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学校までついてきて困っています。
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「婚約者を守る為にも添い寝は大事だろう?」
「私が貴方から身を守りたいんですけどね……」
「けど、一人で眠るよりは二人で眠った方が安心できるだろう? 静流が言ってた」
「そ、それは静流さんにとって貴方が特別だったから……」
「大丈夫だ。雫もその内分かるようになる。俺と添い寝したら安眠できると」
「な、なりません!」
「けど、さっき泣いてたな? やはり雫も優しいんだな」
「だ、だって、あの静流さんのお父さんや村人達あまりに酷くて……」
「人を簡単に信用するなと父さんに言われていたのを忘れていたのは俺だ。自業自得」
そんな……。
「そんなの酷い……」
「だから、俺は人を簡単に信用するのをこれからやめようと思う。失敗から人は学ぶと言うしな。けど….…雫の事だけは信用する」
「あ、会ったばかりの私をですか?」
「ああ。雫は俺の為に泣いてくれたからな」
何で今、一瞬ドキッとしたんだろう、私。
まだ会って間もないのに彼が初めて会った人とは思えないの。
「行ってきまーす!」
「い、行ってきます」
身支度を終え、朝食を食べると、彼と私は学校へ向かう。
やっぱり学校行くんだ、響斗くんも!
「何故離れて歩く?」
「め、目立ちたくないから!」
「しーずーくー」
クラスも同じだったりしないよね?
どうしよう、響斗くんが同じクラスなんかになったら色々まずい。目立たないようにしてきたのに目立ってしまうし。
だけど、神様は意地悪だ。
「転校生の黒月響斗です。宜しくお願いします。イギリス人と日本人のハーフですので、こんな外見をしていますが、日本語は話せます。宜しくお願いします」
爽やかな笑顔で教壇の前に立つ響斗くん。
「やっぱり……」
クラス内はざわつく。
「何、あの目も眩むようなイケメンは!」
「外国人モデルみたい!」
「朝倉くんと良い勝負だよねー」
やっぱり女の子を魅了する能力な健在な模様。
「何か分からない事があったらクラス委員の朝倉くんに聞きなさい」
「はい、ありがとうございます」
担任の先生、男なのに顔を赤らめてる!吸血鬼怖い。
とりあえず、余計な事言わないで! 響斗くん!
「雫! 同じクラスだな! やはり俺達はそういう運命なんだな」
「えっ!?」
祈ったそばから余計な一言!!
「何? 月宮さんの知り合い?」
「ど、どういう関係?」
さらにクラス内がざわついちゃったし!
「そうそう! 雫は俺の婚……」
「せ、先生! 黒月くんの席はどちらですか?」
「あ、ああ。佐川の隣な」
な、なんとか遮った!
何としてでも響斗くんが私を婚約者だと話さないようにしなきゃ!
朝倉くんに誤解されちゃう!
「黒月くんって前はどこにいたの?」
「あぁ、田舎だよ。言っても伝わらないかも」
「英語話せるの?」
「まあね。と言ってもイギリスにいたのは随分前だから自信無いな」
休み時間になると、響斗くんは女子達に囲まれていた。
朝倉くん派と響斗くん派で分かれそうなくらい私以外の女子皆、響斗くんか朝倉くんの周りを取り囲んでいる。
「イケメンは朝倉だけで充分だろ」
「神様は意地悪だぁ!」
男子達は女子皆二人のどちらかに持って行かれる事になり、落ち込んでいる。
「月宮さん」
「は、はい!」
いきなり朝倉くんに声をかけられ、私は動揺する。
「黒月と仲が良いんだね?」
「そ、そんな。し、親戚なだけで……」
嘘つくしかないよね、もう。
「そうなんだ?」
「何が親戚だよ。フィアンセだろ?」
「ひ、響斗くん!?」
響斗くんが話に入ってきた!
「フィアンセ?」
「ち、違うんです! ひ、響斗くんは軽いからすぐそういう発言を……」
「ひどいなぁ、雫は。俺、本気なのに」
「か、からかうのはいけません!」
「照れ屋だな」
「違う!!」
本当勘弁してー!!
「ふふ。仲良しなんだね、黒月と月宮さん」
「ほ、本当にそんなんじゃないので……」
好きな人に勘違いされるのは辛い。
「何なわけ? 月宮さん」
「黒月くん、何であんな地味な子と仲良くしてんだろ」
「朝倉くんもやたらと月宮さんには優しいしさ」
女子達の鋭い視線が私に突き刺さる。
ほら、こういうのが嫌だったんだ。
「何なんだ? 皆して雫を悪く言って」
「ひ、響斗くん! 私は慣れてるから。それに、普段クラスで空気みたいな私が目立ったら誰だって気になるんじゃないかな。私、暗いし、皆みたいに可愛くもないし……なのに、響斗くんと……」
「は? 雫は可愛いだろ。皆の目がおかしいんだ」
「すぐそういう軽い言葉を言う……」
響斗くんは私を見てヒソヒソ話す女子達を睨みつける。
「い、威嚇はだめです!」
「む……」
「お、落ち着きましょう?」
「好きな子が悪く言われて黙っているような男は漢じゃない」
「す、す、す!?」
落ち着くのよ、雫。響斗くんからしたら私は飼い主みたいな感覚なのかも!
召喚させて助けたから懐かれたというか。目覚めて初めて見た人間が私だからひよこみたく….…。
「月宮さんと黒月、仲良くて羨ましいな」
「あ、朝倉くん!?」
ち、違うんです!!
