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第四章
4月29日(月):かつての想い
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【京一】
帰宅後、自室でしばらく怠けたのち、かなり億劫に感じつつもなんとか課題に手をつけた。
オープンキャンパスで歩き回って疲れたため、なかなか気力がわかなかったが、必死に頭を働かせて問題を解く。なんとか解き終え、ぐはぁ、と息を吐く。
明日、持っていくのを忘れないよう予め鞄に入れておこうとしたところ、そこには馴染みのない問題集が入っていた。今日もらった大学の入試過去問集だ。
何の気なしに開いて、ぱらぱらと眺めてみる。
ついさきほど苦戦していた問題集がまるで児戯にでも思えるような、見るからに難問がびっしり並んでいる。……もうその雰囲気だけで、気が滅入る。
見ていては気分を害しそうなので、すぐに閉じ、とりあえず引き出しの奥にしまい込んだ。
きっとあれだ、年末の大掃除のときにでも見つけて、雑誌とかと一緒にまとめて捨てることになるのだ。
ベッドに横になり、瞼を閉じる。
視界が閉ざされた中。夢に入るまでのまどろんだ意識の中で、ふと、昔のことが思い出されていた。今日、久しぶりに兄に会ったからだろうか。
幼い頃。僕は、――自分で言うのもなんだが、今以上に、非常に内気で積極性のない人間だった。
今でこそいくらかまともになったと自負しているが、当時は、コミュニケーション能力など絶望的であったのだ。
身近な遊び相手と言えば、兄の和哉を除けば隣人である凛だけ。……彼女とは物心がつく以前からの仲で、唯一、物おじせずに接せられたのだ。
はっきり言って、当時の僕は、凛に想いを寄せていた。
初恋である。
まあ、幼馴染の女の子を好きになるなんてよくある自然なことだろう。
小学校に上がるより少し前、僕と凛が6歳の頃。
二人でテレビを観ていた。
夕方のアニメ枠で女児向けの魔法少女モノのアニメと男児向けのヒーローモノのアニメが続けて放送されていた。『マジカル☆マリーちゃん』と、『忍者ヒーロー・カミカゲマン』というアニメだ。二つは、それぞれ僕ら二人のお気に入りだった。
毎週、それらを二人で一緒に観るのが恒例になっていたのだ。
とある日。
凛と放送時間前からテレビの前に鎮座して例のアニメが始まるのを待ち構えていた。アニメの前番組は、恋愛ドラマの再放送だった。
今か今かと気を逸らせながらそのドラマを観ていたのだが、そこで不意に大々的な告白シーンが流れ出したのだ。
幼いながらも、その行為の意味は十分に理解できる。男性が、女性に対して好意を伝え、交際を申し入れる。
テレビ画面に映し出されたその場面を観て、僕はなにやら妙に触発された。
今思えばなぜそんなことをしたのかと疑問だ。いくら子供でも、思い立ったまますぐにそんなことを言うのは躊躇われるべきであろう。
僕は、画面の向こうの俳優を真似て、隣に座る凛に向かって言ったのだ。
『あの、ぼく、前からりんのこと好きだったんだ。……つ、付き合ってください!』
捻りも何もない拙い告白。
ただ、突発的に口を出たとはいえ、当時の気弱な僕にとってあくまでそれは一大決心の言葉であった。
しかし、幼馴染の返答は残酷だ。
『えー。私、かずくんのほうがいいなあ』
純粋な少女に悪気はない。しかしその言葉は確かに、僕にとって生まれて以来の絶望感を味わわせた。
兄は、影のようにくっついて回る弟と、その唯一の遊び相手である凛とをまとめて面倒を見てくれていたのだ。
凛にとって和哉は、隣に住む面倒見の良い年上のお兄さん。――彼女が兄のことを羨望のまなざしで見ていたことに、気がつくべきだったのだ。
そうすれば僕は、あのような思いをすることもなかったろう。
そうして淡い初恋は心の奥底に沈下し、僕は、優秀で気の良い兄と自分との決定的な格差を思い知ったのだ。
そのうえで悟った。
――夢は見ようとも、追うものではない。
憧れはあくまで憧れだ。そうなろうとする努力など無為。人目に付かず、無気力的でいた方が、よほど健全であるのだと。
……
…………
/
「呼ばれなくても飛び出る、ジャジャジャジャーン! どうも、キューピーでございマス」
センチメンタルな追想を刹那に掻き消す、小人の登場だった。
この前、イブやクララや晃の夢に行ったり、自分で子供の頃の夢世界を描いて彼らを招き入れたりしたものだが、それは手芸部の問題を解決するため。
