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第7話 柵とルール
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嵐の名残りで、柵はところどころ歪んでいた。
板は割れ、縄はほどけ、
境界は曖昧になっていた。
――けれど牧場には、
命を守る線が必要だ。
仲間を外から守り、
そして外の人を安心させるために。
僕は木槌を握りしめ、
一枚一枚の板を打ち直す。
トン、と響く音に合わせて、
ギンは釘を咥えて駆け回り、
モチョは落ちた木屑を吸い込む。
リューは翼を広げて日陰をつくり、
フィーネは遠巻きに見守りながら、
花を踏まぬように足を揃えて立っていた。
柵は境界。
けれど決して隔たりではない。
「ここまでは安全です」
「ここからは互いに気をつけましょう」
そう伝えるための“言葉”だ。
だから、板の上に札を掛けた。
緑は安心、黄は注意、赤は立入禁止。
色分けはモチョが作ってくれた。
吸い込んだ草や花で色を染め、
ぷるぷると揺れながら乾かしてくれた。
風に揺れる札は、
小さな牧場の掟のように見えた。
「ルールは縛るものじゃない。
安心して近づくための約束だ」
僕が呟くと、
老人は目を細めて頷いた。
夕暮れ、柵に寄り添って立つと、
まるで世界の輪郭が整ったように見えた。
仲間たちが駆けまわる姿も、
訪れる人の足跡も、
その中でひとつの物語になる。
――柵とルール。
それは恐れを遠ざける壁ではなく、
共に暮らすための扉だった。
板は割れ、縄はほどけ、
境界は曖昧になっていた。
――けれど牧場には、
命を守る線が必要だ。
仲間を外から守り、
そして外の人を安心させるために。
僕は木槌を握りしめ、
一枚一枚の板を打ち直す。
トン、と響く音に合わせて、
ギンは釘を咥えて駆け回り、
モチョは落ちた木屑を吸い込む。
リューは翼を広げて日陰をつくり、
フィーネは遠巻きに見守りながら、
花を踏まぬように足を揃えて立っていた。
柵は境界。
けれど決して隔たりではない。
「ここまでは安全です」
「ここからは互いに気をつけましょう」
そう伝えるための“言葉”だ。
だから、板の上に札を掛けた。
緑は安心、黄は注意、赤は立入禁止。
色分けはモチョが作ってくれた。
吸い込んだ草や花で色を染め、
ぷるぷると揺れながら乾かしてくれた。
風に揺れる札は、
小さな牧場の掟のように見えた。
「ルールは縛るものじゃない。
安心して近づくための約束だ」
僕が呟くと、
老人は目を細めて頷いた。
夕暮れ、柵に寄り添って立つと、
まるで世界の輪郭が整ったように見えた。
仲間たちが駆けまわる姿も、
訪れる人の足跡も、
その中でひとつの物語になる。
――柵とルール。
それは恐れを遠ざける壁ではなく、
共に暮らすための扉だった。
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