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クロネコ拉致
しおりを挟む「んあー」
目をこすり体を起こす。
「今、何時だ」
時計を見るとすでに昼をまわっていた。
ってことは皓はもういないか。
ぐるるるる…。
と腹がなる。
これは
ぞっとしてトイレに駆け込んだ。
「あいつ!! 後処理しなかったな!!」
数分後…。
どうにか腹の具合もよくなりスーツをまとっていると電話がなった。
『はい』
『今からいう場所にこい』
ん? これは声変えてるな。
『あんた、誰?』
『いいか、こなかったら今いる部屋を爆発するからな』
『へぇーここ見張られてるってことは近くに潜んでるってことだよな?』
『伝えたことは以上だ』
一方的に電話は切られた。
困ったな18時に唐澤と約束してるのに… まぁ時間もあるし行くだけ行ってみるか。
電車で移動し着いた。
「ここか」
そこは町から少し離れた海近くの廃工場だった。
いかにも出そう。
幽霊が。
どっと重たくなる気分を無視して中に入り声を発する。
「あの、来たんですけど」
しーん
誰もいなさそうだ。
本当にここなのか?
伝えられた住所とスマホの現在地を照らし合せるとここのようだ。
頭をぼりぼりとかいていると
「どうも、お久しぶりですクロネコさん」
「? あ、お前!! 久しぶりもなにもいや懐かしいな」
懐かしさもあり彼に近づいた。
目の前にいるのは俺よりも背が低い男だった。
「はい、師匠も変わらずですね」
「ああ、瑠衣元気だったか?」
「はい」
数年だけタッグを組んで仕事をした。
師匠と弟子の関係ではないが瑠衣は俺のことを師匠と呼んでいた。
「それでどうしたんだ? なにかつんでるのか?」
「はい、さすが師匠ですね、実は…」
もじもじして答えようとしない。
「どうした?」
「実はですね、師匠を拉致してほしいですっていう仕事をいただいたのですがさすがに無理ですよね?」
「な……俺を拉致るのか?」
「はい」
瑠衣はにこっと笑った瞬間廃工場の電気がかなり眩しくつき目をくらませた。
「っつ」
「師匠、では逃げきってくださいね」
ぞくっと悪寒を感じると後ろからじりじりと迫ってくる数人の男が見えた。
「ハハ、そういうこと」
今日のカバンの仕込みは18時用に取っていたが仕方ない。
煙玉と催涙弾を投げ工場の出口に走る。
空気を吸わないよう手で口を覆い、屈みながら走った。
「さすが師匠だ」
ちらっと瑠衣の方を見るとまだあの笑みを浮かべている。
たしか外は海があったよな。
飛び込んで身を隠すのが一番か。
工場の出口に走りきると左に海が広がり右を向くと突っ込んでくるトラックがいた。
「は!?」
間一髪で事故るのを拒否して後ろに倒れる。
「あぶねっ…なに考えてるんだよ…」
殺す気だった。
が正解だろうな。
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