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ー光ー 第四章 玲瓏美国
第六十五話 祭り
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次の日。
朝食を食べ終わったあと、三神は昼食の時間まで舞の練習をした。そして、午後十四時三十分に玲瓏美国の広場に案内された。
そこには大きなテーブルと椅子が用意されている。
美家の神と、天光琳たちの人数分用意されているため、きっとここに座るのだろう...と天光琳は思った。
テーブルの上はお茶やスイーツなどが用意されていた。
...何故かマカロンだけ沢山ある。
「マカロン多くないか?」
「まさか......」
二神は苦笑いしながら美梓豪を見た。
美梓豪はウインクをした。
恐らく、昨日天光琳がマカロンにハマっていると言ったから、沢山用意してくれたのだろう。
天光琳は嬉しくなった。
15時になった。
ドンッと大きな音が聞こえ、上を見上げると、花火が打ち上げられていた。
花火は神の力で作られたものなのだろうか。
花火は打ち上がったあと、桜雲天国の桜の花びらのように、透き通った光り輝く花びらがふわふわと舞っている。
「綺麗...!」
「凄いな、久しぶりに花火をみたよ」
「ふふ、私もよ」
三神はカラフルで美しい花火につい見とれてしまった。
花火が打ち上がってから約一分後、舞台の前に玲瓏美国の女神が立った。
司会役だろうか。
「さぁ、始まりました!五年に一度の玲瓏美国、玲瓏祭り~!!」
女神は元気よくそう言うと、玲瓏美国の神々はおぉっと声を上げて拍手をした。
天光琳達も周りに合わせて拍手をした。
「今回は桜雲天国の天麗華様、天光琳様、天俊熙様が来ておりまーす!皆さん、拍手を!」
大勢の神々が天光琳たちの方へ視線を向け、拍手をした。
「奇跡の神、天麗華様だ!また来てくれたんだ!」
「麗華様お久しぶりでーす!」
天麗華は微笑み、手を振った。
天麗華と目が合った神々は男神も女神も天麗華の美しさに見とれてしまう。
さすが天麗華だ。
(凄いな...)
天光琳は羨ましそうに思いながら眺めていると......嫌な言葉が耳に入ってきた。
「あそこにいるの...天光琳じゃない?」
「え?どれ?」
「真ん中に座ってる神」
天光琳は指をさされ、目を逸らした。
「あー、あのチビか」
「よく遊びに来れるよね。梓豪様も天王もよく許したわね」
「恥ずかしくないのかな」
「......」
やはりここでも自分のことを悪く思う神はいた。分かっていたことだが、どうしても良い気分にはなれない。
話し声は天光琳と天俊熙にしか聞こえていないようだ。
天麗華たちは、手を振ったりして、玲瓏美国の神々の相手をしている。
天麗華は皆から愛されているのに比べ、天光琳はどうだ......嫌われている。
天光琳は深いため息をついた。
「気にするな」
「大丈夫。慣れてるから」
天光琳は平気だと笑いながら言ったつもりなのだが......天俊熙には全然平気そうには見えないそうだ。
「慣れてないだろ。目が真っ赤だ」
天光琳は涙が流れてきそうで、必死に堪えていた。しかし涙は濡れ、目は真っ赤に染まっている。
「目がかゆい」
「嘘つくな。我慢するのは良くないぞ...?」
天俊熙がそう言うと、天光琳は目を逸らした。
「......」
「......大丈夫か?」
天光琳は突然首を横に振った。
そして頬を二回叩いた。
「は~~、せっかくのお祭りが台無しになるところだったじゃん!危ない危ない!」
「......」
天光琳は作り笑顔でそういい、マカロンを一つ手に取った。そして椅子の背もたれにもたれかかり、マカロンを一口食べた。
しかしマカロンを持つ手は震えていた。
✿❀✿❀✿
祭りが始まり、賑やかになった。
舞台で玲瓏美国の神々が演奏をしている。
天光琳は先程のことを忘れ、楽しむことにした。
演奏が終わると、必ず笑顔で大きな拍手をする。
その姿を見て、天麗華と美梓豪たちは微笑む。
しかし、さきほとのこともあり、天俊熙はどうしても楽しむことが出来なかった。
「俊熙くん、どうしたの?」
美朝阳は心配そうに聞いた。
「あー、すいません。緊張しちゃって」
天俊熙は誤魔化した。
「あ、そうか。この後、あそこで舞を見せてくれるんだよね。...それは緊張するよね」
「はい」
天俊熙は苦笑いした。
ちょうど、この演奏が終わったら天俊熙たちの番だ。
上手く誤魔化せたと天俊熙はホッと息を吐く。
(これ以上、光琳が辛い思いをすることがないようにしなければ......。じゃないと......)