それが終わると、また通常運行の『案内』、――すなわち凛の夢へと連れられるパターンが再開されたのである。
当初、その目的といえば、想い人に告白をし、勝手にOKをさせ、そしてあまつさえキスを迫る――という、不埒で身勝手な夢を見ていた僕を矯正すべし、としたから。
穢れない他人の夢世界へ赴きそれを垣間見ることで己が邪心を是正せよ、というのがこの小人の主張だったのだ。
ならばもう、それは終えられても良いものではないだろうか。
僕は何も、また隙あらば斯様な夢を見てやろう、なんて思ってはいない。
というか始めの夢に宮本を登場させたのだって、別に意識的にやったことじゃない。夢なのだから、コントロールできるわけもない。……いやまあ、以前、意識的に夢の場面を造り出すことには成功したが。
「いィーや、ダメです! 京一サン、アナタが改心したかどうか判断するのはアナタじゃありまセン、ワタシが良いと言うまで、無垢たる夢への『案内』は、続けさせてもらいマスヨ!」
「なんだよそれ……。まさか一生、こんな夢を見させ続けるつもりじゃないだろうな……」
「えェ~? ワタシと一生、夜を添い遂げたいっテ? それってプロポーズ? そんな平然とした顔でさりげなく言ってくるなんて、かましてきますネ!」
「いや何言ってんだよ……」
「まァ、ぶっちゃけワタシは今フリーですけれド? でもねェ京一サン、こんなちっちゃい子に劣情抱くなんて、犯罪デスヨ?」
「違うって」
「ていうか、いけませんヨ、京一サン。もしワタシに想いを抱いても、そんなの一時の気の迷いみたいなモンなんデスからネ。そういうのは、アナタにとって一番大切な人に言ってあげなくちゃ、デス」
「聞けよ」
「おっと、ここで話し込んでいてはいけませんネ、夜は有限なのデスカラ。では、今晩も京一サンを夢世界へ『ご案内』致しマショウ!」
「…………」
まあ、こいつに円滑な会話を求めること自体、間違っている。
僕はもう言葉を返すこともせず、ただ大人しく、もやを推進していく小人の後を追っていった。
その晩もまた、魔法少女の活躍劇を見ることとなる。
いつも通り、平和な日常の中に突如現れる怪物。
そして魔法少女に変身した幼い凛が颯爽と現れ、怪物を退治するのだ。
『マジカル☆リンちゃん』の世界を体感し終え、やがて目を覚ました。
帰宅後、自室でしばらく怠けたのち、かなり億劫に感じつつもなんとか課題に手をつけた。
オープンキャンパスで歩き回って疲れたため、なかなか気力がわかなかったが、必死に頭を働かせて問題を解く。なんとか解き終え、ぐはぁ、と息を吐く。
明日、持っていくのを忘れないよう予め鞄に入れておこうとしたところ、そこには馴染みのない問題集が入っていた。今日もらった大学の入試過去問集だ。
何の気なしに開いて、ぱらぱらと眺めてみる。
ついさきほど苦戦していた問題集がまるで児戯にでも思えるような、見るからに難問がびっしり並んでいる。……もうその雰囲気だけで、気が滅入る。
見ていては気分を害しそうなので、すぐに閉じ、とりあえず引き出しの奥にしまい込んだ。
きっとあれだ、年末の大掃除のときにでも見つけて、雑誌とかと一緒にまとめて捨てることになるのだ。
ベッドに横になり、瞼を閉じる。
視界が閉ざされた中。夢に入るまでのまどろんだ意識の中で、ふと、昔のことが思い出されていた。今日、久しぶりに兄に会ったからだろうか。
幼い頃。僕は、――自分で言うのもなんだが、今以上に、非常に内気で積極性のない人間だった。
今でこそいくらかまともになったと自負しているが、当時は、コミュニケーション能力など絶望的であったのだ。
身近な遊び相手と言えば、兄の和哉を除けば隣人である凛だけ。……彼女とは物心がつく以前からの仲で、唯一、物おじせずに接せられたのだ。
はっきり言って、当時の僕は、凛に想いを寄せていた。
初恋である。
まあ、幼馴染の女の子を好きになるなんてよくある自然なことだろう。
小学校に上がるより少し前、僕と凛が6歳の頃。
二人でテレビを観ていた。
夕方のアニメ枠で女児向けの魔法少女モノのアニメと男児向けのヒーローモノのアニメが続けて放送されていた。『マジカル☆マリーちゃん』と、『忍者ヒーロー・カミカゲマン』というアニメだ。二つは、それぞれ僕ら二人のお気に入りだった。
毎週、それらを二人で一緒に観るのが恒例になっていたのだ。
とある日。
凛と放送時間前からテレビの前に鎮座して例のアニメが始まるのを待ち構えていた。アニメの前番組は、恋愛ドラマの再放送だった。
