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ー悪ー 第一章 アタラヨ鬼神
第十五話 祭り
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次の日の朝。外が騒がしく、目が覚めた。鬼神王は起き上がり、窓を開けた。
「!!」
まるで別の世界に迷い込んだかのように、変わっていた。建物には丁寧に飾りつけしてあり、とてもオシャレだ。また、鬼神たちはキラキラと輝くアクセサリーをつけてオシャレをしている。
鬼神王はメリーナが来る前に着替えを済ませ、扉を開け、廊下の様子を確かめた。
「鬼神王様。おはようございます」
「わぁっ!?」
後ろから声がして、飛び跳ねてしまった。振り返ると、いつもと服装が違うシュヴェルツェが立っていた。祭りだからだろう。鬼神王はそう思った......が。
(そういえば知らないフリをしなきゃいけないんだ!!)
本来なら今日が祭りだと言うことは知らない。そのため、シュヴェルツェの服装を見て、何言わないのは不自然だろう。
「ヴェル、なんかいつもと違うね」
少し棒読みになってしまっが......大丈夫だろう。
ついでに「なにかあるの?」と聞いてみた。これで知らないフリは完璧だ......と思った。
「今日は鬼神王様が目覚めたのを祝うお祭りがあります。メリーナがもう少しで着ますので、着替えてしまったところ申し訳ないのですが、式典の服に着替えて欲しいのです」
そういえば祭りだと知っていたのにも関わらずいつもの服を着てしまっていた。......まぁ、最初から式典の服を着ていたら、知っていることがバレてしまうだろう。
数分後、メリーナが来て、着替えを手伝ってくれた。また、髪は髪飾りで綺麗にまとめてくれた。綺麗な髪飾りのせいでいつもより少し頭が重い。しかし髪飾りは鬼の角のようになっている。鬼神王は嬉しそうにしている。いつもこの髪飾りを付けていたい。けれど、数分経つと重みがあるため、やはり特別な時だけでいいと思うようになった。
鬼神王は準備を済ませ、シュヴェルツェとメリーナと共に城を出た。城を出ると、鬼神たちは拍手をする。鬼神王は恥ずかしそうにペコペコと会釈をしながらシュヴェルツェの後ろに着いて行った。
街にはいつも通り屋台が並んでいた。
「串焼き一本ください!」
「あ!鬼神王様ではないですか!!今日は特別で鬼神王様はなんでも無料で食べれちゃいますよ!」
どうやら鬼神王はお金を払わなくても買えるという......。それはどの店も同じようだ。
申し訳ないので払いたいと言っても、鬼神王様には沢山食べていただきたいので!と言って、鬼神たちはお金を受け取らない。また、鬼神王が訪れた屋台や店は、鬼神王が認める美味しい店だと言うことになるようで、皆は鬼神王を誘う。そのため、言葉に甘えて気になる食べ物を全て買うことにした。
そして食べ物をシュヴェルツェとメリーナと共に食べ、満足すると、ちょうど昼過ぎぐらいだった。
「そろそろ始まりますよね」
「そうだな。鬼神王様、着いてきてください」
メリーナが手持ち時計で時間を確認し、シュヴェルツェに言うと、シュヴェルツェは鬼神王にそういった。何が始まるのだろうか。
二、三分ほど歩くと、目の前に大きなドーム状の建物が現れた。初めて見た。鬼神王は思わず口を開けてしまった。
「こんなのあったっけ?」
