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ー光ー 第五章 帰国
第七十一話 危機
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「あれ...?」
天桜山につき、小屋に行くと、草沐阳の姿が見えなかった。
そのため、草沐阳の家へ行ってみたが、そこにもいなかった。
「買出し中かな?」
「そうかもな」
いつもならこの時間は小屋にいる。
しかし、本来なら、天光琳たちはまだ玲瓏美国にいるという事だったので、出かけているのかもしれない。
それに、天宇軒が倒れたという事は、国の神々には伝えていない。
大騒ぎになってしまうからだ。
そのため、草沐阳も知らないだろう。
「んー、どうしよっかぁ」
「草老師がいなくても、体動かすことはできるよな」
二神は顔を合わせてニヤリと笑った。
「「どっちが早く頂上まで行けるか勝負だ!!」」
これは小さい頃の決まりセリフだった。
二神は完璧だっと笑った。
「ハンデいる?俊熙の方が早くスタートして、あとから僕がスタートする。どう?」
「そ、そんなハンデいらねぇし!」
天光琳はふ~ん?とニヤニヤと笑った。
天俊熙は負けるのは目に見えているのだが、やはりハンデを使うとかっこ悪い。
それにハンデを使っても負ける気がするため、どうせ負けるならハンデは要らないだろう。
「行くぜ、三、二、一っ!」
二神は脚に力をいれ、力強く地面を蹴り、走り出した。
二神は今回修行着に着替えておらず、いつもより少し走りにくい。
それに靴も修行用ではないため、時々滑ってしまう。
「おわっっ!」
ベジッと大きな音が聞こえ、天光琳は振り返った。
天俊熙が転んでいるではないか。
「大丈夫!?」
「だい...じょうぶっ!お前は優しいからなー、他神の心配ばかりしてると、損するぜ!」
「それはどうかなー?余裕だもんね!」
心配してくれているが、これは勝負だ。
天俊熙は容赦なく抜かそうとしたが、天光琳は再び走り出し、また二神の距離が広がっていく。
ついに天俊熙の姿が見えなくなってしまった。
(あっ......やばい。戻らなきゃ......)
一神でやっていた時のように集中していたため、天俊熙の様子を見るのを忘れていた。
いつ悪神が襲ってくるか分からない。天光琳は急いで来た道を戻ることにした。
すると突然、横の方から笑い声が聞こえてきた。
「だ......だれ?」
しかしこれは悪神の声ではない。
......聞き覚えがある。
「やぁ、お久しぶり!」
「おぉー、天光琳サマではないですかぁー」
「天光琳"さま"、あはは、今は様付けしないといけないよねぇ」
「今は一神なの?」
「......っ!」
横を見ると、見覚えのある四神が立っていた。
背が高い明貴、爽やかな見た目の千秋、眼鏡をかけた填可、そして睿......皆昔仲が良かった神々だ。
天光琳は悪神ではないと安心したが、この四神には出来ればもう会いたくなかった。
この前、市場で睿と出会った時もそう思った気がするが。
「何故ここにいるのですか?ここは修行する場所......あなた達には必要ないはずですが......」
「へー、久しぶりにあったから敬語を使ってるのか??あんなに仲良くしてたのに」
填可がニヤニヤしながら言った。
そこはいちいち触れなくても良いところだろう、と天光琳は思った。
「なぜ来たって?いまだにお前は修行と稽古をしているって、噂を聞いたから、わざわざ応援しに来たんだ。それなのにその嫌そうな顔、失礼じゃないのか?」
「未来の王様が、そんなんじゃ、この国はおしまいだな」
睿、明貴がそう言うと、ははは、と四神は大声で笑った。
応援しに来た...と言っても、絶対邪魔しに来ただけだろう。
天光琳はこの四神とはいたくないと、黙ってその場を立ち去ろうとした。
「待てよ、光琳、悪神に狙われてるんでしょ?」
千秋に言われ、天光琳は脚を止めて振り返った。
「それがどうしたんですか?あなた達には関係ない......巻き込みたくないので、僕からは離れた方が良いですよ」
「やっぱりその話は本当なんだ」
千秋がそう言うと、四神はまたクスクスと笑った。
この情報はどこからもれているのだろう。
