6 / 20
7
しおりを挟む金曜日の夕方に先生達に「リハビリ病院の転院決まったね、おめでとう!」そんな事は初耳。多分私の回復具合と、病院が空いた兼ね合いなんだろう。
複雑な思いで、転院が決まったのかと、理解した。
嘘つき、前に電話で話した時、帰れるっていったのに。リハビリの先生も一人挨拶も出来なかったな。そんな事を考えながら、勝手に見捨てられた様な気持ちだった。
今現実的に考えても、朝から夕方までリハビリはあるのに毎日送ってもらえるわけがない。わかってはいたはずなんだけど、嬉しいはずの転院は不安しかなかった。
3月29日月曜日。
これを着てと預かったらしい服に着替え、車椅子のまま乗れるタクシーに乗せられた。久々に会う相方。転院の間一緒に過ごせると言われて嬉しかったけど、不安の方が大きかったらしい。
たくさん話したつもりだったのに、あまり喋ってなかったらしい。毎日のリハビリが今より大変なのはわかる。
でも人間関係が大丈夫なのかな…。
帰れない事だけど、それ以上にすごく不安だった。
相方は、病院で説明を受けるらしい。
何を話していいかわからない私は、早々に感染症対策で検査を受けた後、病室へと案内されて、担当のリハビリがの人に紹介された。
その後、リハビリを受ける洋服に着替えて、食堂へと案内された。個人的には運ばれた印象が強かったけど。
ご飯が出てきて食べる。お粥までは食べれる様になっていたけれど、お昼の時間に、嚥下のテストをもう一度された上、消化の時間など色々あるのだろう。
歯磨きまでの時間が、ものすごく長くて苦痛だった。
血液など検査の結果、塩味の物はまだ駄目だけど、好きなものを食べてもいいと言われて浮足立つ。
ゼリーとかプリンを持ってきて貰ったら?そう思ったけど、スプーン左手で食べるので、器を持つ事ができないせいか、あまり綺麗に食べきれない。
お菓子や菓子パンを持ってきて貰って封のついたビニール袋に、開けれたらその袋に入れ替えて食べる。
それもリハビリになるはず。そう思って出来るだけ自分で開けられる様にチャレンジし
ペットボトルは相変わらず固くて、まだ開けてもらっていた。
入院して少し経つ頃、以前知り合った作家のNさんから、可愛い白文鳥の手のひらサイズのぬいぐるみと、応援の言葉とゼリーを貰った。(多分、同時期!)
ぬいぐるみには、春と名付けてリハビリにたまに付き合って貰った。
少しSNS系のものにも、たまに顔を出していたので、やはりお話を書いているTさんから、いつか電話で話そうねといった温かいメッセージももらった。
Nさんともいつか話そうねなんてやり取りをした気がする。
ただ、左手がすぐに疲れちゃうから、その時は無理だったけど、頑張る意味をたくさん貰った気がする。
リハビリは、ハードになったらしいけど、あまり自覚は無かった。
ただ月に1回必ずある能力テストが苦痛で仕方なかった。
・何も持たずに2分立ち続ける。
・何も持たずに立ち上がる。
・後ろを左右振り返る。
・足元にあるものを取る。
前なら簡単にできたはずの事に、苦戦して、意味があるのかなと思ってしまう。
相変わらず、ズボンも自分で下げれず、バルーンも取れない。着替えも出来ない。とりあえず、バルーンを外して、一人でおトイレに行けるようにと、車椅子で動けるように練習した。
絶対的に、腹筋とか筋肉が足りないと言われて、ベッドいたまま練習できる筋トレを毎日こなした。
筋肉といえばプロテイン、単純にそう感じた私は夢を見た。
コンビニのような場所に並んでるココア味のプロテイン!あったじゃんと買おうとするもトレードマークがまさかの自作の雪くんだった。
明らかに夢だけど、プロテイン飲めばいけると思った。けれど、「今の運動量じゃ太るだけ…」そう言われて断念する事になる。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる