捨てられΩはどう生きる?

枝浬菰文庫

文字の大きさ
85 / 97
幼稚園編

落ち着きすぎてて怖い

しおりを挟む
「今なんて……」
 琉架を届けにきた紅羽さんに説明をした。

「琥珀祐二、調べてもらえませんか?」



「ちょっと待って、琥珀組って確か解散したんじゃなかったけ、一連の事件が国の上層部にバレたのといろいろΩを惑わす薬を作っていたからって」

「はい、俺もそう思ってました。だから関係ないと思っていたのですが……」
「今琉架くんってそのこと知ってるの?」


「はい、翠が友達できた、こはくゆうじくんって紹介して今回のことが起きたので」
「……それはまずいかもね、琉架くんって結構内気な性格してるから薬が切れたらグズるかも」



「はい」


「翠と蒼くん引き取るよ、琉架くんが落ち着くまで、幼稚園も通わすし」
「でもいいんですか?」

「うん、二人に協力したい」


「ありがとうございます」


「落ち着いたら連絡して、翠と蒼くんもお母さん派なんでしょ」
「はい」


 紅羽さんに二人を預け、寝ている琉架の元へと足を向けると目を覚ましていた。


「あ、琉架、大丈夫か?」

 今は地下ではなくリビング横の部屋に寝かせていた。

「もう全部終わったと思ってた」
 琉架は静かに話し始めた。


「もう怖い思いも、悲しい思いも全部おいてきたのにぃっ……」
 俺の顔を見て琉架は泣きそうな顔をしていたが


「要、僕は大丈夫だから、翠と蒼を守るって決めたから。もちろん要のことも僕が守る……よ」
 琉架は強い気持ちで言っていたが……瞳からはポロポロと涙を流していた。


「あれ? おかしいな、僕大丈夫なのに、もう幸せなのに……んっ」
 俺が我慢できなかった。覆いかぶさり唇を重ねてキスをする。

 指を絡ませて琉架に愛情をいっぱいそそぐ。

「琉架聞いて、まだ分からないから、繋がりがないかもしれないし」
「うん、ごめん要」

 俺の背中に腕を回し、抱きついてきた。そしてまた唇を合わせてくれた。
 琉架が落ち着きすぎてて逆に怖いくらいだ。フェロモンも収まってるし一時的だったのか。

「要、僕強くなるから」
「うん、でも甘える時は俺に甘えてきてもいいんだからな」


「うん、大好き」

「ありがとう♡ 俺も」

 紅羽さんに依頼した内容には最悪なことが書かれていた。


『琥珀鳴琉なるの兄弟関係ぽくて 琉架くんのことはまだ分かっていないみたいだから、くれぐれも琥珀という名字は出さないようにね』

『分かりました、調べてくださりありがとうございます』

「はぁー」
「どうだったの?」

 琉架は翠を抱っこしてきた。
 紅羽さんに事情を話し翠と蒼は家に戻ってきていた。

「あーまぁうん、俺と二人の時に話そ」

「うん」

「お母さん、この前の匂いしないの?」
「え!? あー」
 琉架と目があったが俺は茶化した。

「翠は確実にαだな、それも琉架の匂いに敏感なタイプだ!」

「もう!!」




しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ふたなり治験棟 企画12月31公開

ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。 男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…? 2025/09/12 ★1000 Thank_You!!

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

【完】君に届かない声

未希かずは(Miki)
BL
 内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。  ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。 すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。 執着囲い込み☓健気。ハピエンです。

処理中です...