-全無生物を魔法に変える落ちこぼれ勇者- ユニーク魔法で異世界無双

とりっぷましーん

文字の大きさ
7 / 23
第一章

006 『藤藤恋愛成就同盟』ってダサいの……?

しおりを挟む
 江原曰く、髭じじいである王様は、会長の言葉を聞き嬉しそうに顔を綻ばせ、立派な口髭をクリンと撫でた。
 なぜ、あんな立派な口髭が生えるのだろうか?と俺は考える。
 日本人でカールする程に立派な口髭を持つ『紳士様』に出会った経験はほぼない。きちゃないホームレスのような髭は見たことがあるけれど。

 と、俺が内心で褒めていると、王様はお偉いさん方に顔を向け「あれを持て……」とだけ口にした。
 その言葉に大臣の隣の、ヒョロっとした若干健康面に問題のありそうなお年寄りが、ヨロヨロと歩きどちらかへ行かれた。

 無事戻って来ることが出来ることを心の底からお祈りしております。

 さらに王様は改めて俺たちを見渡した後、王女に声を掛ける。

「では、アレスディアよ。後は任せて良いのだな……?」

 王女が「ええ、勿論です」と微笑むのを見て、王様は豪奢な椅子に腰を下ろした。入れ替わるように王女が立ち上がり、階段を一段ずつ降りてくる。

「それでは、皆様ご決断していただき、本当にありがとうございます。次は、ス――」

「――テータスを確認していただきたいと思っています。でしょう?」

「ぶほっ」

 再度、ズビシッと指を突きつけ言葉を被せた会長に、俺は思わず噴き出してしまう。
 流石に二度目はないだろうと思っていたところにきたので、油断してしまっていたのだ。

 王女は少し驚いたように目を開いたが、すぐに微笑み「ふふ。わ――」と言ったところで再度会長が言葉を被せた。

「――たしにもそれをやってしまわれますか……? と言う」

「私にもそれを――はっ!?」


 や・り・す・ぎ・で・す。


 だが、そんな俺の心配をよそに、王女はおしとやかに口に手を当てた状態で固まっただけ。階段の途中だからか、それに会長が手を差し伸べ「どうぞ、王女様」と口にした。
 その手を取ると王女は「ありがとうございます」と穏やかに微笑む。
 これだけ見ると美人な二人の仲睦まじい非常に絵になる図面。

「ふふふ。流石は勇者天ヶ崎怜奈様。人心掌握術というものを心得てらっしゃいますね」

 けれど、やる場面と空気感を間違えたら打ち首、流刑は当たり前レベルの失礼な行動な気がする。
 いや、間違いなくなるだろう。それでもなってないということが、王女の言う人心掌握術というモノなんだろう。
 凡人すぎる俺には理解不能の領域。雲上人同士の会話は見てるだけで胃が軋む。

 まぁイケメン達やら不良達ですら笑っていることだし、良しとしよう。確かに笑いってのは人を引き付けるよな。今は敵も作った気がしたけれど。
 
 会長は「ふふ。好きにやってるだけですよー」と言ったが、まさにそうなんじゃないかと思う俺も同意見。
 さらに「もう、これはやらないので安心して良いのですよー」と言って俺の心もひと安心。
 だがこの瞬間。なぜか莉緒がプルプルと震えながら俺の腕に掴まり、大きな果実を俺に押し付けてくる。

 なんぞ!?と思う間もなく、俺の肩を剛力の込められた掌でバシバシと叩きだし爆笑していた。

「ぶっはははは。会長さん、やり過ぎだ……よ! つ、壺に……っくぅ」

 右腕には柔らかで豊満な桃色の果実が当たり、左肩には凶器が振り下ろされる。これこそまさに、


『天国と地獄!』


 じゃねーよ。ただの地獄だよ。

「お、おい、莉緒。痛いって」

 俺の言葉に「はっ」と気付き、口に手を当てると「ご、ごめんなさい、大丈夫……?」と上目遣いの莉緒に俺は全てを許してしまう。

「あ、ああ。全く問題ないぞ。むしろ柔らかくて幸せだったっつーほ――えぐおっ!」

 もう本気で何度目か分からない莉緒の肘鉄に、俺の肝臓のHPはゼロよっ!

