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イギリス貴族会議
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第二章 開幕【帰れない】
母からの強制的な帰還命令で、イギリスに5年ぶりに帰還した。
「あんまり風景変わってないですね」
「ああ、そうだな」
迎えに来た赤間と浩輔と3人で車に乗車する。
それよりも柚月が行方不明なのが心配だ。
どうしていなくなったのか……あのマンションはセキュリティも高いから安全なはずなのに。
他デバイス登録している人がいたとか?
でも誰だ。
あーわかんね。
車の中でむしゃくしゃとした感情が蠢いていた。
「百面相中申し訳ないのですがこちら資料になります、現地に到着するまでには頭の中にいれておいてください」
すっと資料を渡された。
しかもさらっと百面相中って言われたし私ってそんな顔に出るタイプだったかな。
柚月のおかげで変われたのかな。
「柚月様についてはこちらがお調べします」
「え? もしかしてこのことは母もご存知なのですか?」
「ええ、あなた様が柚月様をマンションに匿われてからは存じております」
「あの、ちょっといいですか、セキュリティ知ってる人って他にもいるんですか?」
「それはこれからお調べしないとなんとも言えません、ですので蒼士様、浩輔様はどうかご慎重に動かれてください、もしかすると尻尾を出すかもしれませんので」
「分かりました」
もちろん柚月のことは心配だけど、ここは赤間の言うとおりに動くしかないか。
イギリスに来てしまった以上簡単には動けない。
車窓から見えている風景が市街地ではなく少し郊外にでた。
高級住宅が並ぶ通りを進み車は他住宅と比べものにならないほどの場所に止まった。
「本日貴族会議が開催される会場でございます」
「でっかいな」
「ああ」
外にはあからさまに警備がいた。
警備員でも戦闘要員でもないSP? が多くいる。
貴族会議なのにこのような態勢でいいのか不安になる。
「ご安心ください、こちらの警備は安全ですので」
と私の様子を見てか赤間はそう伝えてきた。
本当に私は……。
柚月には感謝しかないな。
中に入ると母がいた。
私の家族は母が貴族の血筋、父が一般人、弟が母を継ぐ予定になっていた。
私は柚月と共にいたいから一般人として今後を共にしていくと。
だけどここに呼ばれたということは少し状況が変わったのかもしれない。
「皆様、お集まりいただきありがとうございます、私司会を担当していただきます、赤間と申します、よろしくお願いいたします」
ぺこと英語で挨拶した。
イギリスに来ているのだから日本語が聞こえるほうがおかしいよな。
「ええ、ではまずこの度イギリス王家に着任となりましたジョン・エバンズ様の奥様、ケンゴ・エバンズ様」
ケンゴって男?
王妃の格好をした者が立ち上がり挨拶をした。
そしてその後ろに護衛として立っている男は。
え? 綾瀬大学の理事長さん??
たしか名前は花咲さんだったけ??
なんであの人がここにいるんだ??
疑問の嵐に頭がついていかない。
でもケンゴ・エバンズ様ってどう見ても男なんだけど、いいの??
王様のお嫁さんが男っていいのだろうか??
「この度はご着任おめでとうございます」
「ありがとうございます」
すっと綺麗なお辞儀を見せ席についた。
30分休憩があり全員部屋から出た。
「浩輔、母の元に行く」
「はい」
化粧直しをしている母の元にいった。
「お母様この度はこのような場に私のようなものが参列させていただきましてありがとうございます、申し訳ないのですがどうして私なのでしょうか、貴族を継ぐ者としては弟が適任ではないのですか?」
「ええ、そうする予定でしたがあなた、最近男性に興味を持たれたようで」
目線が合うと少し悪寒がした。
まずいな。
「はい、唯一無二の存在です」
「はぁ、それは許されないわ、あなたは優秀、そして優秀な方とご結婚なさるの、それが決まり、あなたの自由にはできないわ」
「ですがさきほども言いましたが唯一無二の存在なのです、それにジョン陛下だって奥様は男性でしたよね?」
「それについては私たちも困惑しているの、話では陛下にはならず兄君が陛下になり、ジョン様は殿下のままと伺っていたから」
ドアが開いた。
「ええ、その通りです、こちらの場では陛下と名乗りましたがジョン様は殿下のままになります、これはご結婚相手の希望です」
すっと入ってきたのはSPだった。
「あら、そうなのね、それならこちらも安心です、表向きの発表はいつになさるのですか?」
SPと淡々と話す母を見て驚いた。
まるでこのSPは中心に立っているかと思わせてくる。
「ジョン様の兄君が正式に王妃を迎え入れてからになります」
「分かりました」
母がすくっと立ち上がりこちらにきた。
「花咲隊長、こちら私の息子、福田蒼士です。私の後継人として今後指導していきます、どうかお忘れなきようお願いいたします」
「初めまして、ではないですね」
握手をするのに右手を出されたので応対する。
「あら、どこかで?」
「はい、契約は式が終わり次第済ませます」
「ええ、よろしくお願いします、頼りになります」
母からの強制的な帰還命令で、イギリスに5年ぶりに帰還した。
「あんまり風景変わってないですね」
「ああ、そうだな」
迎えに来た赤間と浩輔と3人で車に乗車する。
それよりも柚月が行方不明なのが心配だ。
どうしていなくなったのか……あのマンションはセキュリティも高いから安全なはずなのに。
他デバイス登録している人がいたとか?
