巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛

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第6章 王都シルフォードに到着、城で何かあるかもしれない。

6-11 施設内、調査中に不思議に思い・・・?

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 《メルビスの匙》と《銀翼の翼》は、それぞれ村人から仕入れた情報と冒険者ギルドで聞いていたとうり、魔人族が根城にしていた施設を探す為に行動を開始していたのである。



 この場所での調査は、二箇所ある施設が対象となっていたので、《メルビスの匙》は奥側の施設の調査を行なう様にした。
 そして、残った方の手前の施設は《銀翼の翼》であるメグミ達で調査する様にしたのであった。
 ただ手前の施設は村人が捕らわれていた場所なので、殆ど何も無かったと説明してくれた。なので施設的調査するのは、殆ど無いと思っていた。

 まずメグミ達は調査開始して直ぐに、この施設内での雰囲気と環境に違和感を感じていた。

 それはここの施設に来るまでもそうであったが、この付近で生息しているはずの魔獣モンスターがまったくいなかったのと、獣は生息しているのだけど穏やかな性格で、こちらを襲ってくるような事が無かった。

 それに周辺には、邪気で魔素が汚れてる感じがまったく無く、どちらかと言うと魔素事態が殆ど無い様に感じていた。
 そうこの付近全体が穏やかと言うより、澄んだ空気と聖なる気で満ち溢れていたのだった。

「ねえ、リンちゃん。ホントにここでとんでもない実験をしていて、新種の魔獣モンスターがいたのかな?」
「うーん? 確かに村の人の話ではそう言っていたけど、殆ど何もないよね。それに邪悪な気も魔素も感じないし。どっちかって言うとさっきの村みたい。それに、この辺りの気は優しい感じがするよね」
 メグミとリンカがこの辺りの雰囲気が穏やかすぎるのが、逆に不思議に思って話していると。

「うっへぇ、なんかおどおどしい場所を想像していたけど。全然そんな感じしなよね。周りは建物以外には、何にも残ってないし、何もいないよぉ?」

「それに、ここはなんだかユウ兄様に再会した時に感じた気に似ていますね」
「そう、そう、なにか穏やかで優しい気を感じに似てるよね」
「どう言う事? そう言われれば確かに似てる様な? でもここにはユウ兄いないし。なんで?」
 確かに村人が説明してくれた通り何も残ってなく、実験の手がかりも何も無かった。ただその代わりこの辺りで感じる気には、ユウマから感じた気に似ている様な気がしていた。

 その事が特に不思議に思っていた、ユイカとミナとユアの3人が話していると、メグミとリンカが「ああっ!」と、声を出し先程村で村長達から聞いた話を思い出していた。

「でも、そんなはずないよね。・・・あそこからここまでかなりの距離があるし、時間帯にしても同じぐらいだから・・・」
「でも、これ落としたの、確かにあの時だよ。ユウ兄に飛びかかった時まで・・・・あれ?」
 ミナが首をかしげて何かを思い出した様に考えだした。

「どうしたのミナちゃん。先輩に飛びかかった時にどうかしたの?」
「うーん、えっと、よく思い出してみたらユウ兄をボコッた時まで、これ持ってたのを思い出した」
 先程村で戻ってきた御守りアミュレットを出して、そのチェーン付きの御守りアミュレットを見せた。

「でも、それをなくしたのはその後かどうか思いでせないのでしょう。確かフィリア様のところに無かったし。もしかしたらユウマさんと別れた後かも知れないのでしょう」
 メグミが再度ミナに確認を取って尋ねた。

「実は、あの時この御守りアミュレットを手に握った状態でボコッてたの、そして最後にドサクサにまぎれてユウ兄に、・・・・抱きついたの思い出したの、その後なおした記憶が無いのを思い出したの」
 みんなが衝撃の事実を聞きミナの方に視線を向けた。

「ユウ兄様に、抱きついたって、それは聞き捨てなりませんねー。ミぃナぁちぁゃん」
 ユイカが突然ミナに向けて冷たい視線を向けつつ声のトーンを落としてミナに近づいていた。その状況にユアがこれはやばいと思いミナの変わりにユイカに言い訳をしてなだめていると、その行動を見ていたリンカが、ユイカの目が洒落にならないくらいやばいと思ったので、一旦話題を変えてミナの尋ねてみた。

「えっ、それじゃ。ミナちゃんはみんなが先輩をボコッた時って、それを握ってたの?」
「うん、この御守りアミュレットを握ったまま、ユウ兄をボコリました。てへっ」
 ・・・・!?

「「「ええぇぇぇ!」」」
 みんなが驚いて一斉に声をあげた。

「それは無いよ。ひどいよだからあんなに・・・!?あっ」
 リンカがミナに再度堪忍していると、ユアがユイカの説得に失敗したのか、ユイカがミナの前までやってきて尋ねていた。
「それでぇ、なんでぇ抱きついたのですかぁ。確かぁミナちゃんはぁ、私の気持を知ってますよねぇ。約束もしましたよねぇ。抜け駆けしないとぉ言ってましたよねぇ」
 どうも焦点のあってない目をしてミナに言い寄って行った。

「えっ、ユイッち目がやばいんだけど、その行為も協定違反ですか?私何かまずい事やっちゃった?」
 ミナのこの発言にみんなが首を縦に振って肯定していた。

 しかしメグミだけが、状況を理解していなくみんなに声をかけてきた。
「そうなの? 私はてっきり、ミナちゃんがあの時ユウマさんに止めを刺しているのだと思ってましたよ」
 その言葉にみんなが「えええっ、それは無いでしょう」と声をそろえて言った。

 そして、先程ミナが説明しようとしていた事を聞き返す様にユアが話題を戻した。
「それは、そうと何でユウ兄がそこで出てくるの?」

「あっ、まだ私はミナちゃ・・・うぐうぐ」
「はいはぁい、ユイカちゃんはちょっと大人しくしようね」
 リンカがまだミナに詰め寄ろうとしたユイカの口を押さえて黙らせた。

「うっ、うん、あの時村長さん達が同一人物かも知れないと言ってたでしょう。だからここの気の感じが同じな事と私の御守りアミュレットを落とした人が同じなら、どうしてもユウ兄じゃないのかなと思うの。それにこれをもしユウ兄が持ってたか、引っ掛っていたとしたのなら、たぶんユウ兄につながるはずだよ」
「えっ、でもそれは・・・・・確かにそんな感じはするけど」
 みんなそれぞれ考えてやっぱり、でもそれだとなどと色々考えていた。

「ねえ、今度こそ先輩が戻ってきたら問い詰めよう」
 そして全員が「そうしよう」と、相槌を打ってメグミ以外の少女達はみんなが心の中で、『今度こそは、私に振り向いて貰って二度と離さない』と誓っていた。

 そして少女達は、それぞれを見てからうなづいて。
「「「「とりあえず。戻ったら、あの男をまたボコボコにして問い詰めよー、おー」」」」
 などと何故か一致団結してから、また調査を再開していたのだった。

『これじゃ、ユウマさんの身が持たないのでは・・・それに逃げ出すのでは・・・』
 そうみんなが一致団結している時に、メグミがユウマの事を心配していたのだった。



 その頃、シルフォード城の式典会場では、ある程度の行事は順調に進み。このたび公国のために貢献した人達に名誉となる称号と勲章を王様より渡される叙勲式が行なわれているのであった。


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