巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

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第13章 新たなる冒険の始まり?・・・そして。

13-10 その場所にいた者はいったい?

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 それにもし素直に姿をさらしても、今俺が感じてる印象ではあまりいい感じがしないので、もう少し姿を隠した状態で様子を見る事にした。



 そんな事を考えて進んで行くと、木で出来たボロボロな柵の様なモノに囲われた場所が見えてきたのだ。恐らくは何らかの集落か村だと言う事は解るが・・・。それにしてもひどい状態の柵であった。
「・・・あれって柵?だとは思うけど・・・それにしては物凄い単純な造りだよな?ボロボロだし、なんだか頭の悪い人間が造った様な感じだな?何の為の柵なのかが良く解らん」

 まあ、ひと目で見た感じ柵とは程遠い感じの物ではあるが、恐らく手際の解らない人物が造ったらこんな感じになるだろう造りであった。とにかくメチャクチャに木を組んでいると言うより、並べてる感じである。

 まあ、単純に説明するとある程度太い丸太を等間隔に立て、倒れないように蔓で縛った感じである。もちろん丸太は、何故か地面に刺さっている形跡もなく置いているだけの感じなのだ。
 どうやって立てたのかが不思議な感じの大きさの丸太なのだが決して安定している訳ではない。しかし、一応は周囲に石を盛って倒れない様にしているみたいだが、絶対にちょっとした力を加えたら全てが倒れ崩壊してしまう代物だ。

 絶対に安全な造りとはいえないし、何の為の柵なのかが良く解らない感じである。
「結局あれは何の役に立つんだ?さっき森にいたでっかい虫に突っ込まれたら・・・完全にいちころなんじゃ?それに中の様子がまる解りなんだけど?隙間だらけだし・・・」

 俺自身少し離れた位置に隠れてから目視で確認しているが、パッと見、強度も何も無い感じの柵ではあるので、もしかしたらとんでもない罠が仕掛けられているかもしれないので、要注意するのに越した事はない。
「なるほど、あれはきっと囮かなんかで、実は落とし穴とか考えも付かないような、罠があるのでは・・・」

 もしかしたら貧弱に見えて物凄い強度があるとか、触れたら爆発が起きる仕掛けがあるかもしれないと考えていたのだ。

 ただやはり最初の印象では、あまりにも貧弱すぎる柵だし、ここに来るまでに見かけたデッカイ虫のようなモノが敵意を持って突っ込んでくればイチコロのような感じも拭い去れない感じの柵だった。
 それに俺がここに来るまで多種多様な虫や獣類が、ウロウロしていたのに・・・現状この集落の周りには近付いて来ていない事が解るのであった。

「でも、中の様子は丸解りなんだよな・・・・」
 どう考えても柵の隙間は広く集落の中の様子が丸解りの感じだ。ただその柵が見える付近まで来て、現状いろいろと解った事があるのだ。
 それは俺が人と思っていた感じの気配と気の持ち主達は、どうやら完全に人ではない様な感じだ。パッと見どちらかと言うと、アーストリアにいた緑小鬼ゴブリンに近い感じの生物だ。
 肌の色は緑色だし、この離れた位置から聞えてくる言葉が全く理解できない。だがどう見ても緑小鬼ゴブリンとは外観が違い角らしきモノが見当たらない。
 しかも個体の大きさも、子供のような小さいサイズではなく、普通の人の大人の大きさと変わらないサイズの者がパッと見、10人以上確認できるのだ。

「あれって、ゴブリンというよりボブゴブリンか?でも、よく見たらボブゴブリンって訳でもないよな?もしかして新種か進化したゴブリンで緑色の肌色の人種なのか?まあ、とりあえずは人なのかなどうかも怪しいな・・・」
 なので緑小鬼ゴブリンタイプなのだろうかは今のところ不明だが、完全に別のモノである事が判明できるのだ。それに人という訳でもない感じだが・・・どうして俺は人に似た感じの気を持ってると思ったのだろうか、不明である。

 ただどう考えても人というより、違う人種のような感じだ。
「なんなんだ。あいつらは?やっぱりゴブリンや人じゃないよな?魔人族って訳でもないと思うけど?でも、ここまで来たらなんとなく近い感じが・・・」

 そう俺の知っている魔人族にも、肌の色が緑の奴はいなかった事は覚えている。どちらかと言うと魔人族は完全に人族よりだし、他の人種でも緑色の肌色は緑小鬼ゴブリンしか思い当たらない。後近い感じで言えば魔族がそれに近い感じだそうだが、確か俺の知ってる魔族の肌色は・・・。



 ただ実際に俺自身が会った事がある魔族の肌色は、緑色と言うより灰色か褐色の肌色の感じだったはずで、そいつらはちゃんと世間に溶け込んで平和に暮らしていた。


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