これは天家や数名の護衛神、各国の王にしか伝わっていないはずだ。
護衛神からもれた可能性が一番高い。
桜雲天国の護衛神は城に住んでいる訳ではなく、普通に街に住んでいるし、家族だっている。
決められた時間に城に行き、その時間が終わると家へ帰る。
そのため、天宇軒に誰にも話すなと言われているのに話した護衛神がいるのだろう。
「俺の父さんさ、五年前に城で護衛神の仕事を始めたんだよねー。それで聞いたんだ」
千秋の父が護衛神をやっているなんて初めて知った。
どの護衛神か全く分からない。
そのため、天宇軒に報告することすら出来ない。
「可哀想だね、一神でいて大丈夫なの?」
「俺たちが一緒にいてやるよ」
「ほら来いよ」
天光琳は四神に腕を引っ張られた。
何を考えているのだろうか。
「いやです!」
天光琳は怖くなり、四神を振り払った。
その勢いで、四神は転んでしまった。
「いってぇ......」
たくさん修行していたおかげか、簡単に四神を振り払うことが出来た。
......しかし。
「未来の王様が、国の神々に暴力を奮ったぞ!!」
「これはいけないことだぞ!」
「見ろよ、填可が怪我しちゃったじゃないか!」
「いたいいたい...」
填可の腕から血が流れていた。
天光琳は怪我をさせるつもりは一切なかった。
「ごめんなさい......」
天光琳は填可の腕の血を止めようと、ハンカチを取り出し、填可に近づこうとした。
......と。
「行くな」
いつの間にか天俊熙が後ろに立っていた。
天光琳は天俊熙に腕を掴まれた。
「俊熙様!!」
四神の表情は一気に変わった。
皆焦っている。
「でも......僕、怪我させちゃって......」
「怪我させた?そもそも、コイツらが悪いんだろ」
「......」
四神は急に黙り込んだ。
天俊熙は天光琳と同じく四神と仲が良かった。
しかし、最近はそうでは無い。
嘘をついたところでバレてしまうだろう。
四神はサッと立ち上がり、天俊熙に一礼をして逃げていった。
「はは、アイツら、天光琳を睨む余裕があったら謝ってけよな」
天俊熙に例をしたあと、天光琳を睨みながら逃げていったのだ。
天俊熙にバレないように睨んでいたつもりなのかもしれないが、バレバレだ。
「なんで止めたの?僕は悪くなくても、別に止血ぐらいしてもいい気がするんだけど......」
「お前見えてなかったのか?」
天光琳は何を...?と首を傾げた。
「千秋、アイツずっと後ろの方で立っていただろう?あいつの手、見た?」
「見てないけど......」
千秋は一番後ろで立ち、ずっと後ろで手を組んでいた。
「アイツの手には数本針があった。あれは恐らく毒針だ」
「......え?」
天光琳は一気にゾッとした。
千秋の手にあった針は、有名な毒針だ。
あれは狩りをする時に使ったりする。
神界では、神を殺してはいけないが、鳥や豚、牛などの食料になる動物は殺しても一応大丈夫なことになっている。
あの毒針は狩りをする際、動物に刺すと全身がしびれ、数分動かなくなってしまう。
死に至ることはないが、動けなくなってしまうので大変だ。
「毒針を使って......何をするつもりだったんだろう......」
「分からない。だけど絶対、良いことでは無いな」
もし天俊熙が止めてくれていなかったら......と思うと、恐ろしい。
「ありがとう......」
「ん。......てか、先に行きすぎだって!もし俺がもう少し遅かったら?もしここにいたのがアイツらじゃなくて悪神だったら?お前どうなってたか分かるか!?」
天俊熙の言う通りだ。
もし悪神だった場合......天光琳の身にはなにか起きていただろう。
天光琳はごめんなさい、と謝った。
「まぁ俺が遅かったのも悪いし......そもそも、俺はお前に追いつけないってことを分かっておきながら勝負をしようって言ったのも悪かった。そもそもお前が俺のペースと合わせてくれるだろうって考えをしていたのも悪い......」
天俊熙がそう言うと、天光琳は首を振った。
天光琳は天俊熙と自分のペースが違うと知っておきながら勝負をしようと調子に乗ったところや、自分が集中しすぎたのも悪かった。
お互い謝り、またいつものように微笑んだ。
