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第四章
4月30日(火):夢の不調
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【京一】
そこで突如として、暗転した。
「…………あれ?」
次に視界に入って来たのは、いつもの薄紅色のもや。
敵が、魔法少女に向かって攻撃を放とうとしていた。少女の攻撃は効かず、防御魔法らしいバリアでも凌ぎきれない。……そんな、強力な敵。
ついに追い詰められたかと思ったところで、夢が唐突に終了したのだ。
今までこんなことはなかった。主人公がピンチになったところで、次回に続く――みたいなことなのか? 夢にそんなことあるのか
ぱっ、と、もやの中からキューピーが出てきた。
「おいキューピー、なんだ今の。途中で急に終わったけど。……それに、いつもと違ってなんか凛がめちゃくちゃ押されてたし……」
僕が尋ねると、小人は腕を組んでウウム、と唸った。
「これは、夢の不調デスネ」
「夢の不調?」
「いわゆる『悪夢』デスネ」
悪夢……。
子供向けアニメ番組のような世界観だから、悪夢というような様相には感じられなかったが。
しかし、そうか、――あれは凛が幼い頃に抱いた魔法少女への憧れが基となって形成される世界。怪物に対し、敗北を喫することなど起こる筈がないのだ。
起こるはずのない、よからぬ展開になってしまった。
あれは悪夢なのだ。
「もしかしたら現実の凛チャンになにかあったのかもしれないデス。ホラ、イブチャンのときも現実の体調不良が夢でも影響してたデショ。アレと同じようなことデスネ」
「イブのときと?」
思い返してみた。
……以前、イブの夢に入ったとき、伝説のドラゴンを探す冒険だとかで、だだっ広い荒れ地を歩き回った。そのとき、彼女は急に倒れてしまったのだ。
――あの日、イブは現実では風邪を引いて学校を休んでいたのだった。
すぐに目当てのドラゴンを見つけて元気に回復したからよかったものの、何もない荒野で高熱で倒れたのでどうしようかと慌てた。
イブは現実と同じように、夢の中でも熱を出した……・。
現実での体の調子が、夢の中での姿においても影響する――、確かに僕はそれを目撃している。
「夢と現実とは表裏一体、互いに影響し合うものなのデス。現実での不調は夢に影響を及ぼして異変を発生させマスし、その逆もまた然りデスヨ」
さきほどの『マジカル☆リンちゃん』の夢は、不調を来していた。
夢ならば本来理想的な結末を迎えるべきなのに、強大な敵を前にして魔法少女は為すすべがなく、あやうく叩き潰される――というところで強制シャットダウンされたのだ。
夢の不調。
夢と現実は表裏一体で、現実での不調が夢の内容にも影響されるということ。
だから、凛は今、体調を崩しているということか?
つまり、夢の中で魔法少女が敗北を喫した原因は、現実で彼女が不調を来しているから?
そういえば確かに、今朝、寝不足だとは言っていた。……それだけでこんな露骨に夢の内容に影響が出るとも思えないが。
「まァ、一時的なことというのもあり得マス。明日の夢では回復して、いつも通りの夢に戻るかもしれませんシ」
「そうなのか」
相変わらず夢の世界は不思議が多く、僕にはその全容は計り知れない。小人がそう言うのなら、それを信じるほかない。
朝になり、目が覚める。
あの空間から抜け出たのに、僕の胸はいささかもやもやとしていた。
そこで突如として、暗転した。
「…………あれ?」
次に視界に入って来たのは、いつもの薄紅色のもや。
敵が、魔法少女に向かって攻撃を放とうとしていた。少女の攻撃は効かず、防御魔法らしいバリアでも凌ぎきれない。……そんな、強力な敵。
ついに追い詰められたかと思ったところで、夢が唐突に終了したのだ。
今までこんなことはなかった。主人公がピンチになったところで、次回に続く――みたいなことなのか? 夢にそんなことあるのか
ぱっ、と、もやの中からキューピーが出てきた。
「おいキューピー、なんだ今の。途中で急に終わったけど。……それに、いつもと違ってなんか凛がめちゃくちゃ押されてたし……」
僕が尋ねると、小人は腕を組んでウウム、と唸った。
「これは、夢の不調デスネ」
「夢の不調?」
「いわゆる『悪夢』デスネ」
悪夢……。
子供向けアニメ番組のような世界観だから、悪夢というような様相には感じられなかったが。
しかし、そうか、――あれは凛が幼い頃に抱いた魔法少女への憧れが基となって形成される世界。怪物に対し、敗北を喫することなど起こる筈がないのだ。
起こるはずのない、よからぬ展開になってしまった。
あれは悪夢なのだ。
「もしかしたら現実の凛チャンになにかあったのかもしれないデス。ホラ、イブチャンのときも現実の体調不良が夢でも影響してたデショ。アレと同じようなことデスネ」
「イブのときと?」
思い返してみた。
……以前、イブの夢に入ったとき、伝説のドラゴンを探す冒険だとかで、だだっ広い荒れ地を歩き回った。そのとき、彼女は急に倒れてしまったのだ。
――あの日、イブは現実では風邪を引いて学校を休んでいたのだった。
すぐに目当てのドラゴンを見つけて元気に回復したからよかったものの、何もない荒野で高熱で倒れたのでどうしようかと慌てた。
イブは現実と同じように、夢の中でも熱を出した……・。
現実での体の調子が、夢の中での姿においても影響する――、確かに僕はそれを目撃している。
「夢と現実とは表裏一体、互いに影響し合うものなのデス。現実での不調は夢に影響を及ぼして異変を発生させマスし、その逆もまた然りデスヨ」
さきほどの『マジカル☆リンちゃん』の夢は、不調を来していた。
夢ならば本来理想的な結末を迎えるべきなのに、強大な敵を前にして魔法少女は為すすべがなく、あやうく叩き潰される――というところで強制シャットダウンされたのだ。
夢の不調。
夢と現実は表裏一体で、現実での不調が夢の内容にも影響されるということ。
だから、凛は今、体調を崩しているということか?
つまり、夢の中で魔法少女が敗北を喫した原因は、現実で彼女が不調を来しているから?
そういえば確かに、今朝、寝不足だとは言っていた。……それだけでこんな露骨に夢の内容に影響が出るとも思えないが。
「まァ、一時的なことというのもあり得マス。明日の夢では回復して、いつも通りの夢に戻るかもしれませんシ」
「そうなのか」
相変わらず夢の世界は不思議が多く、僕にはその全容は計り知れない。小人がそう言うのなら、それを信じるほかない。
朝になり、目が覚める。
あの空間から抜け出たのに、僕の胸はいささかもやもやとしていた。
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