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第十章 Pedal to the Metal
祭禍—⑭—
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「ブルース……今、『龍之助が限界まで抑えている』……そうだな?」
ロックは“スターマン”に眼を向けると、右手の翼剣型“命導巧”:“ブラック・クイーン”に力を入れる。
「ああ……“ヘルター・スケルター”をな――って、何を考えて――」
ブルースの問いかけと同時に、ロックは“駆け抜ける疾風”で駆け出した。
進路を“スターマン”に向け、全神経を加速。
ロックの前を覆う大きな影――“ライティングス・オン・ザ・ウォール”が飛び出す。
身長から3メートルから、右脚を撓らせた。
翼剣の“籠状護拳”を突き出し、ロックは“魔人”の蹴りを受ける。
――クソが!!
心に思った言葉より先に、ロックの肺に溜まった空気が衝撃で吐き出される。
“魔人”:“ライティングス・オン・ザ・ウォール”の繰り出した熱力を受けたロックの身体が、慣性の法則により放物線を描いて吹っ飛んだ。
「ロック!!」
ブルースが苔色の外套を靡かせる。
ロックの追撃を仕掛ける“魔人”:“ライティングス・オン・ザ・ウォール”の銀色の肩から放たれる右直拳撃を放った。
3メートルの巨大の放つ熱力によって、“ヘルター・スケルター”の虜となった“政市会”会員と“政声隊”のメンバー、それぞれを吹き飛ばしながら、ブルースに迫る。
ブルースがショーテル型“命導巧”:“ヘヴンズ・ドライブ”の二刀を交差させ受けた。
「一体、どういう――」
「“ヘルター・スケルター”を“スターマン”ごと、“ワンダーウォール”に叩き込む」
ブルースの真意を問う一言に、ロックは淀みなく答える。
前に出たブルースを、ロックは右足で跳ねのけた。
ブルースのいた位置を貫く“魔人”の銀拳を、翼剣の“籠状護拳”の表面を突き出し、ロックは受け流す。
前のめりになった純金頭の“魔人”首の付け根に、ロックは順手に構えた翼剣を叩きつけた。
銀の両腕を地に付けようとした“魔人”の上半身が跳ね上がる。
ロックは翼剣を“魔人”から遠ざけ、一歩下がった。
命中は免れたが、3メートルの巨体からの“熱力”の風圧に仰け反る。
腹に激痛と熱さが疾走った。
起き上がり様に振り上げた巨人の右腕の拳が、ロックの腹に命中。
痛さと共に“祭壇”の宙に、紅い外套に覆われたロックの身体が放り出された。
ロックに蹴られ、“魔人”:“ライティングス・オン・ザ・ウォール”の狙いから逸れたブルースの目線。
彼の翠眼に映るロックに、銀鏡の触手の槍が迫る。
“魔人”から生えた触手が、ロックの頭、左脇腹、右足の三ヶ所に狙いを付けた。
翼剣:“ブラック・クイーン”で、切り落とそうと構える。
その時には、頭への触手が迫っていた。
ロックの眼の前に、閃光の刃が煌く。
サキの短髪の乙女の守護者――“ライラ”の右腕の剣が、ロックの頭への触手を斬った。
「“ヴァージニア”!!」
『心得ました!!』
右腕の鶏冠の兜の守護者の右腕の弓から、矢が放たれる。
拳大の“フォトニック結晶”に光を秘めた鏃が、“魔人”の首に命中した。
“魔人”から生えた銀鏡色の触手が、狙いをロックから大きく逸らし、空を突く。
“魔人”の全身を揺らすと、結晶が弾け飛んだ。
純金の頭の輝きを消すほどの光が集中。
結晶の欠片一つ一つに宿り、一斉に貫いた。
光に焼かれて発生した爆破に、“魔人”;“ライティングス・オン・ザ・ウォール”が後退する。
「しかし、ロック……“ヘルター・スケルター”をぶち込むには――」
「ブルース、不可能じゃない!」
「いや、時間の問題だ!!」
ブルースが、ロックの前で声を大きく上げた。
ロックは龍之助の身体を見る。
蒼く染まる右眼から、右の顔半分と右腕に広がっていた。
“愛されし者の右眼”は、一番力の大きい“命熱波”を止める。
しかし、その“命導巧”の捉える“命熱波”が強大なものだったら。
その答えは、息を絶え絶えにしている龍之助が示していた。
「……待って、ロック、ブルース」
サキがロック達の間に入る。
ロックは、ブルースの異議に加え、サキの闖入に痺れを切らせかけた時、
「私なら……どうにか出来るかもしれない」
ロックはサキの一言に押し黙った。
ブルースの方は、サキの突然の言葉に息を呑む。
「……私の力、“ナノマシン”を制御出来る……だよね?」
サキの一言に、ブルースが頷きかけるが、
「だが……サキ、龍之助を見ろ……アイツが限界なら、お前も――」
「それは、“命熱波”だけだからじゃない?」
ロックの中で、サキの言葉が引っ掛かった。
――そういえば!!
