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№11:刺されたけど助かった理由

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 先程まで流していた涙を拭いつつ、不思議そうに視線をこちらに向けてきたので、簡単に説明することにした。
「うん、あのね。これのおかげだったんだよ。桜花おうかちゃん。きみに会う前にこの鉄のパイプとチェーンを見つけて長いチェーンは持ち運ぶのがメンドかったからお腹に巻いてたんだ」
 そのように答え服を少しめくりチェーンの巻いたお腹を見せてから語った。

 すると、桜花おうかちゃんも安心して、今度は俺の目を見て真面目に怒り出した。
連夜れんやさん、もうあんな事は止めてください。私を守って危ない目に遭うのは、やめて下さいお願いです」
 その言葉を言い顔を伏せてしまった。でも、俺としては今の言葉には納得いっていなかったので、俺が刺される前に行なった行動を追及した。

「それなら、俺も言わせてもらうね。きみは、いや、桜花おうか!俺があいつの前に出た時、君は何をしようとした。多分・・・いや、きっと俺を庇うつもりだったよね。俺はそれと同じ事をしたに過ぎないよ。それに今後同じような事が起きても、絶対に君を守るよ。・・・今度こそ」
「えっ、いま・・・・なんて・・・」
 桜花おうかちゃんが驚いて、また泣きそうになったので慌てて謝った。

「ごっ、ごめんちょっと言い過ぎたよ。だから・・・ねっ、お願い、この通り許してください」
 うわぁ、さすがに言い過ぎた。それに、実際は俺を助けるための行動だった。

 しかし、その桜花おうかちゃんは涙を目に溜めながら何故か笑顔を向けて語った。
「いえ、違うんです。これは、・・・嬉かったんです。それに・・・」
 何故か涙を拭いながら、満面の笑みを向けてきた。そして何かを語ろうとした途端。

 例の腕輪から音がなりだした。
《ピッピロリッ、ピッピロリッ》
 しかし、今までそう思っていたが、どうやらこの音は頭に直接響いている様な感じだ。

 腕輪を見て考えていると、腕輪の表示部分が発光して点滅していた。
 そして、もう一度警報音が鳴った。
《ピッピロリッ、ピッピロリッ》
「「えっ、なんで二回?」」
 俺と桜花おうかちゃんは、二回警報が鳴ったのを不思議に思い、お互い視線を合わせて腕輪を操作して確認した。

 すると、お互いの画面スクリーンに表示されていた文字は、おそらく先程の男の罰が実行された合図だったようだ。
「れっ、連夜れんやさんこれって、もしかして・・・」
「ああ、これはさっきに奴が罰を受けた合図みたいだね」
 なるほど、この警報はルールを破った時点でなく、実行されたときに鳴る仕組みになってるみたいだ。

 それに、警報が二回なったのは、おそらくここで二回ルールを破ったから、それを二回実行されたのだろうと連夜れんやは考えていた。
 しかし、二回目に警報が鳴った事情を知らない桜花おうかちゃんが不思議がって俺に聞いてきた。
 そして、先程起こっていた内容を簡単に説明して納得してもらった。

 それにしても、ここはどう言うところなんだ、ここはまったく訳が解らない。

 突然命を狙われそうになるは、変なルールまである。それに夢で見た内容とは異なるが、同じ様な事が起きている。
 そのうえ・・・いや、さっきの光景が・・・確かに実際に起こったように感じだった。けど、頭痛に襲われた後に、元に戻ったような? 何故か今までの夢と違うよな・・・それに何故か桜花おうかちゃんも内容を把握しているような・・・。まあ、いいや。とにかくこれから起きるであろう記憶にある危険な事は、出来るだけ避けていこう。
 そう考えている連夜れんやであった。

 その一方で、桜花おうか方も、もしかしたら連夜れんやも何らかの記憶を持っているのではと、考えていたのであった。しかし、お互いその事は聞きだせず、この先一緒に行動していくのであった。

 この場所で、のんびりとしていて連夜れんやはある事を思い出し声をあげた。
「やっ、やばい。ここでのんびりしていたら、いけなかった。とりあえず移動しないと」
「どっ、どうしたんですか、連夜れんやさん?突然大声を出して」
 桜花おうかちゃんが俺の出した声にびっくりして尋ねてきた。

桜花おうかちゃん。とりあえずここを速く移動しよう。このままじゃルールに違反する事になるよ。確か6番目か何かのルールだったと思う」

 そうこのとき、連夜れんやはルールにあった重要な事を思い出していた。
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