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ー光ー 第六章 燦爛鳳条国
第八十五話 もう犠牲者は......
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「天光琳様はなぜ俺に攻撃する?俺が何者か知っているか?俺が何をしようとしているか......知っているか?見た目や噂だけで決めつけたら危ないじゃないか。本当は周りの神々が敵で、俺が仲間かもしれな.........なっ」
天光琳は鬼神落暗の右肩に剣を突き刺した。
やっと攻撃出来たのだ。
「戦い中にお喋りなんて余裕ですね。お前が仲間......?花見会の時、女神を殺し、僕の名前を使ったくせに、仲間のわけないっ!」
天光琳は剣を抜いた。すると鬼神落暗の肩から黒い液体が吹き出した。鬼神の血だ。
鬼神落暗は肩を抑え、下を向いている。
そして......なぜか笑っている。
「その女神は天光琳様の悪口を言っていたんだぞ?それに、『天光琳なんて消えてしまえば良いのに』って言っていたんだぞ?そんなヤツを生かしておけるか?」
「......え...?」
天光琳は驚いた。
その女神は天光琳の悪口を言っていたなんて知らなかった。
......いやしかし、だからと言って殺すのはよくない。
「余計なお世話だ。殺さなくてもいいでしょ!?」
「天光琳様は優しい方だ。いつか損することになる」
「僕が損したって、別に構わない。僕が損して皆が幸せならそれでいいから!」
天光琳はまた攻撃をはじめた。
京極庵は意識が朦朧としている。
それでも、天光琳の言葉が耳に残った。
京極庵は天光琳の方を見つめた。
(天光琳という男神は......危なっかしい神だ)
自分を犠牲にしてでも他神のことを大切にする。
そんな心を持った神が神の力を使えないとは、可笑しい話だ。
「天光琳様、話したいことがあるから、攻撃しないでくれないか?俺に殺されることが怖いのか?大丈夫だ。殺さない。......あぁ、もしかして、あそこで横たわっているアイツを守るためか......?」
天光琳は何も答えなかったが、チラッと京極庵の方を見た。
「やっぱりそうか」
鬼神落暗は天光琳の視線をおって、そういった。
鬼神落暗はニヤリと笑い、突然鬼神の力を使って天光琳の剣を遠くへはじき飛ばした。
「っ!?」
しっかり剣を握っていたはずなのに、なぜか手から離れてしまった。
天光琳は剣を取りに行こうとした瞬間、当然脚が動かなくなってしまった。
下を見ると、黒色のツタが天光琳の脚を絡め、地面に固定されていた。
「離してっ!!」
どれだけ力を入れても、ツタはビクともしなかった。
天光琳は頭が真っ白になった。
(やばい......やばいやばい!!)
前を見ると......鬼神落暗は京極庵の前に立っていた。
「庵くん!!」
「悪いが、邪魔なんだ」
「......っ」
京極庵は動けず、ここで死ぬと覚悟した。
鬼神落暗は右手から鬼神の力で剣を作った。
そして先程、天光琳が刺した跡は、なぜか無くなっていた。
そして......
鬼神落暗は京極庵の左脚に剣を突き刺した。
「やめてっ!!」
天光琳の叫び声なんて聞こえないかのように鬼神落暗は再び剣を上にあげ、勢いよく京極庵の右脚に突き刺す。
「......あぁぁっ!!」
京極庵は今までにない強烈な痛みが全身に走り、悲鳴をあげる。
首から下は麻痺して動かせないため、逃げられない。
しかし鬼神落暗は辞めようとしなかった。
鬼神落暗は今度は京極庵の右手を狙った。
右手も力強く刺され悲鳴をあげる。
次は左手......と鬼神落暗が剣を上にあげた時だった。
鬼神落暗の動きが止まった。
京極庵はゆっくりと見上げると、鬼神落暗の腹部には剣が突き刺さっていた。
「な......」
剣を刺したのは天光琳だった。
天光琳の足元を見ると、大量血が流れていた。
「無理やり...抜け出したのかっ!?」
天光琳は足元に痛みがはしり、立っているのも難しいぐらいなのだが、必死に鬼神落暗の腹部に剣を刺していく。
そして剣を抜いた。
同時に、鬼神落暗は崩れ落ちた。
「庵くん!!」
天光琳は京極庵の元へ駆け寄った。
京極庵は目を細め、今にでも意識が飛びそうな状態だった。
天光琳は止血しようと自分の服を破り、京極庵の両腕と右手に巻いた。
「...うっ......」
「庵くん......ごめんなさい......」
天光琳は京極庵の右手を強く抑えた。
しかし血が止まらない。
(姉上、俊熙......来て......お願い......誰か......!!)
