先生と。

華月和泉

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2話

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俺、瀬々野結(せぜの ゆう)は、☆☾学院(ホシツキガクイン)の高等部1年生。
入学してすぐの部活勧誘で涙目で「茶道部、入りませんか……。」とオロオロして、まるで捨てられた子犬のようにしていた、部長・堀川 咲良(ほりかわ さくら)さんを見つけ、声をかけ、色々あって茶道部に入部することになった。☆☾学院の茶道部は、中等部・高等部別々らしいんだけど……。(ちなみに中等部から高等部へはエスカレーター式ではなく、受験が必要らしい。同じ学校なのに大変だよね?まぁ俺は外部から来たんだけど。)
俺以外の部員は全員先輩。
3年生ひとり、2年生ごにん、1年生ひとり。
おわかりでしょうか?「えぇ、7人もいるじゃん。」って思った人。こんなの実質大会だと4人になるからね。
まず、3年生の先輩は就職か進学か、なんていう進路についての話し合いとかもあって卒部しちゃってるし(それでも忙しい時間を縫ってたまに練習には顔を出してくれるんだけど、やっぱり大会となると厳しくなるみたいで)、それに大会ではお点前をする。亭主と半東が必要だから必然的に水屋(お客さんのお茶を立てたり、お菓子を出したり…まぁとても大切な役である。縁の下の力持ち…みたいな)が4人になる。
大勢のお客さんがいた場合、4人でお茶を立てて運んで…って結構キツい。なおかつお抹茶を飲み終わったお茶碗の回収なんかもしなきゃだし…とにかく、大変である。
それに「人数が少ないから」といって俺にまで大会でのお点前、しかも亭主や半東の役が回ってきてしまったのだ。
そして、入部して数ヶ月で大会に出なければならなかった俺は外部講師である城野景斗(しろのかげと)さんに部活日出ない日に練習に付き合ってもらっていた。
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