義父の檻で咲く虚妄のα

枝浬菰文庫

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ほっとする

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「なんだかほっとするな、昔を思い出すというか……」


生徒会室も盗聴されている可能性はあるけど、それ以前に灯弥の傍にいたい。それを望んでしまった。
常備しているタオルを持ってきて灯弥に渡し、隣に腰掛けた。

ソファーも完備されているけど冷たい床に二人して腰掛ける。


「本当に懐かしいよな、俺達が出会った頃、なんというか……感動の再会てきな」
「うん、分かるよ。でもやっぱ自由になれないみたい……」


「俺がお前を助けるよ、ていうか白玖キャラ変わりすぎじゃないか? あの冷静な生徒会長じゃない、昔俺が恋した白玖そのままだ」

「なにいっ……」

廊下のカツカツと響く足音に僕は恐怖心を覚えている。

「白玖、隠れるぞ」
「え?」

灯弥は僕を引っ張り上げ用務ロッカーに隠れることになった。
「灯弥くん?」
「しっ……ドアの前に立ったな」

口元を塞がれ、濡れたシャツから突起物が見えた。同じ男同士だからそんなのどうってことないんだけど……。
きっと僕は何かを求めてしまっている。ダメだな。これじゃ今までとなにも変わらないのに。


「白玖迎えに来たよ」
生徒会室に入ってきたのは早乙女ではなく、斗眞様だ。


なぜ? そもそも学校に入れるのは早乙女くらいのはずじゃ。


「聞いていたよ、全部ね。うちの製品はさ、防水になっていてね。白玖が初めてああいう風に笑うとか聞いていて面白かったよ」

カツカツ音は用務ロッカーに近づいてきた。そして扉が開く。


「ね、白玖。そこの王子様は一体誰なの?」

見つかってしまった。震えが止まらない。怖い。僕だけじゃない灯弥もきっと何かされる僕が守らないと。
「俺は……」
「待って、灯弥くんは関係ないの、全部僕が悪いから……」


「本当に? おっかしぃな~俺が聞いた話しと違うな~ さっき白玖は彼に「助けて」と言っていたよね」

!? 息が詰まりそうだ。苦しい。顔をあげられない。
「はぁ……はぁ……ちがっ……」


「白玖は俺に助けてと言いました、あなたはどちら様ですか?」
「おや、君は俺の脅威に耐えられるのか」
覗き込むように灯弥を見ている。斗眞様は優秀なαのことが大好きだから、取られてしまう。

「はぁ……はぁ……ダメ、灯弥くんっ…ん」

口元を塞がれ、灯弥は冷静に対応していた。

「申し訳ないのですが白玖とはどういう関係ですか? 今俺達愛し合っている最中でして」
!? な、何を言い出すの????


「ほぉ、それはすまないことをした。そうか白玖と君は恋人だったのか……」
斗眞様はこちらに向き僕にこう告げる。

「困ったな、白玖。俺と付き合っているのに浮気なんて信じられないことだ」


!?  !?


ど、どうすればいいのか、こんな収拾がつけられないなんて。





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