巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

文字の大きさ
449 / 557
第11章 開拓と聖霊の森創り?

11-51 温泉のお湯を造る?

しおりを挟む



 ついでに言うとフレイも間接的にではあるが、俺と契約した聖霊である事をすっかり忘れていたのだった。



 それで俺に呼ばれたフレイとファルが、最近は隠していた聖霊の羽を出し飛んでこちらにやってきた。
「ふぇっ?どうしたのユウマ!何か用事なのかな?」
「マスターなになに?いきなり呼んじゃって、なにか用事でもあるの?」
 2人は俺に呼ばれたので、なんだろうと不思議がって近付いてきた。以前魔人族と戦闘を行い大聖霊へなってからは、俺達と同じ人族の姿でいるので殆ど違和感がないが、流石に羽を出して飛んでくると人族では無いと解ってしまう。

 そういえばエリーゼには、フレイ達の事をちゃんと説明した事がなかった事を思い出したので、詳しくフレイ達の事情を紹介する事にした。
「えっとな、エリーゼ!詳しい紹介が遅れたが、こちらにいるは元火属性の妖精で、ただいま絶賛火属性の大聖霊であるフレイと、怪しいけど元虹の妖精で七属性を操る大聖霊のファルだ!以後よろしく」
「改めてよろしくぅ、エリーゼ!そういえば詳しく説明してなかったね」
「あっ、そういえばそうだね。この姿の状態になったからは、最近はそこまで詳しく自己紹介いてないよね。みんなそんなに驚かなくなってたから・・・」
 俺が聖霊であるフレイとファルの紹介をすると、エリーゼはポカンと可愛い口を開けたまま、どうやら思考が停止してしまったようだ。
 こちらの言葉には、いっさい反応が無くなってしまった。どうやら今迄気楽に話していた存在が、まさかの聖霊であり、しかも大聖霊だったのが驚きだったようだ。

 その間にファルが俺に突っ込みを入れてきた。
「ところで・・・何!マスターひどいよ。怪しいって何!私、怪しくないよ!ちゃんと七属性使えるし、普通より力は強いけど、怪しいはひどいよ!」
「いや、怪しいって言うのは言葉のあやだ。てっ言うより虹の妖精っていないって言ってたよな。あながち間違ってないだろ。それに俺はお前の事をよく解ってるってからいいだろ!・・・あっ、そっか俺はファルと契約してたんだよな。すっかり忘れてた」
「何を今更な事を言ってるの。ユウマは!ちなみに私とも間接的に契約してるから私の力も使えるはずだよ」
 あっ、そうだった。それすらもすっかり忘れてた。そういえばフレイはシルフィーの契約聖霊ではあるが、俺とも契約してるから、火属性の聖霊の契約者は俺でもよく考えれば、いいんじゃ無いか・・・てことはアリアでもいいって事か?ファルは俺以外でアリアとも契約してた筈だ。ホントにうっかり忘れてた。まあいいや・・・。

 現時点では火に関する属性を使えるフレイと自然界にある七属性の全てが使えるファル、それに光に関する属性と重力に関する属性が使える月姫と水に関する属性と風に関する属性が使える雪姫が俺と契約関係にある事をすっかり忘れていた。

 流石に俺が契約者である事自体を忘れていたが、その事の関してはみんなには内緒にしておこう。それよりも、ただいま思考停止中のエリーゼを正気に戻し、先程考えた事を説明する事にした。
「おーい、エリーゼ!いい加減戻ってこーい!気絶したままでいると悪戯するぞー!」
 焦点が合ってないエリーゼの目の前で、手を振りその豊満な胸に触る真似をしていると、少し背中に悪寒を感じたので真似だけにした。元々から触る気等はなかったが、何となく誰かにというより、フレイとファルに睨まれていたのでそんな事はしない。

 そんな事をしていると、エリーゼが我に返ったので、先程の事が実現できるかを話し合う事にした。
「はっ!すっ、すいませんユウマ様。少し驚いてしまって、まさかフレイちゃ・・・いえフレイ様とファルちゃ・・・さっ、様が大聖霊様だったなんて・・・」
「エリーゼェ、今迄どおりの呼び方でいいよ。それだと私達が困るよ。様なんて大げさだし・・・」
「うんうん、そうだよ。だいいち私達は気にしないよ。それに月と雪も同じだよ」

