鬼使神差〜無能神様が世界を変える物語〜

天楪鶴

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ー光ー 第八章 佳宵星国

第百五話 朝食

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「......そんなことが...」


 天光琳は泣きながら全て話し終えた。
 天麗華は下を向いて考え込んでいる。


「一応父上には連絡しておくわ。......明日の朝食は......どうしたら......」


 おそらく明日の朝帰ると言っても、星連杰は朝食だけは食べていけと言うだろう。


「神を殺すことは......神としていけないこと。本来なら封印されるのだけれど......私たちが言ったところで事実かどうか皆は分からない......。それに相手は神王......私たちは神王に失礼な態度をとった...と、逆に封印されてしまう可能性があるわ」


 もしこれが神王ではなければ何とかなる可能性は高い。しかし神王相手には難しい。神王が神界の長(おさ)だ。こんな自分たちには勝ち目は無い。

 考えていると扉をノックする音が聞こえた。
 二神の心臓が大きくなり始めた。


「は...はい?」

「夜遅くにすいません、星玉風です......」


 天麗華がすこし震えながら言うと、扉をノックしたのは星玉風だった。
 先程とは違い、明るい声だ。
 天光琳は怖くてたまらなかった。

 天麗華は恐る恐る扉を開けた。


「明日の事なんですけど......朝食は、どこかへ食べに行きませんか?」

「え?」


 天光琳も驚いた。
 ......食べに行く?まさか星玉風は星連杰の計画を邪魔するつもりなのか?
 ......星玉風は別に悪い神ではないのか...?
 しかしまだ信用は出来ない。
 だが明日の朝朝食を城で食べるよりは安全だろう。


「大丈夫ですよ」

「ありがとうございます。......あ、このことは、誰にも言わないでくださいね」


 昼食の時も似たようなことを言っていた。
 どうか星玉風は良い神出会って欲しい。
 天光琳はそう願った。



 ✿❀✿❀✿



 次の日。
 朝早くから城をでた。

 天光琳は昨日の夜怖くて全然眠れなかったため、目を擦りながら眠そうに歩いている。


「大丈夫ですか?寒くないですか...?」

「大丈夫です」


 もう冬だ。風が冷たい。でも天光琳はそれどころではなかった。


 (死にたくない死にたくない死にたくない......明日無事に帰ってみんなに会いたい......)


 体を震わせていて、青ざめた顔をしていたため、星玉風には寒そうだな......と思われているだろう。

 星玉風は自分が来ていた羽織を天光琳にそっとかけた。


 (......?)


 天光琳は驚いた。天麗華もだ。
 こんな親切な神が毒を盛るのだろうか?
 そう思ってきた。
 しかしまだ安心はできない。これは安心させるための罠かもしれない。

 天麗華は天光琳の背中に手を当て、心配そうな顔をしている。




「ここです」


 ここは......オシャレな喫茶店だった。
 パンの香りが外からでもふわりと匂う。


「外は寒いので早く入りましょう」


 三神は案内された席に座った。

 四人席で、天光琳と天麗華は隣に座り、星玉風は天麗華の前に座った。

 天光琳は食欲がなくスープを頼み、天麗華と星玉風はスープとパンを頼んだ。

 本当はパンも食べたいのだが、食べるのが怖い。
 天光琳は星玉風の方をちらっとみた。

 星玉風は周りを見渡し、他の客の様子を見ている。
 その表情は......とても悲しそうな顔をしている。

 星玉風がどんな神なのか全く分からない。そもそも、良い神なのか、天光琳を殺そうとしている星連杰と同じ考えの神なのかすら分からない。


「光琳さん」

「...は、はい!」


 突然名前を呼ばれ天光琳はビクビクしながら返事をした。


「桜雲天国とこの国の神々、なにか違うと思いませんか?」

「え......えぇっと......」


 天光琳は喫茶店に来ている神々の様子を見た。
 やはりどこか疲れている様子で、笑顔が少ない。
 痩せ気味の神が多く、着飾っている神も少ない。
 ......まるで自由が少ないような感じがする。
 しかしこの国の王の息子である星玉風にそれを言っても良いのだろうか?
 天光琳はどう答えていいのか分からなかった。

 どう言おうかもじもじしていると、料理が運ばれてきた。
 この定員の女神も笑顔が硬い。
 目元にはクマができている。


「あ、ごめんなさい。無理に答えなくても大丈夫です......でもなんか......天国とは違って、暗いよね」


 星玉風はそう言いながらパンを一口かじった。

 天光琳はスープを眺めた。
 ここの店の定員が星連杰と繋がっていなければ毒は含まれていないだろう。
 それに星玉風が毒を入れたような様子もない。

 天光琳がスープを飲もうとした瞬間、天麗華が「一口分けて」と言って、スプーンで天光琳のスープをすくった。
 そして警戒しながら飲んだ。

 天光琳は焦った。もしこれで毒が含まれていたら......天麗華が死んでしまうかもしれない。


「美味しいわね、私のもいる?」

「あ、では......」


 大丈夫そうだ。天麗華は問題ないと笑顔で言った。
 天光琳はスっと気が楽になった。
 星玉風に疑われないために、天麗華は自然な言葉を選んで言ったのだろう。

 すると星玉風はため息をついた。
 このため息はどういう意味が込められているのだろう。安心か...失敗したか.....それとも不安か。


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