十で神童、十五で天才、二十歳過ぎれば今際の際【完結】

藤好

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元天才の運命

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「ァ、ぁっ!んンッ……」


聞くに耐えない濡れた嬌声を上げてるのが自分自身だと直ぐには気づかなかった。

身体が酷く熱くて自分が今どこにいるのか、どんな状態なのかもわからない。
あられもない声を上げながら、過ぎた快楽にわけもわからず涙と涎を垂らして悦んだ。

震えっぱなしの身体をどうにかしたくて無意識に眼前で揺れる裸身に縋り付けば、耳許で低く笑われた。それにさえ感じ入ってしまいギュッと爪先を丸めたが耐えられなくて再び快楽の渦に飲み込まれる。


「……ッ、まさかこれ程とはな。禁術なのはこれが理由か?」


独り言のような声は愉悦に染まっていた。
コイツ、こんなに楽しそうな声出せたのか……頭の片隅でまるで人格が剥離されたかの如く冷静な自分の声がした。

コイツ、コイツとは一体誰だ……?俺は今、何をしている?

ゆっくりと、ブレていた焦点が合う。同時に胎内に咥え込んでいたモノの存在を急速に意識してしまい、息を詰める間も無く腹のナカが蠕動するのが自分でもわかった。


「んンンッ……!!!」


堪えようと唇を噛み締めたが遅かった。キュウゥと喰い千切るかのような勢いで締め付けてしまい自分を抱え込んでる目の前の人間が息を詰めた。刹那胎の奥で熱いものが弾けてそのあまりの熱さにヒュッと息を詰めた。

熱い熱い熱い熱い熱いーーーーーーーーーー……

指先までもが痺れて目の前が真っ白になった。過ぎた快楽は苦痛でしかなくて赤子のようにボロボロと涙と嗚咽が溢れた。


「レティシア……」


荒い呼吸の合間に呟かれたバリトン。俺はこの声の持ち主を知っている。


「ッ……ヴァルター、?」

「気が付いたのか?」


ヴァルターと繋がっている。

その事実に猛烈な羞恥と屈辱に襲われた俺は状況も忘れて逃げ出そうとした。しかし身体の奥深くまで打ち込まれたヴァルターの楔がそれを許さなかった。寧ろ体勢が変わったせいでまた別の刺激が生まれ思いがけず高い悲鳴を上げてしまい死にたくなった。


「んァ……、なんで、こんな」

「死にかけのお前に俺の魔力を注ぎ込んで蘇生した」


ヴァルターが楽しそうに笑いながら何でもないことのように呟く。

それは確立されていない禁術だった。

禁術というよりは意味のない行為だと捉えられ次第に廃れただけの魔術を使った医療行為だ。
通常個々の魔力は交わらず併合しない。故に魔力の供給を行なったとて徒労に終わるのがこの禁術であった。はずだが。


「お前の身体に魔力は残っていなかった。だが辛うじて身体が生きていた。魔力がないなら併合の必要もない。お前の身体の隅々まで俺の魔力で満たした」

ヴァルターの説明は実に簡潔だった。なるほど俺に魔力が残っていなかったからーー、て。待て待て。ということはつまり、俺の魔力の枯渇が一番知られたくない奴に知られてしまったということか?!!


「悪い、動くぞ」

「アァッ……!!」


しかし思考を巡らせる間も無くヴァルターに腰を打ち付けられて一瞬にして考えが散らばった。


「何故こんなになるまで、黙っていた。俺が傍にいなければお前は確実に死んでいたんだぞ」

「ぐッ!ぅ、ぁ、ッ、……ッッッ!!!」


まるで咎めるかのようにヴァルターが息つく間もなく攻め立ててきて俺は背中を弓なりに反って身悶えた。というか、なんでこんなに気持ちがいいんだ?まるで媚薬の類でも使われているような際限のない快感に俺はひっきりなしに嬌声を上げる。


「他人の魔力を身体に受け入れる行為は酷い苦痛、若しくは快楽を伴うと聞いたことがある。お前は後者のようだな。作り話と思っていたが……何しろ試したことがある奴がいない。魔力ゼロの人間などそれこそ屍体かお前くらいのものだぞ?」


何が何だかわからないがめちゃめちゃ馬鹿にされている気がする。常なら静かに怒り狂っているところだが不思議なことにヴァルターの言葉の一言一句全てがめちゃめちゃ俺の精神に揺さぶりをかける。悲しくて仕方がない。悲しくて悲しくて俺は生理的なものとは違う涙を零した。

そんな俺を見てヴァルターがギョッとした顔をする。それはそうだろう。大の大人が突如しとどに泣き出したのだからドン引きもするだろう。涙の理由は俺にもわからない。ただヴァルターに馬鹿にされてると思った途端に息が苦しくなって、それで、


「どうした?痛いのか?」


ヴァルターが動きを止めてデカイ手で俺の頬を包み込む。聞いたことのないような優しげな声音とあたたかい手の温もりにキュウゥゥと後孔を締め付けてしまい、俺はヴァルターに顔を見つめられながら甘ったるい声をあげとろとろと力なく吐精した。


「ぐっ……」


ヴァルターが唸り声を漏らしながら遂情をやり過ごす。ヴァルターの荒い息遣いに胸がきゅんと高鳴って顔に熱が集まるのが自分でもわかった。

って、オイ!バカか?!!おかしいだろ!!!どうしてしまったんだ俺は!!これじゃあまるで俺がヴァルターのことめちゃめちゃ好きみたいたろうが?!!!

まさか、魔力を注ぎ込まれたことで感情と身体が作り変えられたのか?!!


「おまえ!俺に何した?!!」

「ッ、お前こそ…、何でそんなに……」

「ひんッ」


ヴァルターの長大なブツが俺のナカで更に膨張して俺は喉を逸らして喘いだ。そこをヴァルターがゾロリと舐め上げるもんだからたまらな……じゃなくて!!

ギッ!と睨め付けようとヴァルターを見やれば血走った目で此方を見据えていた。え、カッコいい……だから何でだ?!!

魔力は併合しない、屈辱だが俺に併合する魔力は残ってなかった。そして今俺の身体をたっぷりと満たすヴァルターの魔力。俺の意思とは関係なく身体が、全細胞が、ヴァルターをまるで飼い主かのように崇め歓喜しているような……


「オイ、お前の魔力をどうにかしろ!!このままじゃお前のことしか考えられなくなるだろうが!!!」

「今のは愛の告白か?」

「死ね!!!!!」

「フン、蘇生目的だったがこんな効力があるとはな。お前はもう俺なしじゃ生きられないぞ。お前を満たす魔力は持ち主の俺しか受け入れないしそれも次第に抜けていく。抜けるたびにこうして定期的に魔力の供給が必要になる。謂わば運命共同体というわけだ」


ヴァルターの言葉に愕然とした。

何だ?つまり俺は命と引き換えにこいつがいないと生きられない身体にされたのか?そして宿主?のこいつのことを俺の身体はめちゃめちゃ愛してるみたいな?


「オイ、今すぐ俺を殺してくれ」

「減らず口にはお仕置きが必要だな」

「ひッ!ァ、やめッ…動かな、」

「これから毎日溢れるほど注いでやる」

「毎日?!!」



その言葉どおり俺はこの先死ぬまで身体を貪られ溢れるほどの魔力を注ぎ込まれることになるのだが、詳細は俺の名誉の為に割愛させてもらう。



ともかくこうして俺は命の危機から奇跡的な復活を遂げたのだった。




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