ロックの思い出したのは、二つの出来事。
サキと再会した高速道路と、龍之助を“ヘルター・スケルター”から解放した時だった。
「そういえば……龍之助の“愛されし者の右眼”に“命熱波”を封印されて、サキの力で動き出した」
ロックの言葉に、ブルースの眼が見開いた。
「つまり……サキは“命熱波”じゃなく、“リア・ファイル”そのものに働きかけられる……」
「私がやるから……ロック達は、“スターマン”に攻撃して!!」
サキが“スターマン”に、片刃型“命導巧”:“フェイス”の切っ先を突きつける。
蒼白い光を放つと、“スターマン”の巨体が大きく弛緩した。
「だが……力が大きすぎる……」
「しかし、あながち悪くない考えみたいだぜ?」
戸惑うブルースに、ロックは肩を竦める。
“魔人”:“ライティングス・オン・ザ・ウォール”が、胴体に取り込んだ三条を揺らしながら、走ってきたからだ。
純金頭の彫られた眼の奥に、河上 サキのキャミソールと“命導巧”を構えた姿が映る。
ロックは翼剣;“ブラック・クイーン”の鍔から、半自動装填式拳銃型“命導巧”:“イニュエンド”の銃口を、“魔人”に向けた。
銃口から数発が、“魔人”の数歩先の道を刻む。
“道作る蹄”で噴き出した炭酸ガスの柱が、“魔人”の右脚を大きく取った。
体勢の崩れた巨人に、ロックの半自動装填式拳銃型“命導巧”が、更に火を噴く。
“雷鳴の角笛”が、うつ伏せで起き上がろうとする“魔人”の銀の肉体と純金の頭を抉った。
立ち上がろうとする“魔人”の叫び声に、ロックは更に銃弾を二発撃ち込む。
“定めに濡らす泪”による水蒸気爆発が、3メートルの巨体を揺らした。
膝を突く“魔人”が蒸気に隠れると、
「しょうがねぇ、ロック……精一杯の力をぶち込ん――」
ブルースが、弾けた様に振り返る。
ショーテル型命導巧を二刀構えると、苔色の外套の戦士に銀色の風が吹いた。
“魔人”:“ライティングス・オン・ザ・ウォール”の裏拳が、ブルースの両腕に炸裂。
彼の長身の身体が、ロックから見て左側に吹っ飛ぶ。
ロックは翼剣を構えるが、“魔人”に一太刀を浴びせることも出来なかった。
彼の喉を圧迫する銀の右腕。
ロックは息苦しさと共に、“魔人”に持ち上げられた。
ロックは“スターマン”に眼を向けると、右手の翼剣型“命導巧”:“ブラック・クイーン”に力を入れる。
「ああ……“ヘルター・スケルター”をな――って、何を考えて――」
ブルースの問いかけと同時に、ロックは“駆け抜ける疾風”で駆け出した。
進路を“スターマン”に向け、全神経を加速。
ロックの前を覆う大きな影――“ライティングス・オン・ザ・ウォール”が飛び出す。
身長から3メートルから、右脚を撓らせた。
翼剣の“籠状護拳”を突き出し、ロックは“魔人”の蹴りを受ける。
――クソが!!
心に思った言葉より先に、ロックの肺に溜まった空気が衝撃で吐き出される。
“魔人”:“ライティングス・オン・ザ・ウォール”の繰り出した熱力を受けたロックの身体が、慣性の法則により放物線を描いて吹っ飛んだ。
「ロック!!」
ブルースが苔色の外套を靡かせる。
ロックの追撃を仕掛ける“魔人”:“ライティングス・オン・ザ・ウォール”の銀色の肩から放たれる右直拳撃を放った。
3メートルの巨大の放つ熱力によって、“ヘルター・スケルター”の虜となった“政市会”会員と“政声隊”のメンバー、それぞれを吹き飛ばしながら、ブルースに迫る。
ブルースがショーテル型“命導巧”:“ヘヴンズ・ドライブ”の二刀を交差させ受けた。
「一体、どういう――」
「“ヘルター・スケルター”を“スターマン”ごと、“ワンダーウォール”に叩き込む」
ブルースの真意を問う一言に、ロックは淀みなく答える。
前に出たブルースを、ロックは右足で跳ねのけた。
ブルースのいた位置を貫く“魔人”の銀拳を、翼剣の“籠状護拳”の表面を突き出し、ロックは受け流す。
前のめりになった純金頭の“魔人”首の付け根に、ロックは順手に構えた翼剣を叩きつけた。
銀の両腕を地に付けようとした“魔人”の上半身が跳ね上がる。
ロックは翼剣を“魔人”から遠ざけ、一歩下がった。
命中は免れたが、3メートルの巨体からの“熱力”の風圧に仰け反る。
腹に激痛と熱さが疾走った。
起き上がり様に振り上げた巨人の右腕の拳が、ロックの腹に命中。
痛さと共に“祭壇”の宙に、紅い外套に覆われたロックの身体が放り出された。
