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第三章
4月20日(土):夢を描く
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【京一】
いつもそうであるように、その日は一日中、自堕落な時間を過ごした。
意義のある行動としては、いくつか授業で課されていた宿題に手をつけていったこと。
普段、居眠りばかりでろくに話を聞いていないので、そこだけはしっかりこなしてせめてものポイント稼ぎとしている。ちなみに晃はいずれもろくにこなせていない。
堕落的な休日というのは、なぜこうも時間経過が早いものなのか。
――あっという間に、夜。
夕食後、シャワーをし、自室のベッドで横になりながらケータイを弄っているうちに眠気を覚え始める。ケータイをポイと枕元に放り、そのまま目を閉じた。
――次に目を開けたとき、視界は薄紅色で埋め尽くされていた。
「さァてさて! こんばんはデス、京一サン!」
もやの中から飛び出てくる小人。いつにも増して元気いっぱいの様子だ。
「はりきってるな」
「モチロン! ていうか京一サンははりきってないんデスカ」
「まあ、それなりだな」
「なるほど、京一サンらしいデスネ」
なんだかんだ、今日一日、この夢の時間を待ち望んでいたような気がする。妙なものだ、夢が待ち遠しいなんて。
一昨日は、イブの夢に。
昨日は、クララと晃の夢に。
それよりも以前にはずっと凛の夢に入っていたが。
――小人が現れて以来、彼女によって毎夜他人の夢へと『案内』されてきた。
だが今晩、今までとは異なる形で小人の力を借りる。
クララが手芸部に入部したいと言い出したことから巡り始めた問題。
凛とイブ、二人の間に大きな溝が出来ている。それは単純に彼女らの仲たがいということでなく、僕ら四人と凛との間に空白期間があるのが原因だ。
凛とイブを引き合わせるというよりは、そもそもその『空白期間』を産めるべきだと考えた。
イブの夢への介入を経て、僕が考えたこと。
――その計画とは、深層部における夢の中にて子供の頃の情景を再現することだ。
その場を造り出し、皆の夢内での意識体を集める。五人で遊んだあの頃の状況を夢の中に再現し、皆にそれを追体験させるというわけだ。
夢で昔の情景を状況することで、その当時の想いを表層意識にまで浮上させる――まさしくSF映画のようなぶっ飛んだ理屈に思えるが、他でもないこの夢世界の住人・『夢の案内人』キューピーがそれを事実だというのだ。
あの頃の心象を取り戻させれば、以前に素っ気ない態度を取られてしまったという苦い記憶とか、疎遠になっていたことによる気まずさとか……、それらを解消する手助けになるはずだと考えたのである。
ただ、その肝心の『情景の再現』は如何にして行うか。
各人の夢世界というと、
凛は『マジカル☆リンちゃん』の世界、
イブはドラゴンが空を飛びまわる世界、
クララはぬいぐるみたちの世界、
晃は様々なゲームが入り混じったカオスな世界、
……すなわち、みんなをいずれかの夢世界に集めたところで、あくまでその人の夢世界の登場人物になるだけ。子供の頃に遊んだあの頃の情景、にはなり得ない。
だからその夢の舞台は僕が用意する。
「要するに、これこそ明晰夢の力デスヨ。明晰夢の力があれば、自分が思い描いた通りの夢を見られるのデスカラ。京一サンが、子供の頃の情景を強く思い描くのデス。そうすれば、その通りの夢世界が形成されマス。
……しかし、それは生半可なことではありまセン。集中力が切れたり、雑念が混ざると、たちまちその夢世界はバラバラに崩れ去るデショウ。本当は訓練を積まなければ、明晰夢の力で自由に夢世界を形成するなんてコト、できまセンからネ。でも京一サンならきっとできマス。ワタシは信じていますヨ!」
