巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

文字の大きさ
176 / 557
第7章 冒険の始まりかもしれない。

7-29 ここの大ボスは、やはり馬鹿だった・・・?

しおりを挟む



 なので今回は、リンカちゃんと俺を除いた全員で、と思ったけどそれじゃ弱いものいじめになりそうなので、今回はクジ引きで戦闘を行なう為の人員をみんなで決めていた。



 最終的にクジ引きでを行い、今回の戦闘は最終的に6人でやる事になった。

 その戦闘を行う子達とは、前衛にユアちゃんとアリアの2人と中衛にはロンが、そして後衛にメグミさんとシルフィーさん、それとメイリーの3人で戦う事となった。
「いいな、私も戦いたかったなぁ・・・」
 なに言ってんだこの子は、先程まで笑い転げて戦闘できる状態じゃなかっただろうし、それに真顔で喋ってるけど、まだ必死で笑いを堪えてるくせに。

「ああ~あっ、俺も戦いたかったなぁ、色々試したかったのに・・・」
 ユータもこの頃、誰に感化されたのか戦闘狂バトルジャンキーみたいな事を口にする様になってきて、今にも飛び出して行きそうになっていて、ウズウズしてもいる。

 後は大人しく後方で観戦する様なので、気にしない事にする。 いや気にしたら負けな様な気がする。
「しかっし、あいつやっぱり馬鹿なのか? さっきからこちらの事を気にせず何か・・・・・? てっ、なにしてんだ」
 ユウマはみんなが戦闘の準備をしている間に、先程の緑小鬼神ゴブリンシンの様子を見てみると、何故か岩の上に登り、頂上にあった水晶のスイッチを一生懸命操作と言うより押している。しかも泣きながら一心不乱にであった。
『おいおい、《ポチ、ポチ》何でだよ。グス、お前達これを押したら出てくる筈だろう・・・《コン、コン、ポチッ》。グス、ボクが悪かったから、出てきてくれよ《ゴンッ》。こいつら倒して連れて行かないと俺がヤバイんだよ。グス・・・《ゲシゲシ、ドンドン》・・・』
 なんかブツブツ言っるけど、今言っていた言葉の中で〈連れて行かない〉と言う単語が出たぞ?どういうことだ。

「まっ、まさかな・・・。でも、なんか嫌な予感がしてきた。確かあの時のあいつらの言葉の中で似たような言葉を・・・」
「うん?どうしたの、先輩」
「うん、ちょっと・・・・」

 確か前も似たような事を言っていた奴等が・・・!? あっ、そう言えば以前戦った、魔人族の奴らがミーアに向けて言っていたが・・・、でもあの施設は壊したはずだし・・・・? そう言えばあの時に施設で捕まってた人が、何人かはどこかに連れて行かれたって話してたけど・・・。でも、まあ今考えても仕方無いか、ちょっとあそこにいるアホに聞いてみようかな。

 そう思い大人しく観戦するつもりだったが、戦闘の準備をし終えた6人より先に、今なお必死に泣きながら水晶を操作し続けている緑小鬼神ゴブリンシンの前に向かった。

「えっ、先輩!なに?えっ、えええっ、あれだけ自分は戦闘に参加しないって言ったのに・・・そんなのないよ」
『えっ、いや何言ってんのリンカちゃん別に戦いに行く訳じゃないから』
「えっ、あれ、ああっ、念話か・・・」

『そうなの?なんだ、そうなんだ。《シュン》ざんねん・・・』
 おいおい、もしかして俺が戦闘に参加したら、ドサクサに紛れて参加するつもりだったんじゃないだろうな、という風に思っていた。

 そんな内容を念話で話した後、緑小鬼神ゴブリンシンの前に瞬時で移動した。
 そして、そいつの前に立ちある事を聞くことにした。
「おいっ、おまえ、えっと緑小鬼神ゴブリンシンとか言ったけか?」

 不意に現れた俺の声を慌てるでもなく、涙と鼻水をたらしながら見上げ威嚇しながら喋ってきた。
『あぁぁん、ズズッ、なんだよ、おまえ。《グシグシ》なれなれしいな。今っ、ボクは、急がしいんだよっ。これが動作しないからなぁ? あまり使わないから・・グスッ・・・それに、おまえなんなんだ、うるさいぞっ』
 なんだこいつ、まだ一生懸命、泣きながら水晶のスイッチを押してるぞ。 ・・・いい加減気が付けよ。動作させた後だって事を解ってないようだ。

