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5話ー期限は三ヶ月
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「体調はどうですか?」
田口が雄大の聴診器を胸に当てて尋ねる。
「特に。変わりなく過ごしてます」
聞いて来た割に田口は頷くだけでそこから先は「深く吸って――吐いて」と繰り返す。
戸賀井との生活が始まって二週間。
雄大がαだと思い込んでいた時に飲んでいた薬をやめて二週間でもあるが、田口に告げた通り体調に変化はない。これだけ変わらないのなら仕事も出来るんじゃないかと田口に問うたこともあるが、曰く「薬である程度抑えられていたとはいえ、門村さんの年齢まで明確なヒートを迎えていないΩを私は見たことがない。予想が付かない今、仕事に行くのはのちの後悔に繋がるかもしれないので私は勧められない」と言う。
医療過誤によりこんな目に遭っているのだから医師の言葉は信用ならないが、Ωであるという検査結果は(今度こそ)間違いなく、Ωであればヒートが来るというのは小学生でも知っている事実であり、雄大は指示に従い、今は家とクリニックの往復を週一で行うという日々を過ごしている。
「まだ先の話ですが、三ヶ月ほどして何の変化もないようならヒートを誘発する薬を使おうかと思っています」
「ヒートを……誘発……」
ただでさえきついと聞く発情期を無理矢理に起こす。
告知ミスのあと、早い段階でヒートが来ていればすぐにクリニックの検査に問題があったと気付いただろうが、十一に検査を受けてから二十年以上雄大の体には大きな変化はなかった。男であるから定期的に性欲は湧いていたが、それも人並みに発散すれば落ち着いた。αに処方される薬は多少なりΩにも効くように出来ているとは聞く――予期せぬヒートにパートナーであるαの抑制剤を使ったという話はよくある――から雄大の場合も処方されていた薬が効果を発揮していたのだろうが、元来雄大のヒートが弱いというのも発情を抑えていた原因だろうと田口は言う。
「医学書通りであれば個人差はあるもののΩの発情頻度は概ね一ヶ月~三ヶ月毎です。門村先生には出来るだけ自然な形でヒートを迎えて欲しいと思っていますが、今のまま変化なく三ヶ月が過ぎるようなら医師として誘発剤を使うのが望ましいと考えています」
「……わかりました」
雄大の返事を聞いてから田口は机に向き直り、パソコン画面に何かしらを打ち込んでいく。診療記録を取っているのだろう。それが終わったら再び雄大の方へ体を向けた。
「戸賀井とはどのように過ごしてますか」
「え、どのようにとは?」
「コミュニケーションはどんなふうに?」
「コミュニケーション? ……普通ですけど」
「普通というのは? 戸賀井との暮らしを提案したのは門村さんのヒートを誘発するためで……強制ではないというのを前提に聞いて欲しいのですが、手を握ったり、ハグをしたり、一緒のベッドで眠る等、αの香りがする生活をして頂ければ何らかの変化が期待出来ます」
「香り、ですか」
「戸賀井の香りを感じませんか? 私もαですが、私からも感じない?」
質問に対し、「なにも感じない」と雄大は首を縦に振る。
「……門村さん、鼻詰まりはあります?」
「季節の変わり目には多少」
「花粉症の診断を受けたことはありますか?」
「病院に行くほどでもないので……花粉症かどうかは分かりませんけど、多分違うかと」
まさかαの匂いが嗅ぎ取れないのは鼻に問題があるからとか? そんな馬鹿な。
雄大の考えは伝わっているだろうに田口は薄っすらと笑みを浮かべながら「可能性があるならどんどん治療していかなきゃ。一応アレルギーの薬を出しておきますね」とカルテに書き込んでいく。
まるで人体実験でもされているようだ。田口のわくわくとした横顔を見ながら雄大は小さく息を吐いた。
よく通る鼻で医療施設特有の匂いを嗅ぎながら、アレルギーの薬を受け取って雄大は現在自宅として利用しているマンションへと帰った。
頭の中で今日田口に言われたことを思い出す。戸賀井とハグ? 一緒のベッドで眠る? 想像がつかな過ぎてスルーしてしまおうと玄関のドアを開く。