もしここに京極伽耶斗がいたら少しはマシになっていただろう。
京極伽耶斗には回復する能力がある。
今ここにいるのは......神の力が使えない無能神様だ。
「光...琳......うし......ろ......」
「え......?」
天光琳は急いで振り返ろうとしたが遅かった。
天光琳は黒い煙に囲まれ、急に頭が痛くなった。
「......うぅ.........あぁっ......」
頭は金槌で打たれたように痛みがはしり、天光琳は頭を抑えた。
先程倒れ込んでいた鬼神落暗はいつの間にか天光琳の後ろにたち、怪しい笑を浮かべていた。
「天光琳様、苦しいのは今だけだ。もう少し我慢してくれ」
鬼神落暗はそのまま、天光琳に力を移している。その力は天光琳の心臓辺りに吸収されていく。
「助...け....て........」
しかし誰も助けに来ない。
頭の痛みはさらに強くなっていく。
天光琳は何をされているのか全く分からず、恐怖でいっぱいだった。
そして......何故か突然、今までの記憶が蘇ってきた。
それは楽しかった時の記憶だ。
天俊熙と市場へ行った時の記憶、睿たちと遊んでいる時の記憶、天万姫に褒められた時の記憶など次から次えと流れてくる。
しかしそれは動画を早送りしているかのように高速で流れ、頭が痛む。
そしてその記憶は......一瞬で変わっていった。
天俊熙と市場へ行った時の記憶は、街の神々に天光琳だと笑われ暴力を振るわれていることに変わり、睿たちと遊んでいる時の記憶は途中で皆から笑われ一神ぼっちになり一神で泣いていることに変わり、天万姫に褒められた時の記憶は、天万姫に『そんなの当たり前だ。むしろなぜ出来ないの?』と怒られることに変わってしまった。
こんな記憶は無い。全て改変された、偽りの記憶だ。
しかし天光琳は強烈な痛みに襲われ、どっちが本当の記憶なのか分からなくなってしまった。
「いや...だ.......助け...て........っ!」
「大丈夫だ。あともう少し......」
「......!」
天光琳は鬼神落暗の声を聞くと、どちらが本物でどちらが偽物の記憶なのかハッキリと分かるようになった。
この苦しい記憶は全て鬼神落暗が作り上げた記憶なのだろう......と。
「......っ!!」
天光琳は死ぬ覚悟で頭の痛みに耐え、剣を持って立ち上がった。
「なぜ......そこまで......」
鬼神落暗は驚いた。まさかこれだけの痛みに耐えられるとは。
そして鬼神落暗が驚いている間はチャンスだ。
天光琳は素早く剣を振り、鬼神落暗の胸元を突き刺した。
「...がはっ.........く、くそっ!!」
鬼神落暗はそう言って、右手から鬼神の力を使い、数本の小刀を作り出した。
そして......天光琳...いや、京極庵に目掛けて投げ飛ばした!
(まずい!!)
とっさに天光琳は鬼神落暗に向かって剣を投げた。...と同時に京極庵の前に立ち、京極庵を庇った。数本のナイフは天光琳の体へ突き刺さってしまった。
「......っ...!!」
「がっ......!」
天光琳は刺されたところから大量の血を流した。
同時に鬼神落暗は黒い煙となって消えていった。
どうやら天光琳の剣が命中したようだ。
天光琳は鬼神落暗を倒したのだ!
鬼神落暗の黒い煙は空高くまで上がり、すっと消えた。
そして天光琳は......体に刺さった小刀を抜かず、フラフラと歩いて京極庵の元へ向かった。
「庵...くん.........ほん...とうに......ごめんな...さい......」
京極庵は目を閉じていた。
死んでしまったのだろうか......。
天光琳は目から涙を流した。
天光琳ももう限界だ。ここで死ぬのかもしれない。
自分のせいで二神が犠牲になってしまったのか......。京極伽耶斗が犠牲になってまで守ってくれたのにここで死んでしまうのか......。
天光琳はとうとう立っていられなくなり、倒れてしまった。
(せめて......庵くんだけは......)