手を強く握りしめた。
✿❀✿❀✿
「お次は~、桜雲天国の天麗華様、天光琳様、天俊熙様が舞を披露してくださるそうです!」
三神は舞台へ上がる階段の近くで待機している。
「頑張りましょうね!」
「「はい!」」
三神は扇を持ち、準備をした。
「準備はよいですか?」
司会役の女神が聞くと、三神は頷いた。
「はい、それでは、桜雲天国の舞、『桜花爛漫之舞』が始まります!皆さん、拍手を!!」
わっと大きな拍手が聞こえてきた。
三神は顔を合わせて頷くと、天俊熙、天麗華、天光琳の順で舞台に上がった。
(沢山いる...)
座って、舞台をずっと見ていたため、こんなにいるなんて知らなかった。
花見会の時は、天光琳が舞う...ということはスケジュールになかったため、そこまで多くの神々が見に来ていた訳ではなかったが、今回は
『〇〇時〇〇分 桜雲天国の舞』
とスケジュールに載っているいる為、多くの玲瓏美国の神々が見に来ている。
「玲瓏美国の皆様、こんにちは!私たちが踊る舞は......」
天麗華が桜雲天国の舞について説明してくれている。
その間、天俊熙と天光琳は前を見て立っているだけだ。
たまに天光琳の方を見て、笑うもの、不機嫌そうな顔をするものなどいるが、天光琳は気にしない...と目をそらす。
天麗華の説明が終わり、三神はお辞儀をした。
そして、天俊熙、天光琳は一歩前に立ち、扇を顔の前まで持ってきて、構えた。
周りが静かになると、天麗華は扇を開き、回った。すると、扇の上に桃色の光が現れ、それを上へと飛ばした。
その光はキラキラと輝き、三神を照らした。
そしてその光から曲が流れた。
天光琳、天俊熙もバッと扇を広げ、三神は舞を始めた。
出だしは練習通り、バッチリだ。
「すごい!」
「なんて美しい舞なんだ...」
「麗華様たち、息ぴったりだわ!」
三神の美しい舞に皆は見とれている。
そして花見会同様、天光琳の舞を見て驚く神々も多かった。
しかし天光琳は調子に乗ることなく、いつも通りに舞をする。
時々、天俊熙や天麗華と目が合う。
その度、微笑みお互いの緊張を和らげていった。
桜雲天国のように桜は散っておらず、少し物足りない感じがした。
すると、天麗華は舞いながら神の力を使い、神の力で作られた桜の花びらを散らせた。
おぉーと、驚く声が聞こえ、さらに盛りあがった。
三神はズレることなく、息を合わせて美しい舞を舞っていく。
「麗華お姉様たちきれー!!」
「私も踊ってみたい......」
美夢華と美雪蘭は目を輝かせながら真剣に見ている。
「あの方たちが昨日のお兄様たちだとは思えない......」
「それは失礼だぞ?」
昨日、温泉で散々いじられた美暁龍は信じられず、そう言うと、美朝阳が苦笑いしながら言った。
「光琳さん、神の力が使えない...と言われているけれど、舞は本当に美しいですね...!順位を付けることはあまり良くないけれど......光琳さんが一番綺麗に見えます」
「あの子はたくさん努力しているんだ。努力の塊だよ」
美鈴玉が言うと、美梓豪は天光琳たちの舞から目を離さず、美鈴玉に言った。
「凄いですね......」
「本当にそうよね。目が離せないわ」
美ルーナも三神を見ながら言った。
朝食を食べ終わったあと、三神は昼食の時間まで舞の練習をした。そして、午後十四時三十分に玲瓏美国の広場に案内された。
そこには大きなテーブルと椅子が用意されている。
美家の神と、天光琳たちの人数分用意されているため、きっとここに座るのだろう...と天光琳は思った。
テーブルの上はお茶やスイーツなどが用意されていた。
...何故かマカロンだけ沢山ある。
「マカロン多くないか?」
「まさか......」
二神は苦笑いしながら美梓豪を見た。
美梓豪はウインクをした。