「ありました。けれど普段この建物へ行く道は封鎖されています」
通りで行ったことがないわけだ。見たことすらない。三神は建物の中へ入っていった。
入ると、建物がどのようなものなのかよく分かった。この建物には天井がない。そして壁に沿って多くの席が用意されている。それは四階まで並んでいる。既に建物の中へ来ている鬼神は多かった。見たところ、一、二階まで満席状態だ。
「鬼神王ー!」と呼ぶ声が聞こえ、鬼神王は手を振った。
鬼神王は階段をあがり、最上階に用意されている、王のい椅子に座った。とても眺めが良い。全体を見ることが出来るため、テンションが上がる。
「ここでなにかやるの?」
「えぇ。もう少しで始まりますよ」
すると、柱や席に着いていたライトが消え、目の前は何も見えなくなった。ざわざわと話し声が聞こえていたのだが、急に静かになった。そして音楽が流れ始めた。これから何かが始まる。鬼神王は脚をブラブラとさせ、胸を踊らせていた。
暗闇から一つ、空へ上っていく光が見えた。「これはなに?」とシュヴェルツェに聞こうとしたその時、パンッと大きな音が聞こえ、同時に辺りは明るくなった。これは......花火だ。カラフルな火が当たりを照らす。とても綺麗だ。鬼神王は目を輝かせながら見ている。
「始まりましたねぇ~」
メリーナや鬼神たちは拍手をした。鬼神王もとりあえず拍手をする。すると、一回の入口から、女鬼神たちが現れた。袖やスカートの部分がレースで出来ていて、風によってふわふわと浮き上がる。また、キラキラとした髪飾りをつけていて、歩く度、シャラシャラと音立てている。鬼神王はその音が苦手で、下唇を噛んだ。盛り上がっているのに、この音が苦手だと言えない。
「鬼神王、こんにちは!」
皆は鬼神王に注目する。
「今日は鬼神王様が目覚めたのを祝う祭り。私たちはその祭りを盛り上げるため、舞を披露したいと思います!」
わーっと歓声が上がり、盛り上がる。女鬼神たちは、鬼神の力を使い、何かを作り出した。これは......扇だ。
(......?)
急に胸が焼き付いたように苦しくなった。そして体が重い。呼吸は普通にできるのだが、涙が出てきそうになる。鬼神王は首を横に振り、頬を二回叩いた。
「どうしました?」
「あー......なんでもない」
女鬼神たちは美しく舞う。回るとふわっとスカートや袖のヒラヒラの布が浮き上がる。まるで煙のようだ。
とても美しい舞で、皆は心を奪われる。けれど鬼神王は自分でも理解できない、不思議な感情が溢れている。それを堪えるのに精一杯だ。鬼神王はシュヴェルツェとメリーナが自分を見ていないことを確認すると、女鬼神たちのようにコソッと扇を作り出した。
(昔の僕は......扇が好きだったのかな)
よく分からない。思い出そうとしても思い出せない。......と、曲が止まった。舞が終わったようだ。鬼神王は慌てて扇を消し、拍手をする。
拍手の音が小さくなると、女鬼神たちは出口の方へ行った。そして新たに別の鬼神たちが入ってきた。
「次は演奏です!」
琴や尺八、三味線など様々な楽器を使って演奏する。力強い曲調で、盛り上がった。
鬼神王は先程の不思議な感情に襲われることなく、リズムに乗って体を横に揺らした。
また、後半になると、先程の踊っていた女鬼神たちも加わった。迫力が凄く、皆は目を話せなかった。
時刻は午前四時。演奏や舞の他にも、演劇や歌など、様々な出し物があり、鬼神王は満足していた。