 なんて言ってる場合ではないはずなのだが「もうっ」と言いながら頬を染め、身を翻す莉緒を見て、俺の肝臓は瞬時に蘇生した。
 あまりの痛さが続き、俺の分身も反応してはいない。なんてったって俺はドМではないのだ。

 そんな俺たちを見てか会長が「二人の夫婦漫才は鉄板で面白いのですよー」と言うのに莉緒が「ち、違います。そんなんじゃありません!」と小さく拳を振り上げ食って掛かる。
 勿論、会長を叩いたりと言ったことはないが、その様子が幼くも非常に可愛くて、俺は思わず歩に囁きかけていた。

「なぁ。俺、歩と会長の事応援すっからさ、歩は俺と莉緒の事応援してくんね?」

 俺の言葉に歩は否定することなく頷いた。
 ということは、非常に危ない橋だと思うが、歩は会長に好意を持っているということで合ってるんだな。

「うん、兵輔君が良いなら僕は良いよ。二人は応援するまでもないような気がするけど……」

「いや、あまい、あまーい! マックスコーヒーのように甘い!
 だがぁ、まぁいい。
 じゃあ、ここに藤堂、進藤、合わせて『藤藤恋愛成就同盟』の締結だ!」

「え、ええ……?
 何言ってるのかよく分かんないけど、とりあえずその『藤藤恋愛成就同盟』ってのは凄くダサいよ」

 俺は口の端がプルプルと震えるのを感じつつも、平静を装い歩に囁きかけた。

「ほっ、ほう? それでは、歩は良い案でもあるってことなんだな? うん? ほら、言ってみ?
 あ、そうだ。別に呼び名に『君』とか付けなくていいぞ」

 歩は「え、あ、うん」と言って腕を組みしばし黙考。何だよ、何もなかったんじゃねーか!と、思ったが意外とすぐに俺の耳に口を寄せてくる。

「えっと、僕の『歩』と兵輔く……兵輔の『兵』を取って、『歩兵同盟』ってのはどう? いつか恋愛『成』就して『と金同盟』になれるようにって」

 俺も同様に腕を組みしばし黙考。そして、歩の言葉を反芻し、

「おお……。それって将棋かなんかだよな? な、中々よく考えられているな。
 う、うん。俺程じゃないけど……。うん。
 いや……非常におう脳したけどそれでいこう。オーノー!
 あれ? でもさ、何で俺の漢字を知ってんの?」

 口を半開きにして俺の顔を見つめてくる歩。
 ダジャレは兎も角として、おかしなことを言ってしまったのかと不安を覚えた。

「普通にクラスメイトだから知ってたよ。兵輔が進藤に藤が入ってるって知ってたのもそういうことじゃないの?」

 そういえばクラスメイトだったことを思い出す。進藤といえば『進藤』のイメージだったなんて今更言えるはずがないかった。
 ダジャレのスルーは想定の範囲内なので、情状酌量の余地があるとみなす。

「勿論、そうだぁよぉ? うんー。じゃ、そろそろ前を向くことにしましょうかー?」

 ギギリと音を立てるように回る首。目の端に見えるジト目の歩。だが、俺はそれを無視して視界から完全にシャーットアウト!
 そのまま会長に目を向けると、莉緒とさらには王女も交え楽しそうに会話していた。「莉緒は――」「怜奈は――」っていつのまにか名前で呼び合うようになってるし。はやっ!

 けれど、俺は先ほど王女や会長が口にしていた『ステータス』がどうとかというのが、非常に気になっている。
 しかし言葉が通じるのも疑問だけど、英語も日本語も関係ないとか一体どういう理屈なんだかと思う。
 魔法がある世界でそんなことを言っても仕方ないのかもしれないけれど。

「あ、兵輔! 二人でこそこそと何話してたの?」

 俺の視線に気付いたであろう莉緒が、何故か小さく駆け寄ってくるのに俺の心臓は大きく揺れる。
 さらには、その後ろから会長と王女が微笑ましげに見ているのが気にかかった。

 が!

