先生と。

華月和泉

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1話ー始まりー

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「どう、ですか?」
ちら、と障子から顔を出して問えば、にこり、と微笑まれた。
「うん、いい出来だと思うよ。」
「本当ですか、良かった……。」
彼から褒めてもらえたことに安堵の息を漏らす。
「よく、頑張ったね。中学の頃のお点前とは全然違っただろうに……。数ヶ月でよくここまで出来たね。えらいえらい。」
くしゃくしゃと頭を撫でられる。少し、照れくさい。
「お点前、同じ裏千家でも立礼は初めてで緊張はしっぱなしでしたし、最中もドキドキしながらやってたんですけど…。先生に褒められたなら、自信がつきました。」
少しだけはにかんで先生にそう言えば、先生もふわりと優しく微笑んでくれた。
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