キューピーは、そう言う。
「さァ京一サン。頭の中に思い描くのデス。ワタシはみなさん四人の夢意識を、ここへと『案内』してきますのでネ」
びし、と人差し指と中指を立てて、夢の案内人はその役目を果たすため、もやの中へと潜っていった。
僕はここに、夢の舞台を作る。
初めて宮本と図書委員の当番をしたときを思い出す。
あのとき……恥ずかしながら、彼女の前でつい居眠りをしてしまった。あのとき見ていた夢はまさに、幼い頃に僕ら五人で森の中へ入って虫捕りをしたときの情景だったのだ。
――あれを、『意識して』作り出すのだ。
僕は目を閉じる。瞼の裏側に、その光景を描いていく。
…………
……
深閑な森の中。
風がそよぐと、木の葉の触れ合う音が広がる。
まるでさざ波のような音だ。
それを聞くととても穏やかな気持ちになり、なんだか体がふんわり浮いてしまうような心地なのだった。
「おーい京一、早く来いよ」
そのとき、遠くから僕の名を呼ぶ声がした。陽気な男の子の声。
「みんな遅いよー」
続いて、女の子の声。
生い茂る草木によって姿が見えないが、その向こうで声の主二人がきゃっきゃと騒いでいるのが分かる。
さきほどの、もやの中にいたときよりも視点が低くなっているのに気づいた。子供の姿になっているのだ。
「もう。晃もイブも、急ぎ過ぎ」
そう言って、すっ、と僕の隣に少女が立ち並んだ。
「クララのことも、ちゃんと待ってあげればいいのに」
その傍らに、さらに背の低いもう一人の少女。
「あうう。ごめんなさい」
凛とクララ、晃とイブ。
子供の姿の四人が、森の中にいる。
晃とイブがはしゃいでいる。晃が目当ての虫を見つけ、途端に駆け出す。イブもそれについていく。彼女は当時から、女の子でありながら虫などに平気で触れていた。
「私たちも、行こ行こ」
凛がそう言って、クララの手を引いて歩き出した。
僕も並んで歩き出す。
夢見心地……という感じがした。
自分は明晰夢として、明確な意識を持ってここにいるはずである。そもそもここは自分が頭に思い描き、作り出した空間であるはずだ。
しかし、どこか夢を見ているような感じがするのだ。
いや、実際にここは夢なのでそれはおかしな言い方かもしれない。しかし、そうとしか言い得ない。
集中力が切れたり雑念が混じったりすると世界が瓦解するとキューピーが言っていたが、正直、今の僕は、意識的な部分で「この夢世界を維持させなければ」とは考えていなかった。
ただ、この五人が子どもの姿でここにいて、仲良く遊んでいる。
――それは、とりたてて意識して造る必要などなく、いたってごく自然なことであるように思えたのだ。
目の前の光景を見据えて、考える。例えばこのまま五人が高校生に成長したとしよう。
さすがに森の中に虫捕りをしには来ない。だから場所は高校で、遊ぶというのも、別に普通にただ雑談をするだけということにしよう。
幼い姿の五人が遊ぶ今のこの光景を、そうして成長した自分たちの状況へと置き換えてみるのだ。
手芸部の部室で談笑する五人。
その様を思ったとき、思いの外しっくりと来た。
それが自然であるように感じたのだ。
凛とイブが気まずそうにしているようには見えない。もちろん個人個人を見るまでもなく、五人とも、平然と、楽しげに話をしている。
今僕の視界が捉えている――子供の僕らが遊ぶ映像、は所詮夢だけど、
今頭の中で想像してみた――高校生の僕らが楽しく話しをする映像、は確実に僕の心が現実的な観念を以って描いたものである。
現在の高校生である僕ら五人が揃って一緒にいる――それを『自然だ』と思う感覚。
それは、非常に重大な意味を持つのだろう。
なぜなら、今、この夜、僕以外の四人も、夢の深層部にて同じ光景を見ているから。
