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第一章
新強制抑制剤
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中国マフィアから送られてきた新しい強制抑制剤を柊に渡す。
「ありがとうございます」
と受け取る。
それからあっという間に2年が経った。
柊にとってあの事件はおぞましい経験になり、シンが来るたびΩとしての役割を果たしていた。
----------------
上田様にΩとしての役割を果たした次の日
「澤田様、本日は柊が担当いたします、よろしくお願いいたします」
「あぁ、昨日会えなくて寂しかったよ、柊さんよろしく」
澤田様は朝早く会社に向かわれて昼過ぎにはホテルに戻りゆっくり寛いでいる。
どんな仕事をしているのかとても気になるが、お客様の個人情報や事情などはこちらから聞いてはいけないので、澤田様のご用事がある時に会話をするのが楽しみになっている。
今日も昼過ぎに戻られ、軽食をと頼まれたのでサンドイッチを出した。
「柊さん、一つ頼みごと聞いてもらってもいいかな?」
「なんでしょうか?」
「その…柊さんじゃなくて柊くんと呼んでもいいかな?」
!? そんなことか
「もちろんでございます、大変嬉しく思います」
にこっと笑顔を向けた。
お客様によっては肩が凝ったからと注文が入るが澤田様はどこか違う。
「ありがとう」
「柊くんって、童顔なの気にしてたりする?」
「え? あっはい」
「大丈夫だよ、俺の上司も童顔でさ、でも強くてかっこいいから」
なんだか分からないが澤田様に言われるとどこか安心する//
童顔なのは昔からで学生時代はαなのにβやΩからαではないと間違えられたことも多々ある、そんな時に守ってくれたのが国枝先輩なんだよな。
でも、αとしてやっていいこととやってはいけないことこの線引きをめちゃくちゃにされたのも国枝先輩で今までΩにやってきたこと、今自分の性質が変わったから分かる。
おぞましくてもし出会ったら謝罪をしたい。
「澤田様のお仕事はどんなことされているのですか? 差し支えなければ教えていただきますか?」
「俺は、外国の人との翻訳してるんだ」
「え、翻訳? 本とかのですか?」
「んー、そこはちょっと言えないんだけど、たまにテレビに出てたりするよ」
「テレビに…、じゃ有名人だったんですね」
「いやいや、有名人ってほどではないよ、まぁでも確かにテレビ出る人って有名人って認識あるもんな」
「はい」
にこにこと笑っていると不意に耳たぶに指が触れる。
「え?」
「あーごめん、なんか耳たぶ気持ちよさそうだなって思ってたら触ってた」
とハミカミながら言う。
驚いて下を向いてしまい、顔が赤くなる。
「男のしかもαの耳たぶって柔らかいですか?」
「うん、俺のは固いからさ、柊くんの柔らかくて気持ちよかったよ」
とさらっと言ってきた。
イケメン恐ろしい…。
もし運命の番が澤田様だったらいいのにな…。
って思うけど、今反応ないってことは違うんだろうな。
少し切なくなった。
-------------------------------
枝浬菰です。
ここまで読んで頂きありがとうございます!
試し読みはここまでになります、続きが気になる方は
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DLsite検索後 「枝浬菰」で検索または「遅発性Ω」で検索してください!
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「なんでしょうか?」
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「え? あっはい」
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「はい」
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「え?」
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