ミッション・オブ・リターンゲーム

№8：トラブル発生

　そして、その人は叫びながらいきなり切りかかってきた。
「そっ、その、カバンは俺のもんだ。よこせっ、そして俺のために死にやがれ」

　しかし間一髪その切りかかってきたナイフを避けて、後ろに飛び退いた。
「なっ、なにをするんですか、あっ、危ないじゃないですか？」

「そんな、事はしらねえ。そのカバンは俺が頂く、それにその女もだ犯した後殺してやる。その前にテメェはすぐに殺してやる。そして俺の賞金になりやがれ」
　はぁっ、こいつ、言ってる事が滅茶苦茶だ。カバンを渡したうえに桜花おうかちゃんも渡せと。それに俺の命も奪うときている。あれ、でもこの人ルールのことすべて解ってないんじゃ、それなら教えてやって、この馬鹿げた事をやめてもらおう。

「すいません、カバンはお渡ししますが、彼女と俺の命は勘弁してください。それに今、人を傷つけたら何らかの罰を受ける事になりますよ。それに人殺しをするなんてやめて下さい」

　その男の人は俺の言う事を信じようとせず、笑いながら返事を返してきた。
「はははっ、だれが、そんなこけおどしに乗るか。そんな事言ってすべて自分ものにしようと考えてんだろ。そうは、いかねえぜ」
　だめだ、全然話が通じない、こう言う場合はさっさとこの場を逃げ出した方がいいや。

　そのように考え、どうにかこいつから逃げ出すか考えていた。
　だが、俺の後ろにいた桜花おうかちゃん前に出てきた。
「桜花おうかちゃんあぶない！」

「ううん、ここは私に任せてください。連夜れんやさん」
　桜花おうかちゃんの真剣な目を見たら、流石に駄目だとは言えなくなった。
　それに何か考えがあるみたいなので、大人しく見守ろうと思った矢先にナイフを持った男が桜花おうかちゃんを襲おうとしていた。

　その一瞬の光景を見て俺はつい叫んだ、それと同時に激しい頭痛に襲われた。それでも構わず襲われそうになっていた少女の名を叫んだ。

「桜花おうかぁぁっ！《ザッ、ザザッ、サァーー》うっ、たっ、助けないと・・・！？」
　なんだこの頭痛は、あっ、頭が割れそうだ。でも、早く桜花おうかを、桜花おうかを助けないと・・・。
　すると桜花おうかちゃんは、そんな俺の焦りの心情を知らず、こちら見て微笑み返してきた。

　そして、『ごめんなさい。連夜れんやさん。あなただけでも・・・』そう桜花おうかちゃん言葉にしていたが、ひどい頭痛とノイズのような音が頭に響き目の前が暗くなった。

「・・・ん！・・・れ・・や・・さん、連夜れんやさん！ねえ、どうしたんですか？」
「えっ？・・・こっ、ここは・・！？」

「なにをビビッてやがる。はやく、はやくそのカバンと女をこちらに渡せ」
「はっ、どっ、どういうことだ？」
「きっ、きさまっ、俺をおちょくてやがるのか！さっさとそいつらをよこせって、言ってるだろうが」
「い、いや・・・なんで？」
　どうなってるんだ、さっき桜花おうかちゃんがこいつに刺されて殺されるところを見たはずだ？　あれ、殺されたのか？いや、その前にひどい頭痛で意識を失ったような・・・？

「あああん、お前ふざけるなよ。さっさとよこせ。そして、お前は死ねっ」
　えっ、さっきと違う。でもここは・・・うん、避けよ・・・。　あれ？

「すいません。このカバンはお渡ししますが、彼女と俺の命は勘弁してください。それにあなたは、人を傷つけたら罰を受ける事になりますよ。人を殺すは良くないよ思いますよ、やめて下さい」
「馬鹿が、そんな、こけおどしに乗るか。賞金は俺のものだ。お前はある程度殺して痛めつけて、その女を犯すところ見せてから殺してやる。女共々にな。くっくっくっくっ」

　だめだ、さっきと違うしこいつ狂ってやがる。話が全然通じないこう言う場合は、如何にかして逃げないと、しかし、反撃する事も出来ないからどうしよう。

　しかし、さっき感じた光景はなんだったんだろう？と、そのように考えたが、先程の感じとはどうも・・・いや、あれは予知夢見たいなやつかな、とりあえずこいつから逃げ出す方法を考えよう。そして、桜花おうかちゃんを守って見せる。
そう考えていると、先程見た光景と同じ様に俺の後ろにいた桜花おうかちゃん前に出てきた。
「桜花おうかちゃん！今度は駄目だよ」
「えっ、どう言うことですか？・・・ううん、連夜れんやさん。ここは私に任せてください」
　桜花おうかちゃんの真剣な目でこちらを見ていた。
　するとナイフを持った男が我慢できなくなったのか桜花おうかちゃんにナイフを突き立てて襲いかけようとしていた。
　今度はすかさず、俺は桜花おうかちゃんを庇い、その男の持つナイフをお腹に受け止めた。