今か今かと気を逸らせながらそのドラマを観ていたのだが、そこで不意に大々的な告白シーンが流れ出したのだ。
幼いながらも、その行為の意味は十分に理解できる。男性が、女性に対して好意を伝え、交際を申し入れる。
テレビ画面に映し出されたその場面を観て、僕はなにやら妙に触発された。
今思えばなぜそんなことをしたのかと疑問だ。いくら子供でも、思い立ったまますぐにそんなことを言うのは躊躇われるべきであろう。
僕は、画面の向こうの俳優を真似て、隣に座る凛に向かって言ったのだ。
『あの、ぼく、前からりんのこと好きだったんだ。……つ、付き合ってください!』
捻りも何もない拙い告白。
ただ、突発的に口を出たとはいえ、当時の気弱な僕にとってあくまでそれは一大決心の言葉であった。
しかし、幼馴染の返答は残酷だ。
『えー。私、かずくんのほうがいいなあ』
純粋な少女に悪気はない。しかしその言葉は確かに、僕にとって生まれて以来の絶望感を味わわせた。
兄は、影のようにくっついて回る弟と、その唯一の遊び相手である凛とをまとめて面倒を見てくれていたのだ。
凛にとって和哉は、隣に住む面倒見の良い年上のお兄さん。――彼女が兄のことを羨望のまなざしで見ていたことに、気がつくべきだったのだ。
そうすれば僕は、あのような思いをすることもなかったろう。
そうして淡い初恋は心の奥底に沈下し、僕は、優秀で気の良い兄と自分との決定的な格差を思い知ったのだ。
そのうえで悟った。
――夢は見ようとも、追うものではない。
憧れはあくまで憧れだ。そうなろうとする努力など無為。人目に付かず、無気力的でいた方が、よほど健全であるのだと。
……
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「呼ばれなくても飛び出る、ジャジャジャジャーン! どうも、キューピーでございマス」
センチメンタルな追想を刹那に掻き消す、小人の登場だった。
この前、イブやクララや晃の夢に行ったり、自分で子供の頃の夢世界を描いて彼らを招き入れたりしたものだが、それは手芸部の問題を解決するため。
それが終わると、また通常運行の『案内』、――すなわち凛の夢へと連れられるパターンが再開されたのである。
当初、その目的といえば、想い人に告白をし、勝手にOKをさせ、そしてあまつさえキスを迫る――という、不埒で身勝手な夢を見ていた僕を矯正すべし、としたから。
穢れない他人の夢世界へ赴きそれを垣間見ることで己が邪心を是正せよ、というのがこの小人の主張だったのだ。
ならばもう、それは終えられても良いものではないだろうか。
僕は何も、また隙あらば斯様な夢を見てやろう、なんて思ってはいない。
というか始めの夢に宮本を登場させたのだって、別に意識的にやったことじゃない。夢なのだから、コントロールできるわけもない。……いやまあ、以前、意識的に夢の場面を造り出すことには成功したが。
「いィーや、ダメです! 京一サン、アナタが改心したかどうか判断するのはアナタじゃありまセン、ワタシが良いと言うまで、無垢たる夢への『案内』は、続けさせてもらいマスヨ!」
「なんだよそれ……。まさか一生、こんな夢を見させ続けるつもりじゃないだろうな……」
「えェ~? ワタシと一生、夜を添い遂げたいっテ? それってプロポーズ? そんな平然とした顔でさりげなく言ってくるなんて、かましてきますネ!」
「いや何言ってんだよ……」
「まァ、ぶっちゃけワタシは今フリーですけれド? でもねェ京一サン、こんなちっちゃい子に劣情抱くなんて、犯罪デスヨ?」
「違うって」
「ていうか、いけませんヨ、京一サン。もしワタシに想いを抱いても、そんなの一時の気の迷いみたいなモンなんデスからネ。そういうのは、アナタにとって一番大切な人に言ってあげなくちゃ、デス」
「聞けよ」
「おっと、ここで話し込んでいてはいけませんネ、夜は有限なのデスカラ。では、今晩も京一サンを夢世界へ『ご案内』致しマショウ!」
「…………」
まあ、こいつに円滑な会話を求めること自体、間違っている。
僕はもう言葉を返すこともせず、ただ大人しく、もやを推進していく小人の後を追っていった。
その晩もまた、魔法少女の活躍劇を見ることとなる。
いつも通り、平和な日常の中に突如現れる怪物。
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