ミッション・オブ・リターンゲーム

桜華 剛爛

文字の大きさ
22 / 59

№21:この部屋の調査の前に・・・。

しおりを挟む
 そして、桜花おうかがこの部屋の扉の方に向かい、ある事を確認してこちらに戻ってきた。
「うん、扉は開いた状態でも機能はちゃんと働いているみたいだよ。それにあれ以上扉は閉まらないし、電光掲示板にもちゃんとロックの表示が出てる」

 桜花おうかの言うように、扉の上にある回転灯と電光掲示板に明かりが灯り。電光掲示板には【扉のロック完了】の文字が出ていた。

「しかし、ちゃんと閉まって無いのに?・・・まあ、ただ俺達にはありがたいけど・・・・あれだけでの事で誤動作するなんて結構いい加減な作りみたいだな」

「良いんじゃない。私達に取ったら好都合だし、それにいざとなったらこの部屋を脱出できるしね」
 まあ、確かに桜花おうかの言う通り、このミッションが成功できないで時間切れになった場合と、なんらかのトラップが発動して危ない状況になったら、有無を言わずに脱出できるし、床の下の子を助け出して一旦外に連れ出す事も出来る。

 ただ、ミッションにあるその【あるもの】だけは何なのかは、今のところ判別できてない。まあひとつだけ言える事は、先程おっさんが持って行ったカバンの中には、その【あるもの】がない事は解った。

 まあ先程の話しに戻るが両方の扉にしている仕掛けとは、簡単に説明すると最初に入って来たほうの扉にはロックをかけるラッチ受け部分を、少しずらしラッチが入らないように細工している。

 念のためそのラッチ受けの中に以前拾ったチェーンが入っていた箱を、破いて押し込んでいる。そして、先程入って来た扉にも、閉まらない様にコンクリートの瓦礫を置き、物理的に閉まらなくしてこちらのラッチ受けにも箱を破いたのを入れている。

 ただ、これだけなのにこの扉の機能は、誤動作して閉まっていると勘違いしている。

 だから思った、色々なハイテク機器があるが結構ずさんな造りであるのかなと。

 なら、白衣の男の消えて行った場所も意外と適当な作りかも知れない。でも、以前水でこの部屋が水没した時は、意外に水がたまるのが早かったから、そう言う場所は気密性が高いのかもしれない。

 なら最初に行なうことは・・・・まずはロッカーは、ずらしたからここの瓦礫をすべてどかしてっと・・・・。

 なるほど、あの娘が落ちた後に床の色が変わっていると言う事は、最初にあった床とともに落下したことになるのかな?その後にこれが閉まったのか?・・・・しかし、これの上に瓦礫が落ちて床が抜けないなら、これがどういう風に閉まっているかだよな・・・。

 確かにこの部分は自動で閉まっていた。ただ、スイングゲートの様に閉まっていたので、どうにかして開かないかを確認使用と思う。そのためこの上にあった瓦礫を退かした。

 これで準備は出来た、早速床下に落ちた少女を助けますか・・・・。

 以前はかなり慌てていたのもあって、なかなか開けるのに苦労したが・・・今回は簡単にあけれた。何故かと言うと以前の吸盤よりも吸着力も強いのと、ガムテープも持ってきてそれで何の為固定していた。なので簡単に床の穴の蓋を外す事が出来た。

 この部分を開けて中の少女を助け出した時に、以前と違う事はこの中にいた少女は物凄く怖かったのか抱き付いてきて、かなり本気で泣いていた。

 ちなみに抱き付いていたのは・・・俺の方でなく桜花おうかの方である。
「ありがとね、ありがとね。すごく怖かったの。グスッ、もう、助からないのかと思ったの、すごく、すごく心細かったの。ありがとね。グスッ」
「えっ、えっと、もう、大丈夫だよ。あっ、私は姫柊ひめらぎ 桜花おうかで、こっちの彼は御鏡みかがみ 連夜れんやさんなの。あの、あなたは」

「えっ・・・・ぐすっ、グジュグジュ、えっと私は平井ひらい 茉莉香まりかよ。よろしく。そっ、それよりここどこなの?それにさっきからなってるアラーム音は何?」
 おっと、この娘はどうやら腕輪の事を知らないようだ。しかも警報が鳴っているみたいだが俺達には聞こえない。と言う事はやはり頭の中に直接鳴り響いているようだ。

 ならば、まずはその少女に説明と、この状況を教える事から行なわないといけないが、俺はこの中の状態を確認したいので、それは桜花おうかに任せようと思う。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

処理中です...