「私が貴方から身を守りたいんですけどね……」
「けど、一人で眠るよりは二人で眠った方が安心できるだろう? 静流が言ってた」
「そ、それは静流さんにとって貴方が特別だったから……」
「大丈夫だ。雫もその内分かるようになる。俺と添い寝したら安眠できると」
「な、なりません!」
「けど、さっき泣いてたな? やはり雫も優しいんだな」
「だ、だって、あの静流さんのお父さんや村人達あまりに酷くて……」
「人を簡単に信用するなと父さんに言われていたのを忘れていたのは俺だ。自業自得」
そんな……。
「そんなの酷い……」
「だから、俺は人を簡単に信用するのをこれからやめようと思う。失敗から人は学ぶと言うしな。けど….…雫の事だけは信用する」
「あ、会ったばかりの私をですか?」
「ああ。雫は俺の為に泣いてくれたからな」
何で今、一瞬ドキッとしたんだろう、私。
まだ会って間もないのに彼が初めて会った人とは思えないの。
「行ってきまーす!」
「い、行ってきます」
身支度を終え、朝食を食べると、彼と私は学校へ向かう。
やっぱり学校行くんだ、響斗くんも!
「何故離れて歩く?」
「め、目立ちたくないから!」
「しーずーくー」
クラスも同じだったりしないよね?
どうしよう、響斗くんが同じクラスなんかになったら色々まずい。目立たないようにしてきたのに目立ってしまうし。
だけど、神様は意地悪だ。
「転校生の黒月響斗です。宜しくお願いします。イギリス人と日本人のハーフですので、こんな外見をしていますが、日本語は話せます。宜しくお願いします」
爽やかな笑顔で教壇の前に立つ響斗くん。
「やっぱり……」
クラス内はざわつく。
「何、あの目も眩むようなイケメンは!」
「外国人モデルみたい!」
「朝倉くんと良い勝負だよねー」
やっぱり女の子を魅了する能力な健在な模様。
「何か分からない事があったらクラス委員の朝倉くんに聞きなさい」
「はい、ありがとうございます」
担任の先生、男なのに顔を赤らめてる!吸血鬼怖い。
とりあえず、余計な事言わないで! 響斗くん!
「雫! 同じクラスだな! やはり俺達はそういう運命なんだな」
「えっ!?」
祈ったそばから余計な一言!!
「何? 月宮さんの知り合い?」
「ど、どういう関係?」
さらにクラス内がざわついちゃったし!
「そうそう! 雫は俺の婚……」
「せ、先生! 黒月くんの席はどちらですか?」
「あ、ああ。佐川の隣な」
な、なんとか遮った!
何としてでも響斗くんが私を婚約者だと話さないようにしなきゃ!
朝倉くんに誤解されちゃう!
「黒月くんって前はどこにいたの?」
「あぁ、田舎だよ。言っても伝わらないかも」
「英語話せるの?」
「まあね。と言ってもイギリスにいたのは随分前だから自信無いな」
休み時間になると、響斗くんは女子達に囲まれていた。
朝倉くん派と響斗くん派で分かれそうなくらい私以外の女子皆、響斗くんか朝倉くんの周りを取り囲んでいる。
「イケメンは朝倉だけで充分だろ」
「神様は意地悪だぁ!」
男子達は女子皆二人のどちらかに持って行かれる事になり、落ち込んでいる。
「月宮さん」
「は、はい!」
いきなり朝倉くんに声をかけられ、私は動揺する。
「黒月と仲が良いんだね?」
「そ、そんな。し、親戚なだけで……」
嘘つくしかないよね、もう。
「そうなんだ?」
「何が親戚だよ。フィアンセだろ?」
「ひ、響斗くん!?」
響斗くんが話に入ってきた!
「フィアンセ?」
「ち、違うんです! ひ、響斗くんは軽いからすぐそういう発言を……」
「ひどいなぁ、雫は。俺、本気なのに」
「か、からかうのはいけません!」
「照れ屋だな」
「違う!!」
本当勘弁してー!!
「ふふ。仲良しなんだね、黒月と月宮さん」
「ほ、本当にそんなんじゃないので……」
好きな人に勘違いされるのは辛い。
「何なわけ? 月宮さん」
「黒月くん、何であんな地味な子と仲良くしてんだろ」
「朝倉くんもやたらと月宮さんには優しいしさ」
女子達の鋭い視線が私に突き刺さる。
ほら、こういうのが嫌だったんだ。
「何なんだ? 皆して雫を悪く言って」
「ひ、響斗くん! 私は慣れてるから。それに、普段クラスで空気みたいな私が目立ったら誰だって気になるんじゃないかな。私、暗いし、皆みたいに可愛くもないし……なのに、響斗くんと……」
「は? 雫は可愛いだろ。皆の目がおかしいんだ」
「すぐそういう軽い言葉を言う……」
響斗くんは私を見てヒソヒソ話す女子達を睨みつける。
「い、威嚇はだめです!」
「む……」
「お、落ち着きましょう?」
「好きな子が悪く言われて黙っているような男は漢じゃない」
「す、す、す!?」
落ち着くのよ、雫。響斗くんからしたら私は飼い主みたいな感覚なのかも!
召喚させて助けたから懐かれたというか。目覚めて初めて見た人間が私だからひよこみたく….…。
「月宮さんと黒月、仲良くて羨ましいな」
「あ、朝倉くん!?」
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