巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

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第11章 開拓と聖霊の森創り?

11-20 地下への侵入作業?

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 若干呆れながらこのまま行ったら何事も無く、地下に捕らえられた人達を救出できるだろうと思って宮殿の中へと歩みを進めて行った。



 だが、やはりそうは上手くいかなかった。地下へと向う為の通路がないうえに、そこへ降りる為の階段も装置も見当たらないのである。
「ん?どう言う事なんだ?地下に行く階段というより、通路自体がない。あれ?シャナ姫達の話じゃ宮殿の奥には地下へ降りる為の通路が通じるって言ってたよな?・・・でも、地下に行く通路どころか階段すらないし、話しにあった部屋自体がない・・・」

 先程から宮殿内を行ったり来たりしているが、どこにもシャナ姫が説明してくれた地下に下りる通路どころか、階段などの入口がない。それどころかシャナ姫の従者であるマリアさんに貰った宮殿内の見取り図によると、宮殿の入口を直進して、突き当たりの通路を左右どちらに行っても地下へと降りれる通路と階段、それに荷物を下ろす為の穴がある事になっているが・・・その通路や階段どころか突き当たりが見当たらない。
 どうやら突き当たりどころか直進していくと、裏庭に出てしまう。それに左右に分かれた通路自体なく広い部屋があるだけだ。それに他の通路も殆どがつながっていて突き当たりが存在していない。

 俺が貰った見取り図自体が全く役に立たない、どうやら宮殿の内装を全て模様替えしている様なのだ。だが、それにしても地下へ行くルートが無いのは、はっきりいっておかしいし短期間でここまで変えれること自体が不思議だ。

「おっかしいな?確かに地下は【エリア探知】で確認してある事は解るんだけど、入口どころか地下に降りる方法が解んない。これじゃ下にいけないし助け出す事ができないな。それにシャナ姫の言っていた通路も破壊されてたからな・・・さて、どうしよう?というより誰がここまで内装を変えたんだ?」
 事実内装は変わっている事はよく見ると、ところどころ手を加えた部分が解る。それに無理やり壁や柱を入れ替えているので、ちょっとした衝撃で間違いなく崩壊すると思う。

 だからこの宮殿の真ん中に大穴を開ければ地下へは、簡単に行ける筈だがちょっとした振動宮殿の一部が崩壊しそうなのだ。
 流石に昼間からというより、宮殿自体を破壊すると侵入したのがばれるし、せっかく内密に済ませようと考えていたので、極力宮殿内に穴を開けるとかの派手な事はしたくない。

 それで俺なりに考えたのは、地道に地下への穴を掘るという考えに行き着いたのだ。まあ、多少の時間ロスは仕方ないとして、明日の夕方までに今回の目標である幽閉されてる者達を助ければ問題ない。
 幸いとしてこの鬼人達の住む街の地下には、助けようと考えている人物達が揃っているようだし、その他は排除すればいいのでかなり楽ではある。
 ただ問題は、この鬼人の街に来るまでに見つけた無害な鬼人やエルフ達の町や村である。恐らくそちらも今回の討伐対象に入っているだろうから、そちらも如何にかしないと冒険者達が全て討伐しかねないと思われる。

 そんな事を考えながら、穴を掘り進んで愚痴をこぼした。
「ホント!なんか厄介事ばかり、俺に押し付けられてるな。まあ人助けだからいいけど、出来ればシルク様は自分ところの信者にやらせて欲しかったなぁぁ・・・」

 まあこんなとこで愚痴っていてもしょうが無い。とりあえずばれないようにどんどん地下にある空間へと掘り進んで行こう。

 実際に・・・今現在どこを掘り進んでいるかというと、最初は外のどこかに穴を下へ掘り、そこから地下施設まで掘り進めようと考えていた。だが、ちょうど宮殿の庭の端の方に古い井戸がある事に気付き、その井戸を利用しようと考え、そこからシャナ姫が言っていた隠し通路付近まで掘り進めるようにしたのだ。

 まあその古井戸を利用したので、わざわざ下の方へ掘り進まないでいい、それに恐らくこのまま真っ直ぐ横に掘り進んでいくと、直接鬼人達が幽閉されている地下設備がある空洞へと行けるはずだ。
 
 それでその井戸の場所から横へと穴を掘り進めている。その方法は屋敷の地下や湖を作る容量で掘削をしていき、錬金術で周囲の土を硬質化させながら掘り進んでいる。

「しかし、おかしいよな・・・なんで地下への入口を潰したんだろう?もしかしてシャナ姫達が逃げた後にそうしたのかな?でも、そう考えると納得だけど。それじゃぁ・・・」
 確かにシャナ姫達が逃げた後に地下への道を塞いだのなら解るが、地下へと続く通路を全て塞いでしまっている事が良く解らない。第一そんな事したら幽閉している意味がないのでは・・・と実際思うところなのだが、この後何故塞いだかが解った。

 鬼人達が幽閉されている地下施設の空間に穴を繋げた時点で、先程までは地下では感じなかった者達の気配を感じたのだ。
 それは俺が地上で地下への入口を探し回っていた時に、ある部屋で集まっていたはずの邪悪な心を持つ鬼人達の気配であった。

「ん・・・なんで?なんで地上にいた奴等が地下に来れてるんだ?しかも・・・」
 俺が地下施設の天井付近に穴を開け、邪悪な気配がする場所を眺めてみると・・・そこにはホントに鬼人なのかと思うような奴等が5人とその周囲には擬態したオーガを10体程を連れていたのである。

 それでそいつらが、魔法か何かで大声をあげて叫んでいるので、よく聞えたが内容的には最悪だ。
『ぐはははっ、お前らはこの地下施設を造る為の動力だ。エンキ王よ!お前の時代は終ったのだ!ふはははっ』
「!?・・・・!・・・?」
『ふははっ、それでは解るまいフラよ!こいつ等の処遇と今後の予定を説明してやれ』
 ビア樽みたいな鬼人が、ひょろ長い体格の鬼人に向けてなにやら説明するように、踏ん反り返って話し掛けている。

「・・・なんだあいつら、同じ鬼人、同じ種族じゃないのか?まあ、若干2、3人は見た感じモンスターのオークに近いように思える。見た感じはまるっきりビア樽だが・・・しかし、酷いなその醜い姿もだけど体格も・・・」
 現状見る限りでは、あの場にいる5人は性根が完全に腐ってる。それに自分達と同じ種族を足蹴にしている感じだ。

 俺がその状況を詳しく見ている間に、まだ話は続いていた。
『解りました。我らが新王ボウ様!ふははは、よく聴けっ!お前らは、これからこの地下施設より地上に向けて巨大な出入り口を作って貰う。そうだな明後日までにだ!その後はこの場より外に出て貰って構わない。自由だ!』
「「「・・・・」」」
 地下の広い空間の中にいる者達は、何故か大いに喜んでいるようだが、その声は『おおっ!』とか『ふざけるな』とかの声が聞えてくるだけだった。

『ふはははっ、我が新王国には貴様たちは、無用な人材だ!同族のよしみだ。穴を完成さえすれば命だけは助けてやる。後は自由にすればよい。ふぅはっはっ・・・」
 しかし、そのビア樽の声を聞く者はおらず、しきりに文句を言い放っている。それは一種の怒気をかもしだしている雰囲気であった。



 そんな事は今のところどうでもいいのだが、明後日といえば冒険者がこの鬼人の街にやってくるぐらいだ。それにその時地上に出ると・・・討伐される事になってしまう。


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