でも誰だ。
あーわかんね。
車の中でむしゃくしゃとした感情が蠢いていた。
「百面相中申し訳ないのですがこちら資料になります、現地に到着するまでには頭の中にいれておいてください」
すっと資料を渡された。
しかもさらっと百面相中って言われたし私ってそんな顔に出るタイプだったかな。
柚月のおかげで変われたのかな。
「柚月様についてはこちらがお調べします」
「え? もしかしてこのことは母もご存知なのですか?」
「ええ、あなた様が柚月様をマンションに匿われてからは存じております」
「あの、ちょっといいですか、セキュリティ知ってる人って他にもいるんですか?」
「それはこれからお調べしないとなんとも言えません、ですので蒼士様、浩輔様はどうかご慎重に動かれてください、もしかすると尻尾を出すかもしれませんので」
「分かりました」
もちろん柚月のことは心配だけど、ここは赤間の言うとおりに動くしかないか。
イギリスに来てしまった以上簡単には動けない。
車窓から見えている風景が市街地ではなく少し郊外にでた。
高級住宅が並ぶ通りを進み車は他住宅と比べものにならないほどの場所に止まった。
「本日貴族会議が開催される会場でございます」
「でっかいな」
「ああ」
外にはあからさまに警備がいた。
警備員でも戦闘要員でもないSP? が多くいる。
貴族会議なのにこのような態勢でいいのか不安になる。
「ご安心ください、こちらの警備は安全ですので」
と私の様子を見てか赤間はそう伝えてきた。
本当に私は……。
柚月には感謝しかないな。
中に入ると母がいた。
私の家族は母が貴族の血筋、父が一般人、弟が母を継ぐ予定になっていた。
私は柚月と共にいたいから一般人として今後を共にしていくと。
だけどここに呼ばれたということは少し状況が変わったのかもしれない。
「皆様、お集まりいただきありがとうございます、私司会を担当していただきます、赤間と申します、よろしくお願いいたします」
ぺこと英語で挨拶した。
イギリスに来ているのだから日本語が聞こえるほうがおかしいよな。
「ええ、ではまずこの度イギリス王家に着任となりましたジョン・エバンズ様の奥様、ケンゴ・エバンズ様」
ケンゴって男?
王妃の格好をした者が立ち上がり挨拶をした。
そしてその後ろに護衛として立っている男は。
え? 綾瀬大学の理事長さん??
たしか名前は花咲さんだったけ??
なんであの人がここにいるんだ??
疑問の嵐に頭がついていかない。
でもケンゴ・エバンズ様ってどう見ても男なんだけど、いいの??
王様のお嫁さんが男っていいのだろうか??
「この度はご着任おめでとうございます」
「ありがとうございます」
すっと綺麗なお辞儀を見せ席についた。
30分休憩があり全員部屋から出た。
「浩輔、母の元に行く」
「はい」
化粧直しをしている母の元にいった。
「お母様この度はこのような場に私のようなものが参列させていただきましてありがとうございます、申し訳ないのですがどうして私なのでしょうか、貴族を継ぐ者としては弟が適任ではないのですか?」
「ええ、そうする予定でしたがあなた、最近男性に興味を持たれたようで」
目線が合うと少し悪寒がした。
まずいな。
「はい、唯一無二の存在です」
「はぁ、それは許されないわ、あなたは優秀、そして優秀な方とご結婚なさるの、それが決まり、あなたの自由にはできないわ」
「ですがさきほども言いましたが唯一無二の存在なのです、それにジョン陛下だって奥様は男性でしたよね?」
「それについては私たちも困惑しているの、話では陛下にはならず兄君が陛下になり、ジョン様は殿下のままと伺っていたから」
ドアが開いた。
「ええ、その通りです、こちらの場では陛下と名乗りましたがジョン様は殿下のままになります、これはご結婚相手の希望です」
すっと入ってきたのはSPだった。
「あら、そうなのね、それならこちらも安心です、表向きの発表はいつになさるのですか?」
SPと淡々と話す母を見て驚いた。
まるでこのSPは中心に立っているかと思わせてくる。
「ジョン様の兄君が正式に王妃を迎え入れてからになります」
「分かりました」
母がすくっと立ち上がりこちらにきた。
「花咲隊長、こちら私の息子、福田蒼士です。私の後継人として今後指導していきます、どうかお忘れなきようお願いいたします」
「初めまして、ではないですね」
握手をするのに右手を出されたので応対する。
「あら、どこかで?」
「はい、契約は式が終わり次第済ませます」
「ええ、よろしくお願いします、頼りになります」
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