ここ二週間、体調に変化はないが部屋は随分と様変わりした。戸賀井の荷物が運び込まれて、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、備え付けの食器棚の中には皿類、キッチンの収納には一通りの調理器具が用意された。それだけではない。リビングにはテレビ、ソファー、本棚、それに加え観葉植物が置かれた。
レースのカーテンを開けて、光が差し込むとオリーブの木を陽の当たる場所に移動させる。本棚の中には戸賀井の私物と雄大の私物である小説や漫画が入っていて、雄大はそこから戸賀井が勧めてきた文庫本を取り出す。それを持ってソファーに腰掛ける。
毎日決まった時間に起きて、三食は自炊する。仕事には行かないが、暇だから各学年のテスト問題を作ったりする。天気の良い日は二十分ほど散歩に出かけ、コーヒーは飲みたい時に飲む。こうなってみて実感したことだが、趣味らしい趣味もなく、時間があってもやることは必要になるかも分からないテスト問題作り、緊急事態に話をしたいと思えるような友人もいない。
けれどそれを寂しいとも思わない。こんな自分に、交際してきた女性らははっきりと口にはしなかったが、つまらない男、恋人なのに距離がある、冷たい、と感じたはずだ。
好きになれなかったわけじゃない。可愛らしい、愛おしい、そんな感情があったことは確かなはずなのに、もう思い出せない。自分がΩで、彼女らもΩだったからだろうか。それが原因ならばαとなら上手くいくのだろうか。深く、心の奥底まで触れて愛し合えるのか。
「……はぁ」
記憶に残るような恋愛経験に乏しい過去をどんなに振り返ろうが、その形が変わるわけではない。雄大は深い溜息を吐いて膝の上に文庫本を置く。
目の前のテレビ台の横にはサンスベリアが置かれ、葉っぱが気持ち良いほどに真っ直ぐ上に伸びている。そういえば観葉植物には空気清浄の効果もあるらしい。
もしかして雄大の鼻が悪いと戸賀井も思っているのだろうか。
鼻詰まりでαの匂いが嗅ぎ取れないなんて聞いたことがない。でも田口の言うように三ヶ月の間に試せるものは何でも試した方が良いのだろう。
「戸賀井くんが帰って来たら話してみるか」
一人の部屋に雄大の声が響く。どんなに小さな声も吸収してしまうこの部屋で、雄大は独りきりではなかった。夜になれば必ず帰って来る、戸賀井の存在を感じながら膝に置いた文庫本を開いた。
「鼻詰まりが原因?」
「はっきりとは言わなかったけど、アレルギーの薬を出されたよ」
「それは田口先生から聞きました。でも単に門村先生が花粉症だからだと思ってました」
「今も鼻の通りは悪くないんだけどね。αの匂いが分からないって言ったら鼻詰まりを疑われたよ」
「鼻詰まりも多少は関係あるかもしれないですけど……αの匂いを感じなくてもΩは周期的にヒートが来るっていうのが医学的な考えだから……というか俺の匂いも分かりませんか?」
「日常生活でも他人の香りなんて気にしたことないよ。そりゃあたまに強烈な匂いを放ってる人もいるけど、あれは行き過ぎた体臭でαとかΩとか関係ないだろうし」
戸賀井は食卓に並べられた唐揚げと野菜サラダ、豆腐と野菜が浮かぶ味噌汁を順番に食べながら雄大の言葉に頷きを返す。
今日は遅くなりそうだから先に食べててください、とメッセージが来てから雄大は言われた通りに先に夕飯を済ませてシャワーを浴びた。
浴室から出ると戸賀井が帰宅していて、食卓で手を合わせているところだった。二週間で当たり前になった「ただいま」「おかえり」を交わして、昼間の診察の話をした。
「近くで嗅げばαの香りも感じるものかな」
タオルを首に掛けたまま、ペットボトルの水を持ってソファーに腰掛ける。自分の動きを戸賀井が追っているのが分かる。視線にはもう慣れたが、戸賀井は雄大を執拗に眺める。癖と言ってもいいそれを「他ではしない方がいい。今の社会は厳しいよ」なんて優秀なαに必要もないような指摘をしたら「門村先生しか見ていません」と返ってきた。
それは「観察対象だから」という意味で受け取って以来、雄大は見られることは気にしなくなった。
「近くって言っても一緒に暮らしてるんだからそこかしこに俺の匂いがあるはずなんですけど」
「そうだよねぇ……戸賀井くん、それ食べたらこっちに来てよ」
大口で白米を掻き込む彼を、若いなと思いながら雄大は自分の隣へと誘った。咀嚼に勤しむ戸賀井は眉を寄せつつ、口の中の物を急いで飲み込もうと味噌汁に手を伸ばしていた。