意識の奥底で、きっと、この感覚を共有しているはずだ。
いつもそうであるように、その日は一日中、自堕落な時間を過ごした。
意義のある行動としては、いくつか授業で課されていた宿題に手をつけていったこと。
普段、居眠りばかりでろくに話を聞いていないので、そこだけはしっかりこなしてせめてものポイント稼ぎとしている。ちなみに晃はいずれもろくにこなせていない。
堕落的な休日というのは、なぜこうも時間経過が早いものなのか。
――あっという間に、夜。
夕食後、シャワーをし、自室のベッドで横になりながらケータイを弄っているうちに眠気を覚え始める。ケータイをポイと枕元に放り、そのまま目を閉じた。
――次に目を開けたとき、視界は薄紅色で埋め尽くされていた。
「さァてさて! こんばんはデス、京一サン!」
もやの中から飛び出てくる小人。いつにも増して元気いっぱいの様子だ。
「はりきってるな」
「モチロン! ていうか京一サンははりきってないんデスカ」
「まあ、それなりだな」
「なるほど、京一サンらしいデスネ」
なんだかんだ、今日一日、この夢の時間を待ち望んでいたような気がする。妙なものだ、夢が待ち遠しいなんて。
一昨日は、イブの夢に。
昨日は、クララと晃の夢に。
それよりも以前にはずっと凛の夢に入っていたが。
――小人が現れて以来、彼女によって毎夜他人の夢へと『案内』されてきた。
だが今晩、今までとは異なる形で小人の力を借りる。
クララが手芸部に入部したいと言い出したことから巡り始めた問題。
凛とイブ、二人の間に大きな溝が出来ている。それは単純に彼女らの仲たがいということでなく、僕ら四人と凛との間に空白期間があるのが原因だ。
凛とイブを引き合わせるというよりは、そもそもその『空白期間』を産めるべきだと考えた。
イブの夢への介入を経て、僕が考えたこと。
――その計画とは、深層部における夢の中にて子供の頃の情景を再現することだ。
その場を造り出し、皆の夢内での意識体を集める。五人で遊んだあの頃の状況を夢の中に再現し、皆にそれを追体験させるというわけだ。
夢で昔の情景を状況することで、その当時の想いを表層意識にまで浮上させる――まさしくSF映画のようなぶっ飛んだ理屈に思えるが、他でもないこの夢世界の住人・『夢の案内人』キューピーがそれを事実だというのだ。
あの頃の心象を取り戻させれば、以前に素っ気ない態度を取られてしまったという苦い記憶とか、疎遠になっていたことによる気まずさとか……、それらを解消する手助けになるはずだと考えたのである。
ただ、その肝心の『情景の再現』は如何にして行うか。
各人の夢世界というと、
凛は『マジカル☆リンちゃん』の世界、
イブはドラゴンが空を飛びまわる世界、
クララはぬいぐるみたちの世界、
晃は様々なゲームが入り混じったカオスな世界、
……すなわち、みんなをいずれかの夢世界に集めたところで、あくまでその人の夢世界の登場人物になるだけ。子供の頃に遊んだあの頃の情景、にはなり得ない。
だからその夢の舞台は僕が用意する。
「要するに、これこそ明晰夢の力デスヨ。明晰夢の力があれば、自分が思い描いた通りの夢を見られるのデスカラ。京一サンが、子供の頃の情景を強く思い描くのデス。そうすれば、その通りの夢世界が形成されマス。
……しかし、それは生半可なことではありまセン。集中力が切れたり、雑念が混ざると、たちまちその夢世界はバラバラに崩れ去るデショウ。本当は訓練を積まなければ、明晰夢の力で自由に夢世界を形成するなんてコト、できまセンからネ。でも京一サンならきっとできマス。ワタシは信じていますヨ!」
キューピーは、そう言う。
「さァ京一サン。頭の中に思い描くのデス。ワタシはみなさん四人の夢意識を、ここへと『案内』してきますのでネ」