恐らく、昨日天光琳がマカロンにハマっていると言ったから、沢山用意してくれたのだろう。
天光琳は嬉しくなった。
15時になった。
ドンッと大きな音が聞こえ、上を見上げると、花火が打ち上げられていた。
花火は神の力で作られたものなのだろうか。
花火は打ち上がったあと、桜雲天国の桜の花びらのように、透き通った光り輝く花びらがふわふわと舞っている。
「綺麗...!」
「凄いな、久しぶりに花火をみたよ」
「ふふ、私もよ」
三神はカラフルで美しい花火につい見とれてしまった。
花火が打ち上がってから約一分後、舞台の前に玲瓏美国の女神が立った。
司会役だろうか。
「さぁ、始まりました!五年に一度の玲瓏美国、玲瓏祭り~!!」
女神は元気よくそう言うと、玲瓏美国の神々はおぉっと声を上げて拍手をした。
天光琳達も周りに合わせて拍手をした。
「今回は桜雲天国の天麗華様、天光琳様、天俊熙様が来ておりまーす!皆さん、拍手を!」
大勢の神々が天光琳たちの方へ視線を向け、拍手をした。
「奇跡の神、天麗華様だ!また来てくれたんだ!」
「麗華様お久しぶりでーす!」
天麗華は微笑み、手を振った。
天麗華と目が合った神々は男神も女神も天麗華の美しさに見とれてしまう。
さすが天麗華だ。
(凄いな...)
天光琳は羨ましそうに思いながら眺めていると......嫌な言葉が耳に入ってきた。
「あそこにいるの...天光琳じゃない?」
「え?どれ?」
「真ん中に座ってる神」
天光琳は指をさされ、目を逸らした。
「あー、あのチビか」
「よく遊びに来れるよね。梓豪様も天王もよく許したわね」
「恥ずかしくないのかな」
「......」
やはりここでも自分のことを悪く思う神はいた。分かっていたことだが、どうしても良い気分にはなれない。
話し声は天光琳と天俊熙にしか聞こえていないようだ。
天麗華たちは、手を振ったりして、玲瓏美国の神々の相手をしている。
天麗華は皆から愛されているのに比べ、天光琳はどうだ......嫌われている。
天光琳は深いため息をついた。
「気にするな」
「大丈夫。慣れてるから」
天光琳は平気だと笑いながら言ったつもりなのだが......天俊熙には全然平気そうには見えないそうだ。
「慣れてないだろ。目が真っ赤だ」
天光琳は涙が流れてきそうで、必死に堪えていた。しかし涙は濡れ、目は真っ赤に染まっている。
「目がかゆい」
「嘘つくな。我慢するのは良くないぞ...?」
天俊熙がそう言うと、天光琳は目を逸らした。
「......」
「......大丈夫か?」
天光琳は突然首を横に振った。
そして頬を二回叩いた。
「は~~、せっかくのお祭りが台無しになるところだったじゃん!危ない危ない!」
「......」
天光琳は作り笑顔でそういい、マカロンを一つ手に取った。そして椅子の背もたれにもたれかかり、マカロンを一口食べた。
しかしマカロンを持つ手は震えていた。
✿❀✿❀✿
祭りが始まり、賑やかになった。
舞台で玲瓏美国の神々が演奏をしている。
天光琳は先程のことを忘れ、楽しむことにした。
演奏が終わると、必ず笑顔で大きな拍手をする。
その姿を見て、天麗華と美梓豪たちは微笑む。
しかし、さきほとのこともあり、天俊熙はどうしても楽しむことが出来なかった。
「俊熙くん、どうしたの?」
美朝阳は心配そうに聞いた。
「あー、すいません。緊張しちゃって」
天俊熙は誤魔化した。
「あ、そうか。この後、あそこで舞を見せてくれるんだよね。...それは緊張するよね」
「はい」
天俊熙は苦笑いした。
ちょうど、この演奏が終わったら天俊熙たちの番だ。
上手く誤魔化せたと天俊熙はホッと息を吐く。
(これ以上、光琳が辛い思いをすることがないようにしなければ......。じゃないと......)
