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第11章 開拓と聖霊の森創り?

11-14 森からの洗礼?

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 これでとりあえずは、現状の鬼人とエルフ達に起こっている事に関しては解った。



 ただここでの問題は、こいつら・・・擬態をしている奴等がひと目で見た感じでは、すぐには魔獣モンスターだという事が全く解らないと言う事だ。まあ、現状止めを刺せば妙な蒸気に包まれ元のオーガとデミゴッドゴブリンの姿に戻る。
 それにこいつ等の魔石さえ如何にか抜き取るか破壊すれば消滅するが、それでは偽装が暴けないので間違える可能性もある。そもそもどこの部位に魔石があるかは解り辛く、どちらかと言うと偽装を暴く方が簡単なような気がする。

 まあ、全部倒していいなら・・・それが一番簡単なんだが、事情を知ってはそれは既に無理だ!
「う~ん、これはちょっと厄介ではないかい?この現象というより、状態は俺しか見分けが付かないからな・・・せめて正体が暴けるようなアイテムが・・・・!?あっ、あれが使えるんじゃないかな?確か・・・(ごそごそっ)う~んとっ、おっ!あった、あった!」
 ユウマが思い出したのは、以前・・・創造魔法で創ったアイテムの事を思い出しアイテムボックスの中から道具袋を取り出し、その袋を探りアイテム【魔導心眼鏡マジックグラス】取り出した。

 ちなみにその【魔導心眼鏡マジックグラス】は、元々サングラスの変わりに創ったゴーグルだが、機能としては・・・はっきり言ってとんでもない品物である。
 まずは熱感知はもちろん暗視機能があるのは当たり前だが、このゴーグルのすごいのは透視機能があるところだ少し厚い壁も透視できるが、実は後で解った事なのであるが薄い布製品等は透視できないのあった。それは恐らく悪用させないように女神様の誰かがそうしたのだろうと思うことにしている。
 それに実はこの【魔導心眼鏡マジックグラス】のゴーグルは鑑定機能や偽装打破の機能もあり、偽装だけじゃなく隠密などの認識阻害も無効化できるので、かなりすごい道具だ。
 まあ、俺自身には必要ない品物ではあるが、それが今回も役にたちそうである。

 まずはそのゴーグルを掛けて魔力を流し、鬼人とエルフに擬態している2体を確認すると・・・ばっちりオーガとデミゴッドゴブリンの姿がゴーグル越しに映し出される。これで正体が魔獣モンスターである事が見破れる。
 まあ、先程説明したように、俺は元々解った状態だからなんとでも言えるが、恐らく他の人がこの【魔導心眼鏡マジックグラス】のゴーグルをかければ偽装を見破ることが出来るのは間違いないと思う。
「よし、これなら判別できると思うし、説明もしやすい、これで行こう。そうと決まればモンスターの方は念の為拘束してから檻に入れて、昏睡状態の5人は極力安静に・・・よし、一旦荷馬車の荷台を出して、そこに寝かせて移動しよう・・・」

 アイテムボックスより少し大きめの荷馬車の荷台を出した。まあ、馬はいないのでホントにただの荷を乗せるだけの台車なのだが今回はそれで問題ない。それと生きたまま獣等を運搬できるような檻付き台車も取り出し、そちらには鬼人とエルフに擬態している魔獣モンスターを拘束して入れておく。
 ちなみにこの檻付き台車は獲物を生きたまま運ぶ為のモノで、時たまそういう依頼もあるので念の為、俺は持っていたのだ。
 しかも俺が持っていた檻付きの台車は、ミスリル製で物凄く頑丈に出来ている檻で、もちろん台車より取り外し可能で運搬もしやすいのだ。

 それで黙々と荷台車の上に鬼人とエルフ達を寝かせた状態で載せていった。まあ、5人いるがそこは問題ない。余裕を持って大きいタイプの荷台車を出しているので、あと5、6人は余裕で乗せられるが・・・そうするともう少し詰めて載せないといけないが、今のところは余裕で乗せられるので問題はない。