びし、と人差し指と中指を立てて、夢の案内人はその役目を果たすため、もやの中へと潜っていった。
僕はここに、夢の舞台を作る。
初めて宮本と図書委員の当番をしたときを思い出す。
あのとき……恥ずかしながら、彼女の前でつい居眠りをしてしまった。あのとき見ていた夢はまさに、幼い頃に僕ら五人で森の中へ入って虫捕りをしたときの情景だったのだ。
――あれを、『意識して』作り出すのだ。
僕は目を閉じる。瞼の裏側に、その光景を描いていく。
…………
……
深閑な森の中。
風がそよぐと、木の葉の触れ合う音が広がる。
まるでさざ波のような音だ。
それを聞くととても穏やかな気持ちになり、なんだか体がふんわり浮いてしまうような心地なのだった。
「おーい京一、早く来いよ」
そのとき、遠くから僕の名を呼ぶ声がした。陽気な男の子の声。
「みんな遅いよー」
続いて、女の子の声。
生い茂る草木によって姿が見えないが、その向こうで声の主二人がきゃっきゃと騒いでいるのが分かる。
さきほどの、もやの中にいたときよりも視点が低くなっているのに気づいた。子供の姿になっているのだ。
「もう。晃もイブも、急ぎ過ぎ」
そう言って、すっ、と僕の隣に少女が立ち並んだ。
「クララのことも、ちゃんと待ってあげればいいのに」
その傍らに、さらに背の低いもう一人の少女。
「あうう。ごめんなさい」
凛とクララ、晃とイブ。
子供の姿の四人が、森の中にいる。
晃とイブがはしゃいでいる。晃が目当ての虫を見つけ、途端に駆け出す。イブもそれについていく。彼女は当時から、女の子でありながら虫などに平気で触れていた。
「私たちも、行こ行こ」
凛がそう言って、クララの手を引いて歩き出した。
僕も並んで歩き出す。
夢見心地……という感じがした。
自分は明晰夢として、明確な意識を持ってここにいるはずである。そもそもここは自分が頭に思い描き、作り出した空間であるはずだ。
しかし、どこか夢を見ているような感じがするのだ。
いや、実際にここは夢なのでそれはおかしな言い方かもしれない。しかし、そうとしか言い得ない。
集中力が切れたり雑念が混じったりすると世界が瓦解するとキューピーが言っていたが、正直、今の僕は、意識的な部分で「この夢世界を維持させなければ」とは考えていなかった。
ただ、この五人が子どもの姿でここにいて、仲良く遊んでいる。
――それは、とりたてて意識して造る必要などなく、いたってごく自然なことであるように思えたのだ。
目の前の光景を見据えて、考える。例えばこのまま五人が高校生に成長したとしよう。
さすがに森の中に虫捕りをしには来ない。だから場所は高校で、遊ぶというのも、別に普通にただ雑談をするだけということにしよう。
幼い姿の五人が遊ぶ今のこの光景を、そうして成長した自分たちの状況へと置き換えてみるのだ。
手芸部の部室で談笑する五人。
その様を思ったとき、思いの外しっくりと来た。
それが自然であるように感じたのだ。
凛とイブが気まずそうにしているようには見えない。もちろん個人個人を見るまでもなく、五人とも、平然と、楽しげに話をしている。
今僕の視界が捉えている――子供の僕らが遊ぶ映像、は所詮夢だけど、
今頭の中で想像してみた――高校生の僕らが楽しく話しをする映像、は確実に僕の心が現実的な観念を以って描いたものである。
現在の高校生である僕ら五人が揃って一緒にいる――それを『自然だ』と思う感覚。
それは、非常に重大な意味を持つのだろう。
なぜなら、今、この夜、僕以外の四人も、夢の深層部にて同じ光景を見ているから。
意識の奥底で、きっと、この感覚を共有しているはずだ。
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