ミッション・オブ・リターンゲーム

桜華 剛爛

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№1:ゲームスタート?

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 御鏡みかがみ 連夜れんやは、見た事のある部屋で目を覚ました。
 もう一度部屋の中を見渡して、一旦天井を見てから言葉を漏らした。
「こっ、ここは、まさか・・・。夢と同じ・・? 何でこの部屋に・・・?」

 そして自分の腕に目をやると、やはり夢で見た腕輪がはめられている。

 その腕輪にも気が付いたが、ただここは確かに来た事があるみたいだし、俺は2人の少女を脱出ポッドで脱出させて、ミッションを達成したが結局自分は助からず、死んだ夢をみた・・? それともホントの出来事?まあ、それはないか、今生きてるから・・・でも?

 さっきまでの出来事はやはり夢だったのか、でもここは・・・来た事があるような?いや、来たとは違うな、確か連れて来られた?・・・へっ、誘拐されたのか?・・・でもな、まさか時間が戻ったなんて事は無いはずだ。こればっかりは解らない。

 でもここは、確か夢で閉じ込められた見慣れた部屋だよな。でもホントにあれは夢だったのか? それともホントに起こった・・・様な気が・・・・解らん? そう思っていた。

「でも何でだ。俺はあの達・・・?あれ、名前を思い出せない。やっぱり夢だったのか?・・・・」

 確かに連夜れんやは、この部屋には何回も訪れたような気がしていた。でも夢の中だったにしろ現実味があったし実を言うと数回?同じ事が起きているような気がしていた。


 それに夢中の夢?では、この部屋を出て直ぐに死んだ。なぜか死ぬ夢を夢の中で見たのかは全然解らない。

 しかし実はそれは夢では無く実際に起こった事だったのかどうかも、自分では説明も出来ないし解らないので夢だと思う事にしてあまり気にしないようにした。

 それに今は、この見慣れた部屋で目を覚ましているので、まあ夢だろうと思う事にした。

 だが、流石に同じこと・・いや同じ夢が何回も続くと・・・。おかしいとは薄々気が付くが、あれは夢だったと思い込んでしまった。

 でも、もしかしたらホントの出来事かも知れないし予知夢かも知れない。
 それには、この後ここを直ぐに出ると・・・、そこで俺は首を切られて死んでしまうはずだ。なぜならこの事も夢でみて解っている。

 しかし実際には、首を切られることはない。まあ、解っているのにそこに飛び込む馬鹿はいないよな。

 なのでここは一旦夢を信じて、この部屋に少し滞在して様子を伺い、ある音を聞いた後にそっと扉を開ける事にする。
 すると《シュルシュルキィィィン》と音が通りすぎたのを確認して、扉をそっと開けその隙間からある物が見える。夢と同じように鋭利な刃の付いた装置が通り過ぎていった。

「おいおい、やっぱり、でも何でだ?・・・俺は首を切られ死ぬような夢だったが、あれは夢の中の夢だった。でも・・・・。それに同じ様な事が起きることは・・・無いはずだけど、そう思うけど流石にこの光景を見たらおかしい・・・・。それに死ななかったときの記憶もある。どうしてだ?」
 今、扉を少し開けて通りすぎる巨大なノコギリみたいな円盤を確認しながらそう言葉に出し思っていた。

 そうなのである夢だと思っていて、その鋭利な刃のあるノコギリの円盤装置には、俺の首を切り落とされる。その夢をみた記憶もある。なので夢と同じ様に回避する行動をしてその装置をかわして事無きを得ていた。

 ただ夢の記憶では、この装置はそのままにしていると、この後大変な事が起きるはずなので、この装置を解除か破壊をしなくてはならない。と言うような記憶もある。なぜだと思いながらも・・・。

「確かこいつの止め方は、2つほどあったはずだ・・・」
 そのような言葉が何故か出てきた。

 その二つとは、一つ目は今この装置が向かっている方向にある制御室みたいな所で電源を落とし停止させる方法。もう一つ目は、この装置自身を完全と言うよりカメラの部分を破壊してしまうかだ。

 だだ、前者はその装置を追い越さなくては成らない。それに制御室の扉を開ける前にその装置に気が付かれては、こちらを攻撃されて追いかけられる可能性がある。そして、最後には殺されてしまう。