田口が雄大の聴診器を胸に当てて尋ねる。
「特に。変わりなく過ごしてます」
聞いて来た割に田口は頷くだけでそこから先は「深く吸って――吐いて」と繰り返す。
戸賀井との生活が始まって二週間。
雄大がαだと思い込んでいた時に飲んでいた薬をやめて二週間でもあるが、田口に告げた通り体調に変化はない。これだけ変わらないのなら仕事も出来るんじゃないかと田口に問うたこともあるが、曰く「薬である程度抑えられていたとはいえ、門村さんの年齢まで明確なヒートを迎えていないΩを私は見たことがない。予想が付かない今、仕事に行くのはのちの後悔に繋がるかもしれないので私は勧められない」と言う。
医療過誤によりこんな目に遭っているのだから医師の言葉は信用ならないが、Ωであるという検査結果は(今度こそ)間違いなく、Ωであればヒートが来るというのは小学生でも知っている事実であり、雄大は指示に従い、今は家とクリニックの往復を週一で行うという日々を過ごしている。
「まだ先の話ですが、三ヶ月ほどして何の変化もないようならヒートを誘発する薬を使おうかと思っています」
「ヒートを……誘発……」
ただでさえきついと聞く発情期を無理矢理に起こす。
告知ミスのあと、早い段階でヒートが来ていればすぐにクリニックの検査に問題があったと気付いただろうが、十一に検査を受けてから二十年以上雄大の体には大きな変化はなかった。男であるから定期的に性欲は湧いていたが、それも人並みに発散すれば落ち着いた。αに処方される薬は多少なりΩにも効くように出来ているとは聞く――予期せぬヒートにパートナーであるαの抑制剤を使ったという話はよくある――から雄大の場合も処方されていた薬が効果を発揮していたのだろうが、元来雄大のヒートが弱いというのも発情を抑えていた原因だろうと田口は言う。
「医学書通りであれば個人差はあるもののΩの発情頻度は概ね一ヶ月~三ヶ月毎です。門村先生には出来るだけ自然な形でヒートを迎えて欲しいと思っていますが、今のまま変化なく三ヶ月が過ぎるようなら医師として誘発剤を使うのが望ましいと考えています」
「……わかりました」
雄大の返事を聞いてから田口は机に向き直り、パソコン画面に何かしらを打ち込んでいく。診療記録を取っているのだろう。それが終わったら再び雄大の方へ体を向けた。
「戸賀井とはどのように過ごしてますか」
「え、どのようにとは?」
「コミュニケーションはどんなふうに?」
「コミュニケーション? ……普通ですけど」
「普通というのは? 戸賀井との暮らしを提案したのは門村さんのヒートを誘発するためで……強制ではないというのを前提に聞いて欲しいのですが、手を握ったり、ハグをしたり、一緒のベッドで眠る等、αの香りがする生活をして頂ければ何らかの変化が期待出来ます」
「香り、ですか」
「戸賀井の香りを感じませんか? 私もαですが、私からも感じない?」
質問に対し、「なにも感じない」と雄大は首を縦に振る。
「……門村さん、鼻詰まりはあります?」
「季節の変わり目には多少」
「花粉症の診断を受けたことはありますか?」
「病院に行くほどでもないので……花粉症かどうかは分かりませんけど、多分違うかと」
まさかαの匂いが嗅ぎ取れないのは鼻に問題があるからとか? そんな馬鹿な。
雄大の考えは伝わっているだろうに田口は薄っすらと笑みを浮かべながら「可能性があるならどんどん治療していかなきゃ。一応アレルギーの薬を出しておきますね」とカルテに書き込んでいく。
まるで人体実験でもされているようだ。田口のわくわくとした横顔を見ながら雄大は小さく息を吐いた。
よく通る鼻で医療施設特有の匂いを嗅ぎながら、アレルギーの薬を受け取って雄大は現在自宅として利用しているマンションへと帰った。
頭の中で今日田口に言われたことを思い出す。戸賀井とハグ? 一緒のベッドで眠る? 想像がつかな過ぎてスルーしてしまおうと玄関のドアを開く。
ここ二週間、体調に変化はないが部屋は随分と様変わりした。戸賀井の荷物が運び込まれて、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、備え付けの食器棚の中には皿類、キッチンの収納には一通りの調理器具が用意された。それだけではない。リビングにはテレビ、ソファー、本棚、それに加え観葉植物が置かれた。
