をしたりと、まったりのんびりと寛ぎました。
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王都での結婚式はかなり盛大に行われ、お祝いムードは遠く離れたこちらの街にも届いてきました。聖女様もエドウィン様も幸せでなにより。立太子されたフレッド様にも、どうやら春がきたようです。お相手は既に王宮の離れに住み込んでいるとか……。待ちきれないフレッド様に既成事実を作られ、産まれるまで発表まちだとか……。
「…………ありそうで怖すぎる。まさかお相手の女性は監禁されてないわよね?フレッド様はヤンデレ気質だから心配だわ……」
「……………………おい……三日ぶりの旦那様との最中に、他の男の名前を出すのか?さすがに控えめにしすぎたか?」
「やあんっ。苦しいから止めて!なにも考えられなくなるくらいに激しくするレッドが変なの!優しくして。ね?お・ね・が・い……」
ちょっと……いえ、かなりあざといわね。でもやはりこれが一番効果があるのよ。
「……………………優しくだな……」
レッドが起き上がり、私を後ろ向きに抱え直す。
もう!今日の夜に帰宅する予定だったのに、朝起きたら布団の中にいたのよ。でもモフモフ黒ちゃんだったしグッスリ寝てるから、私もついついフワフワのお腹に潜り込んで寝てしまったの。私がバカでした!いつの間にか起きた黒ちゃんに、全身をくまなくペロリンされていてあれ?途中からレッドになってる?こら!人型で舐めるなーー!くすぐったくて飛び起きて、すっぽんぽんの自分にまたあれ?そのまま突入されそうな気配だったから、なんとかお土産話を催促して誤魔化そうとしたんだけど……ダメだった?何が不味かったのかしら?
後ろ向きに抱えられたまま、なんとか抜け出ようともがくがびくともしない。帰ってくるの早すぎよー!しかも今からイタすの?もう朝日が…………クゥゥ……これは完璧な確信犯ね……寝てる私からエネルギーを摂取して人型になる。また切れる間に朝日が昇るって計算なのね!
「もう!今晩じゃダメなの?私はレッドから王都のお土産話をききたいわ。ね?お茶を飲んで落ち着きましょ」
「いーやーでーすーー。エルは俺のです。絶対に逃がしません。悪いが愛してるからこそ離せない。監禁拘束楽しそうじゃないか?縛ってしてみるか?」
「レッド……王都でなにかあったの?」
「……………………」
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レッドの首に腕をまわし、己からキスをする。驚きに丸くなるレッドの瞳。あら?瞳が赤くなった?違う。やはり黒だわ。私の勘違いかしら?
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ばかね。変なの。なぜ私が監禁されてるの?私に自由をくれたのはレッドじゃない。
「私に自由をくれたのはレッドよ。公爵令嬢の時は、家と学園と王城だけだったわ。こちらに来てからは、色々な所に連れていってくれた。確かに庶民より自由は少ないかもしれない。でも身分に連なる責任には、多少の不自由はつきものよ。私はレッドの妻よ。だからレッドに添うの。寄り添いたいからここにいるの。だから監禁じゃないわ」
レッドの瞳がまだ揺らいでいる。変な心配はしなくてよいの。私は彼をギュッと抱き締めた。
みつめあう瞳が絡み唇が触れる。レッドの手の平が腰の袷からお臍の方へ……ボコンッ!ベコリ。ポコっ。
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