「無事だったんだし、良かったよ。んじゃ、まだ物足りないって顔してるし、この修行は危ないから......別の修行に変えようか」
「そうだね!」
二神はゆっくりと戻って行った。
天桜山につき、小屋に行くと、草沐阳の姿が見えなかった。
そのため、草沐阳の家へ行ってみたが、そこにもいなかった。
「買出し中かな?」
「そうかもな」
いつもならこの時間は小屋にいる。
しかし、本来なら、天光琳たちはまだ玲瓏美国にいるという事だったので、出かけているのかもしれない。
それに、天宇軒が倒れたという事は、国の神々には伝えていない。
大騒ぎになってしまうからだ。
そのため、草沐阳も知らないだろう。
「んー、どうしよっかぁ」
「草老師がいなくても、体動かすことはできるよな」
二神は顔を合わせてニヤリと笑った。
「「どっちが早く頂上まで行けるか勝負だ!!」」
これは小さい頃の決まりセリフだった。
二神は完璧だっと笑った。
「ハンデいる?俊熙の方が早くスタートして、あとから僕がスタートする。どう?」
「そ、そんなハンデいらねぇし!」
天光琳はふ~ん?とニヤニヤと笑った。
天俊熙は負けるのは目に見えているのだが、やはりハンデを使うとかっこ悪い。
それにハンデを使っても負ける気がするため、どうせ負けるならハンデは要らないだろう。
「行くぜ、三、二、一っ!」
二神は脚に力をいれ、力強く地面を蹴り、走り出した。
二神は今回修行着に着替えておらず、いつもより少し走りにくい。
それに靴も修行用ではないため、時々滑ってしまう。
「おわっっ!」
ベジッと大きな音が聞こえ、天光琳は振り返った。
天俊熙が転んでいるではないか。
「大丈夫!?」
「だい...じょうぶっ!お前は優しいからなー、他神の心配ばかりしてると、損するぜ!」
「それはどうかなー?余裕だもんね!」
心配してくれているが、これは勝負だ。
天俊熙は容赦なく抜かそうとしたが、天光琳は再び走り出し、また二神の距離が広がっていく。
ついに天俊熙の姿が見えなくなってしまった。
(あっ......やばい。戻らなきゃ......)
一神でやっていた時のように集中していたため、天俊熙の様子を見るのを忘れていた。
いつ悪神が襲ってくるか分からない。天光琳は急いで来た道を戻ることにした。
すると突然、横の方から笑い声が聞こえてきた。
「だ......だれ?」
しかしこれは悪神の声ではない。
......聞き覚えがある。
「やぁ、お久しぶり!」
「おぉー、天光琳サマではないですかぁー」
「天光琳"さま"、あはは、今は様付けしないといけないよねぇ」
「今は一神なの?」
「......っ!」
横を見ると、見覚えのある四神が立っていた。
背が高い明貴、爽やかな見た目の千秋、眼鏡をかけた填可、そして睿......皆昔仲が良かった神々だ。
天光琳は悪神ではないと安心したが、この四神には出来ればもう会いたくなかった。
この前、市場で睿と出会った時もそう思った気がするが。
「何故ここにいるのですか?ここは修行する場所......あなた達には必要ないはずですが......」
「へー、久しぶりにあったから敬語を使ってるのか??あんなに仲良くしてたのに」
填可がニヤニヤしながら言った。
そこはいちいち触れなくても良いところだろう、と天光琳は思った。
「なぜ来たって?いまだにお前は修行と稽古をしているって、噂を聞いたから、わざわざ応援しに来たんだ。それなのにその嫌そうな顔、失礼じゃないのか?」
「未来の王様が、そんなんじゃ、この国はおしまいだな」
睿、明貴がそう言うと、ははは、と四神は大声で笑った。
応援しに来た...と言っても、絶対邪魔しに来ただけだろう。
天光琳はこの四神とはいたくないと、黙ってその場を立ち去ろうとした。
「待てよ、光琳、悪神に狙われてるんでしょ?」
千秋に言われ、天光琳は脚を止めて振り返った。
「それがどうしたんですか?あなた達には関係ない......巻き込みたくないので、僕からは離れた方が良いですよ」
「やっぱりその話は本当なんだ」
千秋がそう言うと、四神はまたクスクスと笑った。
この情報はどこからもれているのだろう。
これは天家や数名の護衛神、各国の王にしか伝わっていないはずだ。
護衛神からもれた可能性が一番高い。
