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17さい
100話 学科説明
しおりを挟む……ラディとアルベール殿下が……学科長!?
演台に立つ2人の姿に俺は目を見開く。
学科長とは、大まかに分けられる2つの各学科をまとめる者であり、学科長はその年で1番優秀だった生徒がなるという決まりである。
ラディとアルベール殿下はまだ3年生で上にはあと2年も先輩がいる。
それにも関わらず、先輩達よりも優秀な成績を残し、年に一度全校生徒が受ける実技試験でトップを勝ち取ったと言う事だ。
……やっぱり、ラディは凄いな。
俺がラディの隣に…自信を持って立てるようになれる日は来るのかな……。
ラディは努力を惜しまず何でも出来て、優しくて、温かくて……かっこいい。
ラディ、ラディは何で俺を選んでくれたの……?
何度もラディは伝えてくれている、俺が好きって……。
でもやっぱり、こんなにも輝いているラディを見ていると……俺は凄く、不安になるんだ……。
そんな事を思っていると、演台に立ったアルベール殿下がイケメン王子様スマイル見せ、瞬間ホール内は頬を染めた生徒達の黄色い声で包まれた。
「新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。
早速ですが、文学魔法科と騎士魔法科の学科長である私、アルベール・オルビセリアとラディアス・グラニードから各学科について説明をさせて頂きます」
そう挨拶をしたアルベール殿下は、自身の所属する学科である文学魔法科についての説明を始め、それが終わると次は騎士魔法科の学科長であるラディの説明が始まった。
ラディは相変わらず無表情で淡々と話していたが、それでも頬を染めた周りからの黄色い声は止まらなかった。
ラディは予想通り、アカデミーでも絶大な人気がある様だ……。
……まぁ、ラディかっこいいもんね。
凄く優しいし、頼りになるし……。
少し……いや、かなり複雑ではあるけど、そんなこんなで説明が終了して、ラディとアルベール殿下は舞台袖へとはけて行ったのだった。
先程の説明をざっくり話すと、先ずこのアカデミーには大まかに2つの学科で分けられている。
それが、文学魔法科と騎士魔法科。
文学魔法科は政治経済とか文学とかそういった事務的な事や魔法実技を学ぶ学科で、魔法の研究なんかも行い、基本的にサポート系の魔法を得意とする者が所属対象となる。
騎士魔法科は将来この国を守る騎士を育成する事を主とする学科で、魔法訓練や剣術稽古は勿論の事、経済学などの座学授業も行い、秀でた身体能力を持った者が所属対象となるのだ。
2つの学科、どちらに所属となるかは学園の偉い人達で考案し決めて、入学の1年前に届く入学通知書に所属学科の書類が一緒に同封される。
だから俺たちは予め自身がどちらの学科に所属となるか分かっているのだ。
……俺は文学魔法科だ。
身体も小さいし体力無いし筋肉付かないし……まぁそうだよねって思った。
ライオネルとルータは勿論……騎士魔法科。
文学魔法科と騎士魔法科でクラスが別れてしまうから、知り合いが1人も居なくなってしまうのは寂しい……。
でも!俺はここから新しい友達を作るんだ!!
何もかもが初めての事ばかりで不安はあるものの、これからの生活に期待しているのも事実。
クラスは遠いがラディもライオネルだって居るし……俺は1人じゃない。
先ずは、あのウサギ獣人君と話してみたいな……。
……先程のウサギ獣人君が文学魔法科の所属である事を願いながら、俺は気持ちを新たに膝の上で掌を強く握りしめたのだったーーーーーーー。
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