天光琳は京極庵の近くに倒れ......そのまま目を閉じた。
天光琳は鬼神落暗の右肩に剣を突き刺した。
やっと攻撃出来たのだ。
「戦い中にお喋りなんて余裕ですね。お前が仲間......?花見会の時、女神を殺し、僕の名前を使ったくせに、仲間のわけないっ!」
天光琳は剣を抜いた。すると鬼神落暗の肩から黒い液体が吹き出した。鬼神の血だ。
鬼神落暗は肩を抑え、下を向いている。
そして......なぜか笑っている。
「その女神は天光琳様の悪口を言っていたんだぞ?それに、『天光琳なんて消えてしまえば良いのに』って言っていたんだぞ?そんなヤツを生かしておけるか?」
「......え...?」
天光琳は驚いた。
その女神は天光琳の悪口を言っていたなんて知らなかった。
......いやしかし、だからと言って殺すのはよくない。
「余計なお世話だ。殺さなくてもいいでしょ!?」
「天光琳様は優しい方だ。いつか損することになる」
「僕が損したって、別に構わない。僕が損して皆が幸せならそれでいいから!」
天光琳はまた攻撃をはじめた。
京極庵は意識が朦朧としている。
それでも、天光琳の言葉が耳に残った。
京極庵は天光琳の方を見つめた。
(天光琳という男神は......危なっかしい神だ)
自分を犠牲にしてでも他神のことを大切にする。
そんな心を持った神が神の力を使えないとは、可笑しい話だ。
「天光琳様、話したいことがあるから、攻撃しないでくれないか?俺に殺されることが怖いのか?大丈夫だ。殺さない。......あぁ、もしかして、あそこで横たわっているアイツを守るためか......?」
天光琳は何も答えなかったが、チラッと京極庵の方を見た。
「やっぱりそうか」
鬼神落暗は天光琳の視線をおって、そういった。
鬼神落暗はニヤリと笑い、突然鬼神の力を使って天光琳の剣を遠くへはじき飛ばした。
「っ!?」
しっかり剣を握っていたはずなのに、なぜか手から離れてしまった。
天光琳は剣を取りに行こうとした瞬間、当然脚が動かなくなってしまった。
下を見ると、黒色のツタが天光琳の脚を絡め、地面に固定されていた。
「離してっ!!」
どれだけ力を入れても、ツタはビクともしなかった。
天光琳は頭が真っ白になった。
(やばい......やばいやばい!!)
前を見ると......鬼神落暗は京極庵の前に立っていた。
「庵くん!!」
「悪いが、邪魔なんだ」
「......っ」
京極庵は動けず、ここで死ぬと覚悟した。
鬼神落暗は右手から鬼神の力で剣を作った。
そして先程、天光琳が刺した跡は、なぜか無くなっていた。
そして......
鬼神落暗は京極庵の左脚に剣を突き刺した。
「やめてっ!!」
天光琳の叫び声なんて聞こえないかのように鬼神落暗は再び剣を上にあげ、勢いよく京極庵の右脚に突き刺す。
「......あぁぁっ!!」
京極庵は今までにない強烈な痛みが全身に走り、悲鳴をあげる。
首から下は麻痺して動かせないため、逃げられない。
しかし鬼神落暗は辞めようとしなかった。
鬼神落暗は今度は京極庵の右手を狙った。
右手も力強く刺され悲鳴をあげる。
次は左手......と鬼神落暗が剣を上にあげた時だった。
鬼神落暗の動きが止まった。
京極庵はゆっくりと見上げると、鬼神落暗の腹部には剣が突き刺さっていた。
「な......」
剣を刺したのは天光琳だった。
天光琳の足元を見ると、大量血が流れていた。
「無理やり...抜け出したのかっ!?」
天光琳は足元に痛みがはしり、立っているのも難しいぐらいなのだが、必死に鬼神落暗の腹部に剣を刺していく。
そして剣を抜いた。
同時に、鬼神落暗は崩れ落ちた。
「庵くん!!」
天光琳は京極庵の元へ駆け寄った。
京極庵は目を細め、今にでも意識が飛びそうな状態だった。
天光琳は止血しようと自分の服を破り、京極庵の両腕と右手に巻いた。
「...うっ......」
「庵くん......ごめんなさい......」
天光琳は京極庵の右手を強く抑えた。
しかし血が止まらない。
(姉上、俊熙......来て......お願い......誰か......!!)
