入院中に思ってた事や夢みてたこと。

皇ひびき

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 やっと、右手でスプーンを使い、介助用の食器とはいえ、右手オンリーで、食べられる様になった。

 一人で、トイレに行けるように、手摺を伝って歩く・扉を自力で開けられるか等の練習とチェックをされ、自由にトイレに車椅子で行く許可と、食堂に行く許可を貰った。

 比較的に我儘を言わず、大人しくしていたおかげで、薬も「飲んで良いですか?」と声をかけると、チェックされていれば、「飲んでも良いよ」と言ってくれる人かどうかも、見分けがつき始めたので、人を見ながら、薬を自分で飲む。

 以前は、粉薬を上手く口に入れられずに、顔にかぶったりしていたけど、それもなくなっていたので、段々と自分ひとりでできる事が増えてくる。

 階の違うリハビリテーションルームに行く日は、車椅子を押してもらわなくても、自力で行ける様になってきた。

 ただエレベーターを降りる時は、「押しますね」と押される事が多かった。

 けれど、売店にも自力で行きたいと話していたこともあり、行く先ボタンを押させてもらう様になり、そのうちに、自分ひとりで売店と中庭に、行く許可を貰った。

 たまに、プライベートがないのは困るから、たまにだったけど、同室のSZさんと話した。その時に中庭と駐車場が隣接していて、家族の顔だけは見れることを知った。

 朝6時代に棟内を3周まわり、天気が良ければ、一番早いリハビリが始まるまでに、中庭を3周。昼食後に棟内か中庭を3周。

 リハビリが終わった後に、棟内か中庭を3周。それを日課にしていた。 まるで、ハムスターの回し車にする反応か、やっとお散歩に出して貰えたわんこの様だなと、自分で思いながらも、筋トレだと思って出来るだけやっていた。

 晴れていて、相方が来る時間帯に、リハビリが入ってない時だけ、駐車場の傍により、少しだけ相方と顔を合わせられる様になった。

 基本的に面会は禁止されていたので顔を見る程度だけど、土曜日の午前中は、楽しく過ごせる様になった。

 同室のSZさんは自力で、中庭には行けないから、連れて行ってくれそうな方に、頼んでいたそうだ。

 不自由じゃないのかなと、私なら頭下げてまで行きたくないかも…等と、思った記憶がある。

「自力で行ける様になれば、人がいなくても会いに行けるのに…」

 後々に聞くと、3階の棟内を回れたからなんだと思っていたらしい。
 でも、中庭を自立にするなら必要な道だと思う。

 でも、棟内自立になったら、大好きなKTさんとも、食堂でお話出来るよ?とか私が思うメリットを話すと、  棟内とか中庭とか、自立したら自由に出来る事を、増やそうと思ってくれたらしい。

 退院直前のKTさんから、SZさんのやる気が出て来てて、前より覇気が出てきて嬉しいと言われた。
 療法士さんからも、言われた気がする。

 無駄に脳天気な思考でも、誰かの力になれるのかな?と、すごく嬉しかった出来事だった。


 そうこうしている間に、ずっと頼んでいたSwitchを持ってきて貰った。あまり頻繁に抜き差しして、壊れても困るので、イヤホンをそれぞれにお願いした。

 あれが使える…、これは合わない…を繰り返し、ある時に相方がゲームに使って使っていた、イヤホンタイプのヘッドセットを持ってきた。

 しばらくは、何事もなく過ごしていたけど、ある時突然と気がついた。
電話に使えるじゃないかと!

 おかげで電話が楽になった。電話をする個室もドアさえ開けられれば、自分で行けたので許可をもらい相方とフリーハンドで話せるようになった。
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