手を強く握りしめた。
✿❀✿❀✿
「お次は~、桜雲天国の天麗華様、天光琳様、天俊熙様が舞を披露してくださるそうです!」
三神は舞台へ上がる階段の近くで待機している。
「頑張りましょうね!」
「「はい!」」
三神は扇を持ち、準備をした。
「準備はよいですか?」
司会役の女神が聞くと、三神は頷いた。
「はい、それでは、桜雲天国の舞、『桜花爛漫之舞』が始まります!皆さん、拍手を!!」
わっと大きな拍手が聞こえてきた。
三神は顔を合わせて頷くと、天俊熙、天麗華、天光琳の順で舞台に上がった。
(沢山いる...)
座って、舞台をずっと見ていたため、こんなにいるなんて知らなかった。
花見会の時は、天光琳が舞う...ということはスケジュールになかったため、そこまで多くの神々が見に来ていた訳ではなかったが、今回は
『〇〇時〇〇分 桜雲天国の舞』
とスケジュールに載っているいる為、多くの玲瓏美国の神々が見に来ている。
「玲瓏美国の皆様、こんにちは!私たちが踊る舞は......」
天麗華が桜雲天国の舞について説明してくれている。
その間、天俊熙と天光琳は前を見て立っているだけだ。
たまに天光琳の方を見て、笑うもの、不機嫌そうな顔をするものなどいるが、天光琳は気にしない...と目をそらす。
天麗華の説明が終わり、三神はお辞儀をした。
そして、天俊熙、天光琳は一歩前に立ち、扇を顔の前まで持ってきて、構えた。
周りが静かになると、天麗華は扇を開き、回った。すると、扇の上に桃色の光が現れ、それを上へと飛ばした。
その光はキラキラと輝き、三神を照らした。
そしてその光から曲が流れた。
天光琳、天俊熙もバッと扇を広げ、三神は舞を始めた。
出だしは練習通り、バッチリだ。
「すごい!」
「なんて美しい舞なんだ...」
「麗華様たち、息ぴったりだわ!」
三神の美しい舞に皆は見とれている。
そして花見会同様、天光琳の舞を見て驚く神々も多かった。
しかし天光琳は調子に乗ることなく、いつも通りに舞をする。
時々、天俊熙や天麗華と目が合う。
その度、微笑みお互いの緊張を和らげていった。
桜雲天国のように桜は散っておらず、少し物足りない感じがした。
すると、天麗華は舞いながら神の力を使い、神の力で作られた桜の花びらを散らせた。
おぉーと、驚く声が聞こえ、さらに盛りあがった。
三神はズレることなく、息を合わせて美しい舞を舞っていく。
「麗華お姉様たちきれー!!」
「私も踊ってみたい......」
美夢華と美雪蘭は目を輝かせながら真剣に見ている。
「あの方たちが昨日のお兄様たちだとは思えない......」
「それは失礼だぞ?」
昨日、温泉で散々いじられた美暁龍は信じられず、そう言うと、美朝阳が苦笑いしながら言った。
「光琳さん、神の力が使えない...と言われているけれど、舞は本当に美しいですね...!順位を付けることはあまり良くないけれど......光琳さんが一番綺麗に見えます」
「あの子はたくさん努力しているんだ。努力の塊だよ」
美鈴玉が言うと、美梓豪は天光琳たちの舞から目を離さず、美鈴玉に言った。
「凄いですね......」
「本当にそうよね。目が離せないわ」
美ルーナも三神を見ながら言った。
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