「ちょっと聞きたいんだけどさぁ、連れて行かないとヤバイってどういう事だ。教えてくれたらそれが動作しない理由を教えてやるぞ」
 その様に緑小鬼神ゴブリンシンに声をかけると、何故か笑顔で聞き返してきた。
『ホントか!おまえっ。・・・おまえいい奴だな、ああ捕まえた奴らは魔人族様であるマシュリ様とフレッド様に届けてるんだ。まあ、おまえ達もそこに連れてくけどな喜べよ。それにお前は気に入ったから、ここで俺の手下にしてやるよ。さあ、教えろ!何でこれが動作しないのかを、さあっ、はやく、はやく』

「はぁっ」溜息を吐いて、まさか、また魔人族がらみかと呆れてしまった。
「でさ、その連れて行った奴らは何処にやったんだ」
『なんだよ、いいからはやくこれの事を教えろよ・・・。まあ、いいや、そいつらはな、もう魔人族領に連れて行かれたよ。さあ、はやく教えてくれよなっ』
 やっぱり、こいつアホだ・・・ついでに、ここまで馬鹿とは思わなかった。 しかも何故かもう勝った気でいるし俺達の強さと状況を理解しなさすぎだ。
「ああ、約束だったな教えてやるよ。その装置な、もう動作しておまえの部下かは知らないけど、もうみんなで倒したよ。それにおまえの手下には、なる気は無いからあしからずっ」
『なっ、なに、きっ、きさま。そんな事出来るはず・・・!?』
 何故か信じなていない緑小鬼神ゴブリンシンは、周囲と言うより四隅の魔性水晶を見て目を見開らいた。
『なっ、何故?魔性水晶が粉々に・・・・。あの核は壊せないはず・・・!?』
 その状態を見て声を出したあと、驚いて腰を抜かしていた。

「おーい、もう話をし終ったからやっちゃっていいよ」
 今まで大人しく様子を見ていた6人の子達の方を見て声をかけ、その場所から【瞬間移動テレポート】のスキルでリンカちゃんの隣に一瞬で戻った。

 するとリンカちゃんが俺に視線を向けて話しかけてきた。
「先輩、もう人間やめてるね。なにそれ瞬間移動?便利だけどずるい・・・」
 ・・・何を言い出すかなこの子は・・・。まあいいか、そう思っていると緑小鬼神ゴブリンシンが声をあげていた。
『おっ、おまえたちはぁ、なんなんだ。特にあいつは、殺してやる。もう生かして連れて行くのは無しだ。特にきさまだぁぁぁぁ。殺してやるからここに来い。これは命令だぁぁぁ』
 すごい形相でこちらに向けて大声で叫んでいた。

「おうおう、あのおバカはすごく怒ってらっしゃいますな。それにありゃ多分何かのスキルかな声で命令させるような能力みたいだね。俺には効かないけどね」
 どうもあのお馬鹿の緑小鬼神ゴブリンシンは、従属させ命令を聞かせる何らかのスキルか、能力があるみたいで、それを行使しているようだが俺にはまったく効いていなかった。

「えっ、どったの先輩。あのおバカ、先輩呼んでるみたいだよ。答えてあげれば・・・」
 リンカちゃんがこちらに顔を向けてそう伝えてきたので、とりあえず緑小鬼神ゴブリンシンのエセ神様に挑発と先程からこちらに向けている厄介な能力を使えない様にするために、馬鹿にしつつ覇気を全開にして脅しをかけた。

「おーい、そこの馬鹿、あっ違った。アホ緑小鬼神ゴブリンシンさまよ。その子達に今の能力を使わず勝てたら、そこに行ってやるから。まあ、無理だろうけどな」
『うっっ、・・?・・きさまぁぁぁ、わかったぁぁぁ、そこでこいつらがぐちゃぐちゃになるのを、見てろ後悔させてやるから、そしてそのあと、きさまを八つ裂きにしてやるぅぅぅっ』
 うわぁ、すごく怒ってらっしゃる。まあ、あんだけ頭に血がのぼったら冷静な判断も出来なくなるだろう。
 それに、俺が全快で覇気をぶつけたのになにが起こったか解らないでいやがる。

「ねえ、先輩あんまり怒らしたら可哀想だよ。ほら・・・もう、この時点で頭がダメージを受けて血が噴出してるから」
 あの、エセ神様は完全にアホでしかないと思う。なにせもう頭に血がのぼり過ぎて頭から血を噴出しながら戦闘をしようとしてる。それうえ既に混乱状態で能力が半減している。
「やっぱり、アホだな」
「うん、アホだね」
 俺とリンカちゃんがそう声に出して喋っていると、ここにいた他の子達もウンウンと、頷いていたのであった。



 そして、やっと6人の子達とアホなエセ神様緑小鬼神ゴブリンシンとの戦闘が開始されたのであった。


しおりを挟む
感想 798

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

ありふれた聖女のざまぁ

雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。 異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが… 「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」 「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」 ※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

心が折れた日に神の声を聞く

木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。 どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。 何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。 絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。 没ネタ供養、第二弾の短編です。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

処理中です...