捨てられΩはどう生きる?

枝浬菰文庫

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幼稚園編

肝が冷える

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あっという間に月日は経ち3歳になった。

翠が蒼に対して敵意がなくなり一緒に行動することが多くなった。

今日は3人でお風呂に入っていた。
「はーい、じゃぁ10まで数えられたらお風呂から出ましょうね」


「「はーい」」
要似の翠と僕似の蒼が可愛い。

「いーち、にー、さーん、ごー、はーち、しー、じゅう!!」

「ん? お母さんの聞き間違えかな? なにか違ってたよ」

二人は首を傾げもう一度数えてみることにした。


「いーち、にー、さーん、ごしー」

「あれ? どっちだろ、3の次はしーだよ」

「もう蒼間違えちゃダメ!」
「うぅっ……」

可愛いけどこれじゃぁのぼせちゃうな。

「じゃぁ、お母さんの真似してね、いくよー」


どうにか10まで数字を数えお風呂から出た。
要が二人をバスタオルでキャッチし僕は体を洗って出る。


タオルを巻き、キャキャっとはしゃいでいる声がリビングから聞こえ安堵していると
「あれ? 琉架もう少しゆっくり入ってきてもいいのに」


「うん、でも幼稚園の用意結構残ってるから」


「あーあれね……俺もいろいろ手伝うし、今は風呂入ってきなっ」
すかさずおでこにキスをされ僕は風呂場に戻った。

要に甘えちゃってるな、はぁー。
まさか幼稚園の準備がこんなに大変だったなんて思いもしなかった。

それと僕、不器用すぎる。ほとんど要が手直ししてくれてなんとかなったし、名前を書くだけが僕が唯一上手にできるやつ。


「要、ごめんお風呂ありがとう」
「おう! 今ちょうどテレビのワンコに夢中だから俺も入ってくるね」

「うん、名前書けるところだけ書いておくね」

「そうして」
頭にポンと手をのせられ少しドキッとしてしまう。


こんな顔翠には見せられない。


「ねぇねぇ、お母さん」
「うん?」

蒼が声をかけてきた。
そしてテレビを指で指しながら
「お母さんとお父さん、交尾する?」
と聞いてきた。


「へ?」
僕は思わず声が裏返ってしまった。

テレビにはなんと動物の交尾映像が流れていて、翠は真剣にその様子を見ていた。
疑問に思った蒼が僕に聞いてきたのだろう。


「あー交尾っ……」
人間は交尾って言わないよな、でも番になるためには交尾というかもしれない。
んー。

なぜか僕は考え込んでしまった、そのうちに要が出てきて
「んーどした?」

「あ、お父さん、交尾する?」

「は? 誰と?」
「お母さんと」

「俺と琉架が交尾? するよ、だってそれで翠と蒼が産まれてきたんだから」

さらっと要は伝えていた。

「ちょ!! まだ早くない?」
「えー大丈夫だよ」

「じゃぁ、僕とお母さんが交尾したらどうなる?」
「ほらっ……」
3歳児とは思えない発言に肝を冷やす。

「そりゃーパパが産まれてきちゃうだろうな、なんたってお母さんは俺のものだからな、ハハハハ」

翠が嫌そうな顔をしていた。
蒼はまた不思議そうにテレビへと向かっていった。


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