桜雲天国の護衛神は城に住んでいる訳ではなく、普通に街に住んでいるし、家族だっている。
決められた時間に城に行き、その時間が終わると家へ帰る。
そのため、天宇軒に誰にも話すなと言われているのに話した護衛神がいるのだろう。
「俺の父さんさ、五年前に城で護衛神の仕事を始めたんだよねー。それで聞いたんだ」
千秋の父が護衛神をやっているなんて初めて知った。
どの護衛神か全く分からない。
そのため、天宇軒に報告することすら出来ない。
「可哀想だね、一神でいて大丈夫なの?」
「俺たちが一緒にいてやるよ」
「ほら来いよ」
天光琳は四神に腕を引っ張られた。
何を考えているのだろうか。
「いやです!」
天光琳は怖くなり、四神を振り払った。
その勢いで、四神は転んでしまった。
「いってぇ......」
たくさん修行していたおかげか、簡単に四神を振り払うことが出来た。
......しかし。
「未来の王様が、国の神々に暴力を奮ったぞ!!」
「これはいけないことだぞ!」
「見ろよ、填可が怪我しちゃったじゃないか!」
「いたいいたい...」
填可の腕から血が流れていた。
天光琳は怪我をさせるつもりは一切なかった。
「ごめんなさい......」
天光琳は填可の腕の血を止めようと、ハンカチを取り出し、填可に近づこうとした。
......と。
「行くな」
いつの間にか天俊熙が後ろに立っていた。
天光琳は天俊熙に腕を掴まれた。
「俊熙様!!」
四神の表情は一気に変わった。
皆焦っている。
「でも......僕、怪我させちゃって......」
「怪我させた?そもそも、コイツらが悪いんだろ」
「......」
四神は急に黙り込んだ。
天俊熙は天光琳と同じく四神と仲が良かった。
しかし、最近はそうでは無い。
嘘をついたところでバレてしまうだろう。
四神はサッと立ち上がり、天俊熙に一礼をして逃げていった。
「はは、アイツら、天光琳を睨む余裕があったら謝ってけよな」
天俊熙に例をしたあと、天光琳を睨みながら逃げていったのだ。
天俊熙にバレないように睨んでいたつもりなのかもしれないが、バレバレだ。
「なんで止めたの?僕は悪くなくても、別に止血ぐらいしてもいい気がするんだけど......」
「お前見えてなかったのか?」
天光琳は何を...?と首を傾げた。
「千秋、アイツずっと後ろの方で立っていただろう?あいつの手、見た?」
「見てないけど......」
千秋は一番後ろで立ち、ずっと後ろで手を組んでいた。
「アイツの手には数本針があった。あれは恐らく毒針だ」
「......え?」
天光琳は一気にゾッとした。
千秋の手にあった針は、有名な毒針だ。
あれは狩りをする時に使ったりする。
神界では、神を殺してはいけないが、鳥や豚、牛などの食料になる動物は殺しても一応大丈夫なことになっている。
あの毒針は狩りをする際、動物に刺すと全身がしびれ、数分動かなくなってしまう。
死に至ることはないが、動けなくなってしまうので大変だ。
「毒針を使って......何をするつもりだったんだろう......」
「分からない。だけど絶対、良いことでは無いな」
もし天俊熙が止めてくれていなかったら......と思うと、恐ろしい。
「ありがとう......」
「ん。......てか、先に行きすぎだって!もし俺がもう少し遅かったら?もしここにいたのがアイツらじゃなくて悪神だったら?お前どうなってたか分かるか!?」
天俊熙の言う通りだ。
もし悪神だった場合......天光琳の身にはなにか起きていただろう。
天光琳はごめんなさい、と謝った。
「まぁ俺が遅かったのも悪いし......そもそも、俺はお前に追いつけないってことを分かっておきながら勝負をしようって言ったのも悪かった。そもそもお前が俺のペースと合わせてくれるだろうって考えをしていたのも悪い......」
天俊熙がそう言うと、天光琳は首を振った。
天光琳は天俊熙と自分のペースが違うと知っておきながら勝負をしようと調子に乗ったところや、自分が集中しすぎたのも悪かった。
お互い謝り、またいつものように微笑んだ。
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