ロックに蹴られ、“魔人”:“ライティングス・オン・ザ・ウォール”の狙いから逸れたブルースの目線。
彼の翠眼に映るロックに、銀鏡の触手の槍が迫る。
“魔人”から生えた触手が、ロックの頭、左脇腹、右足の三ヶ所に狙いを付けた。
翼剣:“ブラック・クイーン”で、切り落とそうと構える。
その時には、頭への触手が迫っていた。
ロックの眼の前に、閃光の刃が煌く。
サキの短髪の乙女の守護者――“ライラ”の右腕の剣が、ロックの頭への触手を斬った。
「“ヴァージニア”!!」
『心得ました!!』
右腕の鶏冠の兜の守護者の右腕の弓から、矢が放たれる。
拳大の“フォトニック結晶”に光を秘めた鏃が、“魔人”の首に命中した。
“魔人”から生えた銀鏡色の触手が、狙いをロックから大きく逸らし、空を突く。
“魔人”の全身を揺らすと、結晶が弾け飛んだ。
純金の頭の輝きを消すほどの光が集中。
結晶の欠片一つ一つに宿り、一斉に貫いた。
光に焼かれて発生した爆破に、“魔人”;“ライティングス・オン・ザ・ウォール”が後退する。
「しかし、ロック……“ヘルター・スケルター”をぶち込むには――」
「ブルース、不可能じゃない!」
「いや、時間の問題だ!!」
ブルースが、ロックの前で声を大きく上げた。
ロックは龍之助の身体を見る。
蒼く染まる右眼から、右の顔半分と右腕に広がっていた。
“愛されし者の右眼”は、一番力の大きい“命熱波”を止める。
しかし、その“命導巧”の捉える“命熱波”が強大なものだったら。
その答えは、息を絶え絶えにしている龍之助が示していた。
「……待って、ロック、ブルース」
サキがロック達の間に入る。
ロックは、ブルースの異議に加え、サキの闖入に痺れを切らせかけた時、
「私なら……どうにか出来るかもしれない」
ロックはサキの一言に押し黙った。
ブルースの方は、サキの突然の言葉に息を呑む。
「……私の力、“ナノマシン”を制御出来る……だよね?」
サキの一言に、ブルースが頷きかけるが、
「だが……サキ、龍之助を見ろ……アイツが限界なら、お前も――」
「それは、“命熱波”だけだからじゃない?」
ロックの中で、サキの言葉が引っ掛かった。
――そういえば!!
ロックの思い出したのは、二つの出来事。
サキと再会した高速道路と、龍之助を“ヘルター・スケルター”から解放した時だった。
「そういえば……龍之助の“愛されし者の右眼”に“命熱波”を封印されて、サキの力で動き出した」
ロックの言葉に、ブルースの眼が見開いた。
「つまり……サキは“命熱波”じゃなく、“リア・ファイル”そのものに働きかけられる……」
「私がやるから……ロック達は、“スターマン”に攻撃して!!」
サキが“スターマン”に、片刃型“命導巧”:“フェイス”の切っ先を突きつける。
蒼白い光を放つと、“スターマン”の巨体が大きく弛緩した。
「だが……力が大きすぎる……」
「しかし、あながち悪くない考えみたいだぜ?」
戸惑うブルースに、ロックは肩を竦める。
“魔人”:“ライティングス・オン・ザ・ウォール”が、胴体に取り込んだ三条を揺らしながら、走ってきたからだ。
純金頭の彫られた眼の奥に、河上 サキのキャミソールと“命導巧”を構えた姿が映る。
ロックは翼剣;“ブラック・クイーン”の鍔から、半自動装填式拳銃型“命導巧”:“イニュエンド”の銃口を、“魔人”に向けた。
銃口から数発が、“魔人”の数歩先の道を刻む。
“道作る蹄”で噴き出した炭酸ガスの柱が、“魔人”の右脚を大きく取った。
体勢の崩れた巨人に、ロックの半自動装填式拳銃型“命導巧”が、更に火を噴く。
“雷鳴の角笛”が、うつ伏せで起き上がろうとする“魔人”の銀の肉体と純金の頭を抉った。
立ち上がろうとする“魔人”の叫び声に、ロックは更に銃弾を二発撃ち込む。
“定めに濡らす泪”による水蒸気爆発が、3メートルの巨体を揺らした。
膝を突く“魔人”が蒸気に隠れると、
「しょうがねぇ、ロック……精一杯の力をぶち込ん――」
ブルースが、弾けた様に振り返る。
ショーテル型命導巧を二刀構えると、苔色の外套の戦士に銀色の風が吹いた。
“魔人”:“ライティングス・オン・ザ・ウォール”の裏拳が、ブルースの両腕に炸裂。
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