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第二章 溢れる光は自由と化す
自由は風に乗って
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社交界が終わり家に帰る。
「おかえりなさいませ、リディア様。婚約破棄おめでとうございます」
「ただいま。ミリア。ありがとう」
「ルシアン様はもうお行きになりました」
鉢合わせしなかったことに安堵した。
「リディア様お疲れでしょう。湯浴みの準備はできていますよ」
* * *
湯浴みを済ませベッドに転がる。
長かった。
でももう解放されたのね。
良かったわ。
目を閉じると深い夢の中に落ちていった。
* * *
翌日、私は本家があるミリルドへ向かっていた。
自由に外に出るのは何年ぶりかしら……
見たかったものがすべて目に飛び込んできて胸がいっぱいだった。
「リディア様、到着いたしました」
久しぶりだ、ここに来るのも。
馬車から降りてドアの前に立つ。
ドアを開けて中に入ると、そこにはお父様と弟、ノエルの姿があった。
「おかえり、リディア」
「おかえりなさい。お姉様」
「お父様、ノエル、ただいまです」
そう言うとお父様は顔をほころばせ、ノエルは私に駆け寄った。
ノエルは今6歳だ。幼くて可愛い。
「長旅で疲れただろう。お茶でもするか。ルイ、準備を」
ルイと呼ばれたのはお父様の執事兼護衛。
そして社交界のときに証拠音声を持ってきてくれたルカの兄である。
ルカは私の護衛……とはいっても私はルカより強い。
最近は護衛というより情報収集をしてもらっている。
「リディア様、どうぞこちらに」
出されたのはどれも私の好きなものばかりだった。
世間話に花を咲かせ、ある程度味わった。
「お父様。お願いしたいことがございますわ」
「何だね。言ってみなさい」
「戦いの舞台に立ちたいのです」
一瞬空気が凍った。
「……お前は女の子だぞ。行く必要などないのだよ」
「それでも行きたいのです」
私はまっすぐにお父様を見つめた。
「国王直属の部隊があると聞きました。今私より能力・魔法、これらにおいて突出している人はいないはずです」
沈黙が流れる。
ノエルもなにか察したようにお父様の顔を見つめる。
「お前……本気なんだな」
「ええ。もう何も怖くないので」
「……その歳であれほどの魔力を制御できるとは思わなかった」
父の瞳に、かすかな誇りが宿る。
「ならば証明してみせろ、リディア。お前の力が、この国を変えられるのかどうかを」
父の言葉に、胸の奥が熱くなる。
初めてだ。
私の「戦いたい」という意思を、否定せずに聞いてくれたのは。
「……ありがとう、お父様」
「感謝するのはまだ早いぞ。お前の力が本物かどうか、確かめねばならん」
お父様は小さく笑みを浮かべ、手を叩いた。
入ってきたのは、一人の青年だった。
長い前髪の下から鋭い瞳がこちらを捉える。
「この者はグランフェルの隊長、レオン・アストレアだ。
明日、彼が立ち会いのもと試験を行う」
「グランフェル……」
その名を聞いた瞬間、空気が張り詰める。
グランフェル。
国王直属部隊のなかでも、特に精鋭が集う戦闘組織。
戦場では灰の翼と呼ばれる部隊だ。
アレクは無言のまま、一礼した。
冷たい瞳の奥で、何かを測るように私を見つめてくる。
「……わかりました。受けて立ちます」
「よろしい。試験は明日の朝。準備をしておけ」
父の言葉にうなずき、席を立つ。
胸の奥では、静かな炎が確かに燃え始めていた。
「おかえりなさいませ、リディア様。婚約破棄おめでとうございます」
「ただいま。ミリア。ありがとう」
「ルシアン様はもうお行きになりました」
鉢合わせしなかったことに安堵した。
「リディア様お疲れでしょう。湯浴みの準備はできていますよ」
* * *
湯浴みを済ませベッドに転がる。
長かった。
でももう解放されたのね。
良かったわ。
目を閉じると深い夢の中に落ちていった。
* * *
翌日、私は本家があるミリルドへ向かっていた。
自由に外に出るのは何年ぶりかしら……
見たかったものがすべて目に飛び込んできて胸がいっぱいだった。
「リディア様、到着いたしました」
久しぶりだ、ここに来るのも。
馬車から降りてドアの前に立つ。
ドアを開けて中に入ると、そこにはお父様と弟、ノエルの姿があった。
「おかえり、リディア」
「おかえりなさい。お姉様」
「お父様、ノエル、ただいまです」
そう言うとお父様は顔をほころばせ、ノエルは私に駆け寄った。
ノエルは今6歳だ。幼くて可愛い。
「長旅で疲れただろう。お茶でもするか。ルイ、準備を」
ルイと呼ばれたのはお父様の執事兼護衛。
そして社交界のときに証拠音声を持ってきてくれたルカの兄である。
ルカは私の護衛……とはいっても私はルカより強い。
最近は護衛というより情報収集をしてもらっている。
「リディア様、どうぞこちらに」
出されたのはどれも私の好きなものばかりだった。
世間話に花を咲かせ、ある程度味わった。
「お父様。お願いしたいことがございますわ」
「何だね。言ってみなさい」
「戦いの舞台に立ちたいのです」
一瞬空気が凍った。
「……お前は女の子だぞ。行く必要などないのだよ」
「それでも行きたいのです」
私はまっすぐにお父様を見つめた。
「国王直属の部隊があると聞きました。今私より能力・魔法、これらにおいて突出している人はいないはずです」
沈黙が流れる。
ノエルもなにか察したようにお父様の顔を見つめる。
「お前……本気なんだな」
「ええ。もう何も怖くないので」
「……その歳であれほどの魔力を制御できるとは思わなかった」
父の瞳に、かすかな誇りが宿る。
「ならば証明してみせろ、リディア。お前の力が、この国を変えられるのかどうかを」
父の言葉に、胸の奥が熱くなる。
初めてだ。
私の「戦いたい」という意思を、否定せずに聞いてくれたのは。
「……ありがとう、お父様」
「感謝するのはまだ早いぞ。お前の力が本物かどうか、確かめねばならん」
お父様は小さく笑みを浮かべ、手を叩いた。
入ってきたのは、一人の青年だった。
長い前髪の下から鋭い瞳がこちらを捉える。
「この者はグランフェルの隊長、レオン・アストレアだ。
明日、彼が立ち会いのもと試験を行う」
「グランフェル……」
その名を聞いた瞬間、空気が張り詰める。
グランフェル。
国王直属部隊のなかでも、特に精鋭が集う戦闘組織。
戦場では灰の翼と呼ばれる部隊だ。
アレクは無言のまま、一礼した。
冷たい瞳の奥で、何かを測るように私を見つめてくる。
「……わかりました。受けて立ちます」
「よろしい。試験は明日の朝。準備をしておけ」
父の言葉にうなずき、席を立つ。
胸の奥では、静かな炎が確かに燃え始めていた。
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