レースのカーテンを開けて、光が差し込むとオリーブの木を陽の当たる場所に移動させる。本棚の中には戸賀井の私物と雄大の私物である小説や漫画が入っていて、雄大はそこから戸賀井が勧めてきた文庫本を取り出す。それを持ってソファーに腰掛ける。
毎日決まった時間に起きて、三食は自炊する。仕事には行かないが、暇だから各学年のテスト問題を作ったりする。天気の良い日は二十分ほど散歩に出かけ、コーヒーは飲みたい時に飲む。こうなってみて実感したことだが、趣味らしい趣味もなく、時間があってもやることは必要になるかも分からないテスト問題作り、緊急事態に話をしたいと思えるような友人もいない。
けれどそれを寂しいとも思わない。こんな自分に、交際してきた女性らははっきりと口にはしなかったが、つまらない男、恋人なのに距離がある、冷たい、と感じたはずだ。
好きになれなかったわけじゃない。可愛らしい、愛おしい、そんな感情があったことは確かなはずなのに、もう思い出せない。自分がΩで、彼女らもΩだったからだろうか。それが原因ならばαとなら上手くいくのだろうか。深く、心の奥底まで触れて愛し合えるのか。
「……はぁ」
記憶に残るような恋愛経験に乏しい過去をどんなに振り返ろうが、その形が変わるわけではない。雄大は深い溜息を吐いて膝の上に文庫本を置く。
目の前のテレビ台の横にはサンスベリアが置かれ、葉っぱが気持ち良いほどに真っ直ぐ上に伸びている。そういえば観葉植物には空気清浄の効果もあるらしい。
もしかして雄大の鼻が悪いと戸賀井も思っているのだろうか。
鼻詰まりでαの匂いが嗅ぎ取れないなんて聞いたことがない。でも田口の言うように三ヶ月の間に試せるものは何でも試した方が良いのだろう。
「戸賀井くんが帰って来たら話してみるか」
一人の部屋に雄大の声が響く。どんなに小さな声も吸収してしまうこの部屋で、雄大は独りきりではなかった。夜になれば必ず帰って来る、戸賀井の存在を感じながら膝に置いた文庫本を開いた。
「鼻詰まりが原因?」
「はっきりとは言わなかったけど、アレルギーの薬を出されたよ」
「それは田口先生から聞きました。でも単に門村先生が花粉症だからだと思ってました」
「今も鼻の通りは悪くないんだけどね。αの匂いが分からないって言ったら鼻詰まりを疑われたよ」
「鼻詰まりも多少は関係あるかもしれないですけど……αの匂いを感じなくてもΩは周期的にヒートが来るっていうのが医学的な考えだから……というか俺の匂いも分かりませんか?」
「日常生活でも他人の香りなんて気にしたことないよ。そりゃあたまに強烈な匂いを放ってる人もいるけど、あれは行き過ぎた体臭でαとかΩとか関係ないだろうし」
戸賀井は食卓に並べられた唐揚げと野菜サラダ、豆腐と野菜が浮かぶ味噌汁を順番に食べながら雄大の言葉に頷きを返す。
今日は遅くなりそうだから先に食べててください、とメッセージが来てから雄大は言われた通りに先に夕飯を済ませてシャワーを浴びた。
浴室から出ると戸賀井が帰宅していて、食卓で手を合わせているところだった。二週間で当たり前になった「ただいま」「おかえり」を交わして、昼間の診察の話をした。
「近くで嗅げばαの香りも感じるものかな」
タオルを首に掛けたまま、ペットボトルの水を持ってソファーに腰掛ける。自分の動きを戸賀井が追っているのが分かる。視線にはもう慣れたが、戸賀井は雄大を執拗に眺める。癖と言ってもいいそれを「他ではしない方がいい。今の社会は厳しいよ」なんて優秀なαに必要もないような指摘をしたら「門村先生しか見ていません」と返ってきた。
それは「観察対象だから」という意味で受け取って以来、雄大は見られることは気にしなくなった。
「近くって言っても一緒に暮らしてるんだからそこかしこに俺の匂いがあるはずなんですけど」
「そうだよねぇ……戸賀井くん、それ食べたらこっちに来てよ」
大口で白米を掻き込む彼を、若いなと思いながら雄大は自分の隣へと誘った。咀嚼に勤しむ戸賀井は眉を寄せつつ、口の中の物を急いで飲み込もうと味噌汁に手を伸ばしていた。
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