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8話

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それからは、ずっと避けてきた。
先生からいくつもメールが届いたり、電話が掛かってきても無視してた。
今回に関しては全部僕が悪い。だって本当のことを聞くことを恐れているから。もしかしたら何もないかもしれんない。でも僕は仮に、先生があの人と付き合うようになったらやっていけない。だって先生だけ・・・先生だけが僕のずっと味方で居てくれた。1度は誰のことも信じない、1人で生きてく。そう思ってたけど先生のおかげで少し身の回りが変わった気がした。勇気をくれた。
そんな先生にもし裏切られたら・・・そう考えるとどうしても聞く勇気がない。

でも、このままずっと避け続けるのも嫌だ。例え僕を捨てて、あの人を選んでも仕方ない。

だって僕は男。あの人は女。そりゃ先生だって女が好きだろうし。その時はその事実を受け止めて、祝福するしか僕にはできない。

先生のことをずっと考えていたら、涙が出てきた。僕のスマホに思い出として残してる日曜の出来事。先生とのツーショット写真を何度も見返して、仕舞いには先生の「大好き」「葵」、って呼ぶ声や、ずっと僕のことを抱きしめていること、美味しい料理を食べさせてくれること、たまに甘えてくること。そんな全ての事が頭をよぎりひたすら泣くことしか出来なかった。
僕はいじめられたことによって少しは気が強くなった気がしてた。でも先生のことになるとやっぱりマイナスなことしか頭に浮かばない。答えに繋がらない。

でも、このまま嫌な空気になりたくない。よし明日思いきって先生に聞こう。その時はその時に考えればいい。泣きながらもスッキリした。

~その頃の先生~先生視点

最近、葵の様子がおかしい。あんなにお昼休憩を楽しみにしていた葵はここ2日どちらも来てない。 授業中だって全然目を合してくれないし、すれ違っても下向いて通り過ぎてく、メール、電話はガン無視。

急にどうしたんだろう?何故俺を避ける。どうしてメールも返してくれない。そんな苛立ちな気持ちでたくさんだ。
俺は、葵を誰よりも大切にしているつもりだ。
多少、甘やかすところはあるが勉強はきちんと教えてくる、ご飯も作ってるし、好きって気持ちを行動で表している。

なのに、どうして?なんで?そう複雑な気持ちのまま、日が過ぎるのもやだな。よし明日学校で必ず理由を聞こう。 何故避けるのか。そして俺は葵に振られる覚悟で決意をしたのだ。
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