リトル英雄

TAKASHIGE

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限定解除

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ヒーローは免許証を取得して10年経ったので記念に限定解除の試験を受ける事にした。
中型も試験場で取得したのでそれほど緊張も無く受験出来た。
まずは事前審査だ。
倒れたバイクの引き起こし、八の字引き回し、センタースタンドが試験内容だった。
ヒーローは普段はツナギを着ていたのでバイク屋をアピールする為に作業着で試験を受けた。
案の定、試験官に「バイク屋?」と聞かれ見本を見せてくれと言われ、トップバッターで事前審査をする事になった。
内容的には余裕だったので八の字引き回しも早歩きで行った。
何の問題も無く事前審査は合格だった。
他の受験者もヒーローの様に八の字引き回しを早歩きで行う気になったがふらつき試験官から危ないからゆっくりやって!と注意されていた。
試験官が「バイク屋さんは特別なんだからムリしてやらないように」と言っていたのが笑えた。
実技試験だが噂では一回目で合格すると白バイ隊からお誘いが来るらしい。
ヒーロー一回目は不合格だった。
最後まで完走はしたが試験官いわく「乗れてない」らしい。
ヒーロー二回目の試験も不合格だった。
地元の試験場では偶数回数では受からないジンクスが有るらしい。
ヒーロー三回目今回は奇数回数だから気合いが入る。
試験の最後に急制動の科目が有りヒーローは気合いが入り過ぎてオーバースピードでフルブレーキングで止まったがバランスを崩し右足を着いてしまった。
少しの希望を胸に結果表示される電光掲示板を見た。
ヒーローの番号は無かった。
試験官に話しかけられた。
「最後の右足を着いていなければ合格」だったらしい。
ヒーロー四回目の試験。
偶数回数では受からないジンクスが有ったので軽く流して終わりにして五回目に賭けようと思った。
試験に受かる気が無いのでいつもよりは適当に試験を受けた。
何気なく電光掲示板を見た。
あれ?俺の番号が有る!!
ヒーロー四回目で合格だった。
試験官いわく「今日は乗れてたね」と言われた。
偶然回数のジンクスを聞いたらそんな話は無いとの事だった。
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