「凄かったねぇ」
「ですね!どの出し物も、ほんっとうに素敵でしたよね!!」
「ここからが本番ですよ」
シュヴェルツェはそう言って立ち上がった。メリーナは「楽しみです!」と手足をバタバタさせている。鬼神王は何があるのか分からない。そのため、メリーナに聞こうとしたが、その前に、シュヴェルツェが皆に向かって話し始めた。
「今から力比べを開始する。やりたいものは広場に集まれ」
そう言うと先程より大きな歓声が響いた。
シュヴェルツェが鬼神たちに説明している間、メリーナが小さな声で説明してくれた。どうやらアタラヨ鬼神では、毎回祭りや式典で『力比べ』を行うそうだ。鬼神の力を使い、一体一で勝負する。しかし、相手の動きを止める行為は禁止だ。
決着はどちらかが「参りました」と言わないと決まらない。そのため、倒れた振りをして、相手が油断しているすきに狙ったりするなど、逆転勝利もありえる、最後まで目が離せない勝負だ。
「面白そうだね。ちなみに、毎回勝ち抜いている強い鬼神とかいるの?」
「いますよ!その鬼神は当然......」
メリーナはシュヴェルツェの方を見た。
「ヴェル......?」
「そうです!ヴェルさんです!今までヴェルさんに勝ったものはいないのですよ~~」
シュヴェルツェが強いことは知っていたが、まさかそこまで強いとは思っていなかった。そこまで強いのならば、シュヴェルツェと戦うことが一生ないことを祈る。
「あ、来ましたね!」
メリーナはそう言って、先程演奏や舞をしていた広場を指さした。そこに目を向けると、がたいのいい、明らかに強そうな鬼神と、背が高く、眼帯をつけた殺気の漂っている鬼神が現れた。鬼神王は見た瞬間、自分より強そうだと思った。正直、王だが、このような相手には勝てそうにない。鬼神王は参加するのではなく、応援する側にいたいと思った。
「最初の対戦者、自称大食い王ジャックと~、実は動物が好きロバート!!」
鬼神王は思わず笑ってしまった。どうやらこの二神は鬼神たちの中でそこそこ有名な鬼神らしい。メリーナは笑いながら説明してくれた。このがたいが良いジャックという男は、食べることがとにかく好きで、一日少なくても六食は食べる。そのため、この体つきは......食べ過ぎによるものらしい。筋肉では無い。脂肪だ。言い方を悪くすれば......デブだ。
そして眼帯をつけたロバート。この鬼神は、鬼神の力で生み出した子猫や子犬といつも一緒にいる。しかし、ある日、子猫をしつこく撫でくりまわしてしまい、その結果、右目を負傷した。子猫に引っかかれてしまったのだ。猫を可愛がりすぎた結果、右目が失明してしまった。そのため、眼帯をつけている。
鬼神王はこの二神の説明を聞き、先程まで恐ろしい鬼神だと思っていたのが、いつの間にか消えてしまった。
「!!」
まるで別の世界に迷い込んだかのように、変わっていた。建物には丁寧に飾りつけしてあり、とてもオシャレだ。また、鬼神たちはキラキラと輝くアクセサリーをつけてオシャレをしている。
鬼神王はメリーナが来る前に着替えを済ませ、扉を開け、廊下の様子を確かめた。
「鬼神王様。おはようございます」
「わぁっ!?」
後ろから声がして、飛び跳ねてしまった。振り返ると、いつもと服装が違うシュヴェルツェが立っていた。祭りだからだろう。鬼神王はそう思った......が。
(そういえば知らないフリをしなきゃいけないんだ!!)