もしここに京極伽耶斗がいたら少しはマシになっていただろう。
京極伽耶斗には回復する能力がある。
今ここにいるのは......神の力が使えない無能神様だ。
「光...琳......うし......ろ......」
「え......?」
天光琳は急いで振り返ろうとしたが遅かった。
天光琳は黒い煙に囲まれ、急に頭が痛くなった。
「......うぅ.........あぁっ......」
頭は金槌で打たれたように痛みがはしり、天光琳は頭を抑えた。
先程倒れ込んでいた鬼神落暗はいつの間にか天光琳の後ろにたち、怪しい笑を浮かべていた。
「天光琳様、苦しいのは今だけだ。もう少し我慢してくれ」
鬼神落暗はそのまま、天光琳に力を移している。その力は天光琳の心臓辺りに吸収されていく。
「助...け....て........」
しかし誰も助けに来ない。
頭の痛みはさらに強くなっていく。
天光琳は何をされているのか全く分からず、恐怖でいっぱいだった。
そして......何故か突然、今までの記憶が蘇ってきた。
それは楽しかった時の記憶だ。
天俊熙と市場へ行った時の記憶、睿たちと遊んでいる時の記憶、天万姫に褒められた時の記憶など次から次えと流れてくる。
しかしそれは動画を早送りしているかのように高速で流れ、頭が痛む。
そしてその記憶は......一瞬で変わっていった。
天俊熙と市場へ行った時の記憶は、街の神々に天光琳だと笑われ暴力を振るわれていることに変わり、睿たちと遊んでいる時の記憶は途中で皆から笑われ一神ぼっちになり一神で泣いていることに変わり、天万姫に褒められた時の記憶は、天万姫に『そんなの当たり前だ。むしろなぜ出来ないの?』と怒られることに変わってしまった。
こんな記憶は無い。全て改変された、偽りの記憶だ。
しかし天光琳は強烈な痛みに襲われ、どっちが本当の記憶なのか分からなくなってしまった。
「いや...だ.......助け...て........っ!」
「大丈夫だ。あともう少し......」
「......!」
天光琳は鬼神落暗の声を聞くと、どちらが本物でどちらが偽物の記憶なのかハッキリと分かるようになった。
この苦しい記憶は全て鬼神落暗が作り上げた記憶なのだろう......と。
「......っ!!」
天光琳は死ぬ覚悟で頭の痛みに耐え、剣を持って立ち上がった。
「なぜ......そこまで......」
鬼神落暗は驚いた。まさかこれだけの痛みに耐えられるとは。
そして鬼神落暗が驚いている間はチャンスだ。
天光琳は素早く剣を振り、鬼神落暗の胸元を突き刺した。
「...がはっ.........く、くそっ!!」
鬼神落暗はそう言って、右手から鬼神の力を使い、数本の小刀を作り出した。
そして......天光琳...いや、京極庵に目掛けて投げ飛ばした!
(まずい!!)
とっさに天光琳は鬼神落暗に向かって剣を投げた。...と同時に京極庵の前に立ち、京極庵を庇った。数本のナイフは天光琳の体へ突き刺さってしまった。
「......っ...!!」
「がっ......!」
天光琳は刺されたところから大量の血を流した。
同時に鬼神落暗は黒い煙となって消えていった。
どうやら天光琳の剣が命中したようだ。
天光琳は鬼神落暗を倒したのだ!
鬼神落暗の黒い煙は空高くまで上がり、すっと消えた。
そして天光琳は......体に刺さった小刀を抜かず、フラフラと歩いて京極庵の元へ向かった。
「庵...くん.........ほん...とうに......ごめんな...さい......」
京極庵は目を閉じていた。
死んでしまったのだろうか......。
天光琳は目から涙を流した。
天光琳ももう限界だ。ここで死ぬのかもしれない。
自分のせいで二神が犠牲になってしまったのか......。京極伽耶斗が犠牲になってまで守ってくれたのにここで死んでしまうのか......。
天光琳はとうとう立っていられなくなり、倒れてしまった。
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