上 下
16 / 20

17

しおりを挟む

 そうして、入院している間に、夢で何羽かとのお別れをするのを見た。

 看取ってあげられない、罪悪感に何度となく、苛まれてしまい、しばらく文鳥の様子を聞くことが怖くてできなかった。

 実際、予知夢や虫の知らせと言ったものに、よく遭遇する方だったので、現実なんだろうなと思ってしまったから、余計に聞けない。


 でも、声だけ聞きたいと思った時に、相方から衝撃的な話を聞いた。

 箱庭のモデルにもなっているロゼが、気づくとドM文鳥になったというのだ。

 アルビノ文鳥という、レアさにお迎えした雛ちゃん。

 まだ、入院と言う事で、お別れをしたのは、まだ雛の頃だった。

 ベタベタの手乗りにしようと思っていただけに、入院が悔しい。 そんな子がブランコをケージに入れたら、揺らして♪と、カーテンを締めようとすると、ブランコに乗るという。

 どれだけ揺らしてもブランコに、しがみついているという。

 そのうちに、ブランコを人がいる方を向いている時に、揺らすとご機嫌だという。

 なのに、相方に背を向けている時には、威嚇音を出し、ハッと気がついた様に文句を言うらしい。

 相方いわく、尻尾が当たるから、そのポジションは気に入らないらしいとの事。

 そのうちに、ご機嫌でブランコに乗れるポジションをロゼポジションと命名されたらしい。

 見てみたいなと話してみたが、カメラが回ると「イヤ! なに怖い! 揺らしすぎ!」…的な行動を取るそうで、あまり動画に残せていない。

 けどなぜか、「流石〇〇さんの選んだ文鳥ですな~! ドMが過ぎる…」と言われる。

 ドMに育てたのは、君だろうと思うけど、相変わらず私のせいにされる。
 解せぬ…。


 そうしているうちに、痛み止めを変えてもらい、日に3回飲む様になった。

 夜中に一回、昼に一回、寝る前に一回の3回夜中に飲む様になったので、夜間薬を飲む前にお手洗いに行く。

 寝起きに歩行車は怖かったので、様子を見て変えるという事で車椅子で行く。

 いい加減だめだなと思い、歩行車に変えようとするも、夜間のパジャマのズボンが落ちるためサイズダウンしてみたが、丈が短くなっただけ。

 諦めて日中のトレーニング着を着て過ごす様になった。

 明け方に人の少ない時間、大好きなルピシアの紅茶を、水出し用にお茶パックに入れるのも、日曜の明け方の日課となった。

 差し入れのあと、もぐもぐお菓子を食すせいで、順調に体重は増えていく。

 普通は入院したら、体重は減りそうなのに、おかしいなぁ。

おかげで、退院後は入院前より10キロ増えた不思議。

 動いてはいたけど、大した距離歩いてないのだから仕方ない。 うむ…。
しおりを挟む

処理中です...