 ・・・そろそろ本題に入りたいけど、3人で名前の呼び方を、ああでないだとかこうでないとか一々どうでもいい事を言い争っていたので早々に辞めさせた。それで結局は今迄どおりに呼ぶ様に決め手先程の話の続きをした。
「・・・で、それでいいかなエリーゼ!」
「はい、それで問題ないです。なら、早速シャナを呼んできますね!」

「・・・う~ん!ちょっと待てエリーゼ。シャナはまだユアと一緒にあれこれ錬金術を駆使してるから俺がするよ。土属性はファルが使えるし・・・」
 それでシャナをこの場に呼ぼうとしたエリーゼを静止させて、ファルが土属性の使用できるので俺が行なう事にした。第一俺でも問題ないのでそうする事にした。

 それで結果的に、俺、エリーゼ、フレイ、ファルの4人と今回の件をお願いしてきた月姫と雪姫の計6人でこっそり温泉用のお湯を作り出す作業を行なう事になった。

 だがしかし、俺の考えは甘かった事に後悔したのである。それは確かに土属性をファルが使える事は確かなのだ。だが、今迄は殆ど掘削や盛上げ、ゴーレム等の製作をするだけで、地中の探索等は行なった事がない。
 というよりそれは殆ど空間把握と探索魔法が出来るのなら簡単なのだが、問題はその地質を分析から加工まで遠隔で行わなければならない。その作業は途方もなく精神を要する作業になる。

 それで現在俺は・・・汗だくになりながら地中深くに意識を向けている。俺は全神経をファルを介して土の性質を確認しつつ、俺が考えている事が出来る場所を俺達のいる場所の下へ下へと確認しているが、流石に初めての作業の為手探り状態だ。
「ユウマ様!やっぱりシャナだけでもこの事を教えて手伝って貰った方がよろしくないですか?」

「いや、大丈夫!もうちょっと頑張れる・・・」
 一応強がってはみたが、確かにちょっとばかりキツイ!まさか地中深くにある水脈を、傷つけない様に土に変換した意識を糸を針の穴に通す感じで、行使して詳しく調べないといけない。それで俺は聖霊であるファルの力と自身の持つスキルである【神の眼】を行使して地中深くの安全な場所を探している。

 ファルも相当きつい様だが、俺ほどではないようだ。ただ魔力がどんどん減っている事は解る。何故なら俺の魔力をどんどん吸い上げているからだ。
「ファル!もうちょっと加減が出来ると嬉しいのだが・・・流石にこの調子のままじゃ、魔力が尽きるかも知れない・・・」
「えっ、でも、私がマスターの魔力を使わなかったら、それ以上の魔力が必要になるかもだよ?」
 はっ、なんですと!今以上に魔力を消費すると流石にヤバイ、ならやはりこのままで行こう。

 なんやかんやで俺の魔力が尽きる前に、地中深くの安全な空間を見つけた。ただしその後でエリーゼにとんでも無い事を教えて貰ったら、どうもそこまでしなくてもよかったらしい。
「ユウマ様・・・これはちょっと張り切りすぎと言いますか、何故そこまで深くの空洞を見つけなくとも安全な部分に空洞を造り強化すれば問題なかったのでは・・・」
 ・・・あっ、なるほどな。なまじ安全を考えて強固な空洞を見つけようと必死だっただが、そこまでしないでよかったようだ。
 何故なら地中探索の専門である土属性の妖精なら、その場所を直ぐに見つける事が出来るうえ、に強化もお手の物だそうだ。



 やはり最初から専門の妖精と契約しているシャナに頼めば良かったと、その話を聞いた時に後悔したのだった。


しおりを挟む
感想 798

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

ありふれた聖女のざまぁ

雨野千潤
ファンタジー
突然勇者パーティを追い出された聖女アイリス。 異世界から送られた特別な愛し子聖女の方がふさわしいとのことですが… 「…あの、もう魔王は討伐し終わったんですが」 「何を言う。王都に帰還して陛下に報告するまでが魔王討伐だ」 ※設定はゆるめです。細かいことは気にしないでください。

「俺が勇者一行に?嫌です」

東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。 物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。 は?無理

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

処理中です...