本来なら今日が祭りだと言うことは知らない。そのため、シュヴェルツェの服装を見て、何言わないのは不自然だろう。
「ヴェル、なんかいつもと違うね」
少し棒読みになってしまっが......大丈夫だろう。
ついでに「なにかあるの?」と聞いてみた。これで知らないフリは完璧だ......と思った。
「今日は鬼神王様が目覚めたのを祝うお祭りがあります。メリーナがもう少しで着ますので、着替えてしまったところ申し訳ないのですが、式典の服に着替えて欲しいのです」
そういえば祭りだと知っていたのにも関わらずいつもの服を着てしまっていた。......まぁ、最初から式典の服を着ていたら、知っていることがバレてしまうだろう。
数分後、メリーナが来て、着替えを手伝ってくれた。また、髪は髪飾りで綺麗にまとめてくれた。綺麗な髪飾りのせいでいつもより少し頭が重い。しかし髪飾りは鬼の角のようになっている。鬼神王は嬉しそうにしている。いつもこの髪飾りを付けていたい。けれど、数分経つと重みがあるため、やはり特別な時だけでいいと思うようになった。
鬼神王は準備を済ませ、シュヴェルツェとメリーナと共に城を出た。城を出ると、鬼神たちは拍手をする。鬼神王は恥ずかしそうにペコペコと会釈をしながらシュヴェルツェの後ろに着いて行った。
街にはいつも通り屋台が並んでいた。
「串焼き一本ください!」
「あ!鬼神王様ではないですか!!今日は特別で鬼神王様はなんでも無料で食べれちゃいますよ!」
どうやら鬼神王はお金を払わなくても買えるという......。それはどの店も同じようだ。
申し訳ないので払いたいと言っても、鬼神王様には沢山食べていただきたいので!と言って、鬼神たちはお金を受け取らない。また、鬼神王が訪れた屋台や店は、鬼神王が認める美味しい店だと言うことになるようで、皆は鬼神王を誘う。そのため、言葉に甘えて気になる食べ物を全て買うことにした。
そして食べ物をシュヴェルツェとメリーナと共に食べ、満足すると、ちょうど昼過ぎぐらいだった。
「そろそろ始まりますよね」
「そうだな。鬼神王様、着いてきてください」
メリーナが手持ち時計で時間を確認し、シュヴェルツェに言うと、シュヴェルツェは鬼神王にそういった。何が始まるのだろうか。
二、三分ほど歩くと、目の前に大きなドーム状の建物が現れた。初めて見た。鬼神王は思わず口を開けてしまった。
「こんなのあったっけ?」
「ありました。けれど普段この建物へ行く道は封鎖されています」
通りで行ったことがないわけだ。見たことすらない。三神は建物の中へ入っていった。
入ると、建物がどのようなものなのかよく分かった。この建物には天井がない。そして壁に沿って多くの席が用意されている。それは四階まで並んでいる。既に建物の中へ来ている鬼神は多かった。見たところ、一、二階まで満席状態だ。
「鬼神王ー!」と呼ぶ声が聞こえ、鬼神王は手を振った。
鬼神王は階段をあがり、最上階に用意されている、王のい椅子に座った。とても眺めが良い。全体を見ることが出来るため、テンションが上がる。
「ここでなにかやるの?」
「えぇ。もう少しで始まりますよ」
すると、柱や席に着いていたライトが消え、目の前は何も見えなくなった。ざわざわと話し声が聞こえていたのだが、急に静かになった。そして音楽が流れ始めた。これから何かが始まる。鬼神王は脚をブラブラとさせ、胸を踊らせていた。
暗闇から一つ、空へ上っていく光が見えた。「これはなに?」とシュヴェルツェに聞こうとしたその時、パンッと大きな音が聞こえ、同時に辺りは明るくなった。これは......花火だ。カラフルな火が当たりを照らす。とても綺麗だ。鬼神王は目を輝かせながら見ている。
「始まりましたねぇ~」
メリーナや鬼神たちは拍手をした。鬼神王もとりあえず拍手をする。すると、一回の入口から、女鬼神たちが現れた。袖やスカートの部分がレースで出来ていて、風によってふわふわと浮き上がる。また、キラキラとした髪飾りをつけていて、歩く度、シャラシャラと音立てている。鬼神王はその音が苦手で、下唇を噛んだ。盛り上がっているのに、この音が苦手だと言えない。
「鬼神王、こんにちは!」
皆は鬼神王に注目する。
「今日は鬼神王様が目覚めたのを祝う祭り。私たちはその祭りを盛り上げるため、舞を披露したいと思います!」
わーっと歓声が上がり、盛り上がる。女鬼神たちは、鬼神の力を使い、何かを作り出した。これは......扇だ。
(......?)