 最後に檻の中に鬼人とエルフに擬態したオーガとデミゴッドゴブリンを投げ入れ作業を済ませた。
「さてとっ、これぐらいでいいかな。・・・ん?もう1つの部隊は・・・あれ、反対側に行ったわりには、予想よりかなり進んでるな。それに、あれ?その位置から動いてない?・・・てっ!?おいおい、擬態したオーガどもはどうでもいいが、操られてる鬼人とエルフは助けないと!」

 先程反対側に進んで行ったもう1つの部隊が、予想していた距離より進んでいるのだが、その場から動かなくなっていると思ったら、どうやらこの暗黒の森に住む獣か植物系の魔獣モンスター達と戦闘を行なっているようなのだ。
 確かにこの森の今戦闘が行なっている区画に住む獣とか植物系の魔獣モンスターが相手では、流石のオーガやデミゴッドゴブリン達では敵わないだろうし、威嚇とか特別な力は通用しないだろう。何せこの森にいる獣達の殆どがオーガより格上であり、植物系の魔獣モンスターに関しては、殆ど気配らしいものがないうえに、所々から姿が現われるので、結構油断ならず危険な生物である。

 それに植物系の魔獣モンスターには敵意を向けたり、攻撃を加えると間違いなく襲ってくるので、威嚇とかは逆効果でそれこそ襲ってくる要因となる。どちらかと言うと相手にしない方が襲われないし、ついでに言うと大型の獣に対しても同じような結果となるのだ。
 なのでここはあえて威嚇でなく、覇気や殺気を放出して力を見せ付けるか、自身の気配を消して無視するほうが正解なのである。 ・・・まあ、実際そいつらより強い場合は、何もしないでもそいつらは直感的に近付いて来ない。

 実際この森の中で一番の脅威なのは魔獣モンスターよりも、実際まだなんなのか解らないスライム種と普通の獣達の方で数が異様に多いのである。後はどうにでもなるのだが・・・まあ、恐らく奴等はそんな事を知らないし、恐らく目の前にその生き物が現われたので、あえて手を出し襲ったのだろうと思う。
「あいつらはこの森の生物の生態系と処置方法を知らないのだろうな。それに無闇やたらに攻撃をしかけたんだろう。まあ、俺も初めて来た時に似たような事をしたけど・・・」

 確かに森の入口から少し奥に進まないと強い生き物はいない。ただその場所に入った途端に、普段見る事のない生物ばかりが出現するのではあるが・・・しかし、いつの間にかもう1つの部隊は、その獣と植物系の魔獣モンスターのいる区域に足を踏み入れたようなのだ。
 実際にこの森には区域事に出現する生き物の種類と強さが違う。森の入口付近は基本的に驚異的に強い生き物はいないが、極稀にかなり強い魔獣モンスターや獣が徘徊する事があるが、それはホントにレアなケースである。
 それでその区画を過ぎると、極端に強い獣系と植物系の魔獣モンスターが出現してくる。その次の区画には何故か今度は極端に弱い生物になるが、かなりの数がいる場所になるのだ。
 その区画が数種類あり中心に向って順を存在しているようなのだが、中心部には特に不思議な生物が多い感じである。その一つがスライムであり、今だシロスラに関しては特によく解らない感じである。

 まあ、そのこの森に生息している生き物に関しては追々調べていくが、今戦闘を行なっている部隊がいるところの生き物に関しては良く理解している。
「しかし、あいつらよくあそこまでいけたよな?・・・まあ、いいや!とりあえずここは念の為結界はそのままの状態にして、戦闘のドサクサに紛れて操られる感じの人達だけでも救出しとこうかな」



 もう1つの鬼人?達の部隊の場所へそんな事を思いながら近付くと、その戦闘が行なわれている場所では不思議な光景が見られたのである。


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