先輩に恋しました。

枝浬菰

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好きだから……関わらないで

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3日後先輩はケロっとした顔で仕事をしていた。

「もう大丈夫なんですか?」
「うん、ごめんね玲於くん、変なもの見せちゃって、でも気にしないで」
俺は安心できず悲しい顔をしてしまった。

それを見た先輩はいつもの笑顔で
「ごめん」
と言い残しどこかへ

先輩とぎくしゃくしてる…。
先輩を好き、でもあんなの見せられて救えない自分が嫌いだ。

先輩…先輩…。

------------------------------
10階の中庭に出てベンチに横たわった。
涼しい風と太陽と

はぁー怜於くんに悪いことしちゃったな…。まさかあの場にくるのが怜於くんだなんて思わないじゃんか、佐久間先輩の意図なのか、浩の命令だったのか、それは分からない。

「おはよ、どうした?」
「佐久間先輩」

「体もう平気なの?」
「あ、うん…」

体を起こし佐久間に席を譲った。

「ね、驚いたよね佐野がきて」
唐突に今考えていた話をされ少し慌てる。

「うん、これって誰の命令なんですか?」
「他人行儀じゃん」
というと

俺の上に乗っかってきた。
「ちょっここ会社ですよ」

「大丈夫、ここちょうど死角になって見えないベンチだから」
ベンチはたくさんありここだけは死角になって見えない。

「んっ」
キスをされた。

「悠真分かってると思うけど、全部浩の命令だよ、どこまでも俺たちの仲を引き裂きたいみたい、でも俺大学の時から悠真のことが好き、絶対に離さないし浩から取り返して見せるから」

…。
この気持ちを僕は知っている。
大学時代に告白され付き合いだしてお互いを好きになった。
いろんなところに行って、いろいろなことをしてホモとかゲイとかじゃなかったけど佐久間先輩のことが大好きで、一生懸命頑張って先輩の後を追って同じ会社に入ったりして僕も先輩が大好きだから……だからダメなんだ。

「先輩……」
僕は瞳を潤わせてこう告げる。

「浩がどこで見張ってるかわかんない、今も見られてるかもしれないし聞かれてるかもしれない……」
「え?」

目で問いかける。

僕は腕を伸ばし先輩の首にまわし引き寄せキスをした。
そして耳元で
「先輩……好き……だからお願い僕に関わらないで」
先輩をおしのけ立ち上がり自席に戻った。

ごめんなさい僕が先輩を好きになってしまったから……。

1人おいてけぼりにされた佐久間の元に1通のメールが届いた。

【殺す】と

さっと血の気が引くのを感じた。

これは浩からきたメールだ。
俺が罰を受けるのかそれとも悠真が罰を受けるのか俺の行動1つ1つで悠真の運命を変えてしまう。

「もう関わらないことか……無理だろ」
好きな相手を闇から救い出せないでどうするんだ。
佐野か…犠牲になってでも悠真をあいつから引き離さないと。
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