 それはどうでもいいとして、問題は言えるような話なら、内緒話など端からしていないという事。駆け寄ってくるまでの時間はおそらく僅か。

 逡巡。

 この場の空気感。今の現状。それを考慮し俺の脳内シナプスはフル回転する。それが答えを出すのに有した時間はおよそ0.28秒ジャスト!
 最短の距離、最速の動き。まるでネコ科動物のカウンターのような動きで、駆け寄ってくる莉緒の耳元に口を寄せ、俺は言葉を囁き掛ける!

「莉緒と会長って凄く可愛いよなって話をしてたんだ」

 言ってから気付く。


――こりゃぁ自爆だ‼


 だが、俺の胸の内は達成感に満ち満ちていた。やり切った。ただただ純粋なその思いが俺に拳を握らせ天井を仰ぎ、一筋の涙が頬を流れ赤い絨毯に染みを作る。
 という妄想をする暇もなく、

 莉緒は顔を紅潮させ後退り、両手を頬に当て足をモジモジさせると「そ、そんな、可愛いだなんて……」と顔を背けた。
 俺はそのあまりの可愛さに目を完全に奪われる。

 だが、まさか実際にこんな動きをする人間――いや、生物が存在するとは夢にも思っていなかった。それも、眼前でそれを行ったのは、空手のおそらくブラックベルトホルダー。
 これこそ話に聞くギャップ萌えという奴!? そう考えると見ているだけで俺の分身が反応しそうに――
 と、足を僅かに動かすと、突然真顔になり俺に一歩、歩み寄ってきた。
 
「ま、まさか、兵輔。怜奈を――」

「いやいや、待て待て! 確かに会長は可愛いとは思う。だが、俺は違う! 断じてあの腹グ……じゃなくて、会長に対して何か思ってたりはしない!」

 大慌てで両手をあたふたと交差させ莉緒に言葉を被せる。色々危ない!
 いや、ちょっと待て、


――またもや大自爆だ‼


 しかし、意外にも莉緒は僅かに頬を赤らめ、ただ上目遣いで俺を見つめてくるだけ。
 莉緒の「本当に……?」との言葉に二度大きく頷くと「そっ」とだけ言って身を翻すのを見送った。

 ちなみに俺の目の端にはずっと会長が天使のような微笑み――いや、俺的には冷笑や嘲笑の類に見える表情を浮かべているのが目に映っている。
 まるでそれは、放課後、生徒会室に来なさいとでも言わんばかりの顔。

 そこで、俺はジョーカーを切る事にした。そう。最強兵器歩君という切り札を。

「なぁ、歩。そろそろステータスがどうのこうのって話に進もうぜ。俺、このままだと精神が持たねぇよ」

 イケメン達、不良達、そして俺達と完全に自分たちの世界を作り、周りの人達置いてけぼり。王女に任せられてるからか知らんが、誰も一言も言葉を発したりしない。
 歩は俺の言葉に肯定すると会長に歩み寄り話をしてくれる。

 さてさて、やっと話が進むぜ……と、思っていると先ほどのお年寄りが、何か本のような物をよっこいしょ、どっこいしょ、とお待ちになって現れる。

 俺はご老人が健在な状態で姿を現したことに安堵し、その様子を確認する。
 皆の視線がお年寄りに集まるが、その歩みは非常に遅い。
 亀とか赤ん坊のハイハイ、と例えて罵詈雑言を浴びせたりはしないが、ナマケモノのすり足くらいの遅さではある。

 のでかは知らないが、王女がその様子を確認しながらも、俺達に向け口を開いた。

「あれはこの世界の人間全てが八歳で行う、ステータスを開く魔法を覚えるための魔法書なんです。
 えっと、そうですね……。
 もうしばらく、お時間がかかりそうですので、魔法の使い方を簡単に説明させて頂きたいと思います」

 いやいや、誰かご老体を労わってやれよ!と、俺の心は一人涙を流していた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

二度目の勇者は救わない

銀猫
ファンタジー
 異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。  しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。  それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。  復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?  昔なろうで投稿していたものになります。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

処理中です...