急に胸が焼き付いたように苦しくなった。そして体が重い。呼吸は普通にできるのだが、涙が出てきそうになる。鬼神王は首を横に振り、頬を二回叩いた。
「どうしました?」
「あー......なんでもない」
女鬼神たちは美しく舞う。回るとふわっとスカートや袖のヒラヒラの布が浮き上がる。まるで煙のようだ。
とても美しい舞で、皆は心を奪われる。けれど鬼神王は自分でも理解できない、不思議な感情が溢れている。それを堪えるのに精一杯だ。鬼神王はシュヴェルツェとメリーナが自分を見ていないことを確認すると、女鬼神たちのようにコソッと扇を作り出した。
(昔の僕は......扇が好きだったのかな)
よく分からない。思い出そうとしても思い出せない。......と、曲が止まった。舞が終わったようだ。鬼神王は慌てて扇を消し、拍手をする。
拍手の音が小さくなると、女鬼神たちは出口の方へ行った。そして新たに別の鬼神たちが入ってきた。
「次は演奏です!」
琴や尺八、三味線など様々な楽器を使って演奏する。力強い曲調で、盛り上がった。
鬼神王は先程の不思議な感情に襲われることなく、リズムに乗って体を横に揺らした。
また、後半になると、先程の踊っていた女鬼神たちも加わった。迫力が凄く、皆は目を話せなかった。
時刻は午前四時。演奏や舞の他にも、演劇や歌など、様々な出し物があり、鬼神王は満足していた。
「凄かったねぇ」
「ですね!どの出し物も、ほんっとうに素敵でしたよね!!」
「ここからが本番ですよ」
シュヴェルツェはそう言って立ち上がった。メリーナは「楽しみです!」と手足をバタバタさせている。鬼神王は何があるのか分からない。そのため、メリーナに聞こうとしたが、その前に、シュヴェルツェが皆に向かって話し始めた。
「今から力比べを開始する。やりたいものは広場に集まれ」
そう言うと先程より大きな歓声が響いた。
シュヴェルツェが鬼神たちに説明している間、メリーナが小さな声で説明してくれた。どうやらアタラヨ鬼神では、毎回祭りや式典で『力比べ』を行うそうだ。鬼神の力を使い、一体一で勝負する。しかし、相手の動きを止める行為は禁止だ。
決着はどちらかが「参りました」と言わないと決まらない。そのため、倒れた振りをして、相手が油断しているすきに狙ったりするなど、逆転勝利もありえる、最後まで目が離せない勝負だ。
「面白そうだね。ちなみに、毎回勝ち抜いている強い鬼神とかいるの?」
「いますよ!その鬼神は当然......」
メリーナはシュヴェルツェの方を見た。
「ヴェル......?」
「そうです!ヴェルさんです!今までヴェルさんに勝ったものはいないのですよ~~」
シュヴェルツェが強いことは知っていたが、まさかそこまで強いとは思っていなかった。そこまで強いのならば、シュヴェルツェと戦うことが一生ないことを祈る。
「あ、来ましたね!」
メリーナはそう言って、先程演奏や舞をしていた広場を指さした。そこに目を向けると、がたいのいい、明らかに強そうな鬼神と、背が高く、眼帯をつけた殺気の漂っている鬼神が現れた。鬼神王は見た瞬間、自分より強そうだと思った。正直、王だが、このような相手には勝てそうにない。鬼神王は参加するのではなく、応援する側にいたいと思った。
「最初の対戦者、自称大食い王ジャックと~、実は動物が好きロバート!!」
鬼神王は思わず笑ってしまった。どうやらこの二神は鬼神たちの中でそこそこ有名な鬼神らしい。メリーナは笑いながら説明してくれた。このがたいが良いジャックという男は、食べることがとにかく好きで、一日少なくても六食は食べる。そのため、この体つきは......食べ過ぎによるものらしい。筋肉では無い。脂肪だ。言い方を悪くすれば......デブだ。
そして眼帯をつけたロバート。この鬼神は、鬼神の力で生み出した子猫や子犬といつも一緒にいる。しかし、ある日、子猫をしつこく撫でくりまわしてしまい、その結果、右目を負傷した。子猫に引っかかれてしまったのだ。猫を可愛がりすぎた結果、右目が失明してしまった。そのため、眼帯をつけている。
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