 どうもあの装置には、AI(人口知能)みたいなものであり、動く物を標的にして、そして考えて加速して攻撃してくる。

 最初のやり方は、やはり同じ様なリスクを追うが、あのノコギリの円盤の下は唯一あの装置の死角で弱点になっているらしい。こればっかりはホントかウソかは解らない。しかし先程通り過ぎた時に見たら、記憶のとおり下の部分にカメラのレンズがあった。しかも夢でみたのと同じ固定タイプのカメラのレンズだ。確かに前方しか映していないようなので、その下に潜り込めば後は簡単に破壊できる。と思う。
「でも、何で俺そんな事まで知っているんだ。予知夢かな?・・・。まあいいか」
 何故、その様な事を知っている夢を見たのか考えても仕方がなかった。

 でも確かにあの装置は、ある少女が犠牲になってその装置の弱点と破壊を行なった記憶もある。でも、その後・・・どうなったのかが思い出せない。すごく親しい娘だったような・・・それにとても悲しい事だったような? しかしどう思い出しても肝心なところだけはもやがかかったような感じで思い出せなかった。

「やはり夢なのか? でも、あれを破壊する為の武器は・・・。やはりこの部屋には無いか。うーん、武器らしい物が何もないか? 何処からか調達して来ないと・・・」
 少し考えてある場所に、鉄製のパイプとチェーンが落ちていた事を思い出した。

「そうか、あの場所まで行けば武器になる物がある。それに確か近くの部屋には・・・?うん、あれっ、ホントに あれは夢なのか鮮明に記憶がある。なぜだ?」
 そう声に出して記憶にあるのと同じ行動をすることにする。そしてその場所に向かう為に身を屈めて静かに移動を開始した。

 夢では慌ててこの部屋を出たら、先程の装置に気付かれ追いかけられるはめになっていたが、今は慎重にあの装置の事を警戒しながら行動を開始した。なので装置に気付かれる事も無かった。

 そして、今は夢とは若干違う行動に出たので、この先の記憶と言うよりどうなっているのかは解らないので慎重に進んで行った・・・・。

 広い部屋に着き鉄製のパイプとチェーンを見つける事が出来た。 ただ夢の記憶では鉄製のパイプは1本だったのに、ここには2本ある。それにチェーンは何故か箱に入っていた。
「あれ、何でパイプは2本あるのかな? それにチェーンは箱に入ってたのか、でも何でだ? 確か夢に中ではパイプは一本で、チェーンは外に出て転がっていたはずだ・・・?」
 まあ夢の中の記憶なので深く考えても仕方無いと思い。鉄パイプ2本とチェーンを持って戻る事にした。

 一応、鉄パイプの1本は約1メートルぐらいで、もう1本は半分の10センチぐらいだった。チェーンに関してはおそらく使いかけの短いのと、長いのが入っていた。 おそらく夢の記憶では長い方の鉄パイプと短い方のチェーンだったはずだ。短いと言っても50センチくらいはある。長い方のチェーンは2メートルくらいだ。

 とりあえず長い方のチェーンは持ち運ぶのは不便なので、身体と言うよりもお腹の部分に巻き付けておく若干重いがまあ仕方が無い。

 それらを持って先程の部屋まで、戻る事にした。
 だが、ここで誤算だった部屋に戻る途中で、先程のノコギリつき円盤の装置に見つかり追いかけられるはめになってしまった。
「ちっくしょー。結局、夢と同じ様に逃げるはめになるのか・・・・」
 そう言葉に出して必死に駆け出した。 折角なので持っている武器で攻撃すればいいのだが、確か夢で何かあった後じゃないと、攻撃か破壊が出来なかったはずだと記憶している。 なので今は必死に逃げている。

 しかしちゃんと鉄パイプとチェーンは持ったまま必死で逃げ、走りながらある事を思い出していた。
「そうだ、確かこの先の角を曲がって直ぐの部屋に・・・・」
 夢の中の記憶では、確かこの先の曲がったところの部屋に、少女がいた部屋があった事を思い出した。
 そして、角を曲がって直ぐにその部屋に飛び込んだ。

 扉を開け直ぐに中へ身体をすべり込ませ扉を閉めて、先程の装置が通り過ぎるの息を潜めて待った。
《ギュゥーン、シュルシュルキィィィン・・・・・》
 通り過ぎたのを確認してから、扉を開けてそっと先程の装置の様子を確認しているのと、それと同時に後から声をかけられた。
「だっ、誰ですか?誘拐犯人さんですか?私を誘拐しても何も差し上げられませんよ・・・」
 そうそこには、夢で助けられなかった少女がいた。でも夢の中で名前を聞いたはずなのに思い出せないでいた。
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