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本編
ひびきと皇ちゃん
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初めて、文鳥の雛が孵った事もあり、かなり嬉しかったのを覚えている。
無精卵を生むのに、寿命を削る様な状態は正直言うと辛かった。
無駄とはいえないけど、命をかけるだけの何かがあればいいのにと、願わずにはいられなかった。
柔らかい卵を身ごもってしまい、うまく生めないまま尿毒症になってしまう危険を孕んでいたから。
ポカリやお酒などをあげて、お腹をさすってあげる。体を温める。家では体調を崩した子に、蜂蜜入りのベビーフォーミュラを与えて、あとは神頼み。
そんな死と隣り合わせな中、3羽孵ったのだ。嬉しくないわけはない。
雛ちゃんにどんな名前をつけよう。挿し餌ドキドキだけど、可愛いだろうな。
そんな中、雛の1羽に異変が起きた。足が弱いらしく自分の力で足の曲げ伸ばしが出来ない。
とまり木にとまるだけでも、バサバサと暴れては落ちていた。
せっかく孵ったのに、この子は長く生きられないかもしれない。その現実を受けとめるのが怖くて、たくさん泣いた気がする。
ハムスター用の低いケージなら落ちても痛くないだろうか。
とまり木に等間隔でインシュロックで出っぱりをつけたらとまれるかも知れない。
相方に背中を押され、諦めそうだったけど、頑張って生きようとしている子。長生きなんて、無理に決まってると皇ちゃんの生を諦めるのではなく、支えてあげよう?
相方の態度からそういうものを感じて私も泣くのをやめた。
頭かきたいけど足が届かなければ、代わりにかいてあげるし、翼をバサバサさせながらバランスを取らないといけないなら、翼の付け根マッサージしてみたり支える方法はわからなかったけど、ここんちの子に生まれてきて良かった。そう思って貰えるといいなと、思いながら過ごしていた。
そんな背景もあり、見事に甘えたさんな皇ちゃんになった。
でも、なんか怒らせた?って時は、私の手を避けて飛ぶ。
『あなたの手になんかとまらない。私怒ってるんだから!』
そう言いたげに、私を避ける。
ご機嫌が直るとまたべったり文鳥になった。いつも思うけれど、小鳥なのに彼等は猫みたいだ。
皇ちゃんは、空を飛べるようになった。胴体着陸なので、ついキャッチしてしまう。私も充分親バカだろう。
奇形はいらない、相方がそういうタイプじゃなかったから、きっとあの子との時間を大切に出来たと思う。
多分出来るだけ飛ばないように。怪我しないように育てていたら、彼女との関係は違うものになっていたと思う。
でも周りが背中押してくれて、制限があるなりに鳥らしい生き方を、させてあげれたのは良かったなと思う。
どの子との付き合いも、限られたものだからこそ、大事に…、出来るだけ後悔がない様に、そんな風に過ごせた思い出は、私の中で大切な宝物になると思う。
バカみたいな事しつつ、その中で自分が取れる最善を。
毎回は無理でうまくいかなくて後悔したり、感情がうまくついていかなくて泣いたり。そんな時間を彼等と過ごしながら、今もなお彼らとの時間は続いて行く。
血は繋がって無いのに、みょんぼに皇ちゃんはお顔が似てると、デレデレの私。
ある時ふと気がついたけど、もしかしたら、たんにメスの顔の方が、好きだっただけじゃないだろうかと思ったり思わなかったり。
無精卵を生むのに、寿命を削る様な状態は正直言うと辛かった。
無駄とはいえないけど、命をかけるだけの何かがあればいいのにと、願わずにはいられなかった。
柔らかい卵を身ごもってしまい、うまく生めないまま尿毒症になってしまう危険を孕んでいたから。
ポカリやお酒などをあげて、お腹をさすってあげる。体を温める。家では体調を崩した子に、蜂蜜入りのベビーフォーミュラを与えて、あとは神頼み。
そんな死と隣り合わせな中、3羽孵ったのだ。嬉しくないわけはない。
雛ちゃんにどんな名前をつけよう。挿し餌ドキドキだけど、可愛いだろうな。
そんな中、雛の1羽に異変が起きた。足が弱いらしく自分の力で足の曲げ伸ばしが出来ない。
とまり木にとまるだけでも、バサバサと暴れては落ちていた。
せっかく孵ったのに、この子は長く生きられないかもしれない。その現実を受けとめるのが怖くて、たくさん泣いた気がする。
ハムスター用の低いケージなら落ちても痛くないだろうか。
とまり木に等間隔でインシュロックで出っぱりをつけたらとまれるかも知れない。
相方に背中を押され、諦めそうだったけど、頑張って生きようとしている子。長生きなんて、無理に決まってると皇ちゃんの生を諦めるのではなく、支えてあげよう?
相方の態度からそういうものを感じて私も泣くのをやめた。
頭かきたいけど足が届かなければ、代わりにかいてあげるし、翼をバサバサさせながらバランスを取らないといけないなら、翼の付け根マッサージしてみたり支える方法はわからなかったけど、ここんちの子に生まれてきて良かった。そう思って貰えるといいなと、思いながら過ごしていた。
そんな背景もあり、見事に甘えたさんな皇ちゃんになった。
でも、なんか怒らせた?って時は、私の手を避けて飛ぶ。
『あなたの手になんかとまらない。私怒ってるんだから!』
そう言いたげに、私を避ける。
ご機嫌が直るとまたべったり文鳥になった。いつも思うけれど、小鳥なのに彼等は猫みたいだ。
皇ちゃんは、空を飛べるようになった。胴体着陸なので、ついキャッチしてしまう。私も充分親バカだろう。
奇形はいらない、相方がそういうタイプじゃなかったから、きっとあの子との時間を大切に出来たと思う。
多分出来るだけ飛ばないように。怪我しないように育てていたら、彼女との関係は違うものになっていたと思う。
でも周りが背中押してくれて、制限があるなりに鳥らしい生き方を、させてあげれたのは良かったなと思う。
どの子との付き合いも、限られたものだからこそ、大事に…、出来るだけ後悔がない様に、そんな風に過ごせた思い出は、私の中で大切な宝物になると思う。
バカみたいな事しつつ、その中で自分が取れる最善を。
毎回は無理でうまくいかなくて後悔したり、感情がうまくついていかなくて泣いたり。そんな時間を彼等と過ごしながら、今もなお彼らとの時間は続いて行く。
血は繋がって無いのに、みょんぼに皇ちゃんはお顔が似てると、デレデレの私。
ある時ふと気がついたけど、もしかしたら、たんにメスの顔の方が、好きだっただけじゃないだろうかと思ったり思わなかったり。
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