【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん

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第43話 広がる信頼、忍び寄る陰謀

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辺境の町。
鈴の花の旗を掲げた商館の前に、人々が次々と集まっていた。

「護衛隊が街道を守ってくれたんだってな!」
「荷も無事に届いたらしい! これで明日の市も安心だ!」

歓声と拍手が響き渡り、子供たちは小さな鈴の花を胸に飾って走り回っていた。

ノラはその光景を見て、目を輝かせる。
「お嬢様……みんなが、鈴の花を誇りにしてます!」

マリエールは頷き、帳面に新たな項目を記した。
――「護衛隊初陣=成功」
――「信頼度=辺境・隣国で拡大」
――「課題:王都への政治的対応」

「信頼は広がった。……だからこそ、次は必ず新たな妨害が来るわ」

◇ ◇ ◇

同じ頃、王都の薄暗い館。
ギルド幹部たちが再び集まっていた。

「武力で押さえられぬとなれば、別の手だ」
「議会や貴族に働きかけ、“辺境商会は国を乗っ取る野望を持っている”と噂を流すのだ」

ひとりが黒い封書を取り出した。
「すでに動いている。……辺境の令嬢が“隣国に忠誠を誓った”と、偽の証文を用意した」

重苦しい笑いが、部屋を満たした。

◇ ◇ ◇

隣国グラディエルの街。
商人仲間から耳打ちされたトマスが、険しい顔で館に戻った。

「お嬢様……王都に、妙な噂が流れ始めています。
“辺境商会は隣国に膝を折り、裏切ろうとしている”と……!」

ノラが蒼ざめる。
「そんな……完全な捏造です!」

マリエールは帳面を開き、冷静に書き記した。
――「新たな脅威:政治的誹謗」
――「方法:偽証文・噂」
――「対策:透明性の拡大+公証人」

「彼らは、もう力ではなく“言葉”で私たちを殺そうとしているのね……」
灰色の瞳が冷たく光る。
「ならば、こちらも“真実の言葉”で応えるしかない」

◇ ◇ ◇

その夜、館の窓辺に立つマリエールの背後で、寡黙な大剣の男が静かに佇んでいた。
彼は一言も発さなかったが、その存在が大きな守りの壁のように感じられた。

マリエールは白い鈴の花を手に取り、小さく呟いた。
「真実を示し続ければ、必ず光は残る……」

◇ ◇ ◇

遠くの高楼。
紳士は、杯を傾けながら報告を受けていた。

「殿下、ギルドはついに政治的な謀略に移ったようです」
「……やはりか」

紳士はゆるやかに笑った。
「良い。これで彼女は本物の“政治の荒波”に立たされる。
だが彼女ならば――必ず生き抜く」

月光がその横顔を照らし、未来を予感させるように輝いた。
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