ライゼン通りの錬金術師さん~錬金術工房はじめます~

水竜寺葵

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ライゼン通りの錬金術師さん6 ~黒の集団の陰謀~

七章 何かが起こりそうな午後

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 採取地から戻って来たソフィアは工房へと帰り早速錬金術の準備をしていた。

「さて、ポルトやるわよ」

「薬系と水系はおいらに任せて」

彼女の言葉にポルトが答える。

「赤の薬と緑の薬それから青の薬っと綺麗な水に蒸留水」

「ポルトが作ってくれた赤の薬とカラフル草。それから火薬を混ぜてっとできたわ煙玉」

ポルトが作り上げた薬を使いすぐに錬成をした。

「こいつがあればカラフルな粉が相手にくっついて逃げてもその粉を追いかければどこにいるのか分かるっていう防犯用のアイテムだよね」

「えぇ。そうよ。さ続けていくわよ」

彼女の言葉にポルトも出来上がった薬などを渡す。

「緑の薬に踊るキノコを入れてそれから木立の枝を加えてっと……完成よ」

「動いてる~」

出来上がったのはうねうねと動く観葉植物でその様子にポルトが楽しそうな声をあげた。

「これも防犯用のアイテムなの。ただの観葉植物だと思って近づいた途端絡みついて身動きが取れなくなってしまうのよ。さ、これを工房の入り口に飾っておきましょう」

「は~い」

ソフィアの話を聞き理解した彼が動く観葉植物を扉の横へと配置する。

「続いていくよ。青の薬にマンドラコラの根。それから朝雫の葉と蒸留水を入れてっと」

「おぉ~。究極の栄養剤の完成だ!」

「レイヴィンさん達夜遅くまでパトロールするって言っていたから。これがあれば元気になれるんじゃないかしら」

出来上がった栄養剤を見て笑顔を浮かべるポルトへと彼女もにこりと微笑み語る。

「隊長達。寝ずの番もするって言っていたもんね。きっとこれが役に立つよ」

「さ、最後は青の薬に綺麗な水。それからフラワードードの羽を混ぜてっと……完成よ」

彼の言葉を聞きながら小さく頷くと最後の錬成をした。

「綺麗な水ペンだね。これは如何使うの?」

「こうやって使うのよ」

水ペンを空中へと投げつけるとそれは宙で留まり何事か文字を書き始めた。

「き・よ・う・の・ゆ・う・は・ん・は……シチューぅ? なにこれ」

「仲間にメッセージを書き残しておくことが出来るのよ。ポルトこの前に立ってごらんなさい」

空中に浮かんだ文字を読み上げ不思議そうにするポルトへとソフィアは説明するより実践してみたら分るといいたげに話す。

「うん。うわぁ~。さっきの文字が浮かび上がってきている!?」

「この水ペンの効果は三日間は消えないからレイヴィンさん達が見なかったとしても他の騎士団や冒険者の人達が見ればメッセージを伝えてくれるでしょ」

言われた場所に立った途端先ほどの文字が再び浮かび上がって来て驚く彼へと彼女は小さく笑いながら答えた。

「そっか。でももし黒の集団に見られちゃったら?」

「その時の事もちゃんと考えてあるわ。これよ」

彼の言葉を予想していたように彼女はあるものを取り出す。

「これは……味方識別のペンダント」

「このペンダントとさっき作った水ペンを合わせたら。ほら味方識別の効果がつくの。ポルト。ペンダントを身に着けて見て」

「うん」

ソフィアの指示にペンダントを身に着ける。

「私が今から文字を書くからここに立ってみてね」

「分かった。えっと。き・ょ・う・は・け・ぇ・き・を・買いに行くぅ!!」

水ペンで文字が書かれると先ほどと同じ様に消える。ポルトがその場所へと立つと文字が浮かび上がった。

「そうして、私がその場所へと立っても……ほらね。文字は浮かばない」

「本当だ。それじゃあこの味方識別のペンダントをつけている人じゃないと反応しないようになっているんだね」

「そう言う事。これは黒の集団を捕まえるために集められた人達だけに配る予定よ」

「これなら絶対上手くいくよ。流石お姉さん」

二人で話し合っていたその時扉が叩かれ誰かが入って来る。

「はい。どちら様でって、ディッドさん?」

注意深く周囲に誰もいないことを確認しながら部屋へと入って来たのはディッドでソフィアは如何したのだろうと近寄った。

「失礼します。ソフィーさんにお話が」

「すごく大事な話なのね」

深刻な表情で語る彼の言葉に彼女も真面目な顔になり話を聞く態勢へとなる。

「国王様よりライゼン通りの錬金術師ソフィアさんに召集がかかりました。明日の朝至急お城へとお越しください。なお俺が来た事やこの件は内密にお願い致します」

「分かったわ」

「おいらも絶対誰にも言わないよ」

ディッドの言葉に二人は神妙な面持ちで頷く。

「では、俺はこれで失礼します」

彼が出て行くと工房の中は一気に緊張の糸がほぐれ穏やかな空気に戻る。

レオからの招集とはいったい何が起ころうとしているのか。それは国家秘密と関わる事なのか今のソフィアにはまだ分からない事であった。
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